著者:友松はじめ
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今回ご紹介する本は『リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間』です。
著者は、ザ・リッツ・カールトンホテル前日本社長 高野登さんです。

目次
はじめに
第1章 感謝されながら、成長できる仕事術
第2章 感動を生み出す「クレド」とは
第3章 リッツ・カールトン支える7つの仕事の基本
第4章 サービスは科学だ
第5章 リッツ・カールトン流「人材の育て方」
第6章 リピーターを作るブランド戦略
第7章 今すぐ実践したい”本当のサービス”とは?
最後に

 

特別なすごい事が書かれているクレドカード

リッツ・カールトンがすごい!
クレドがあるから、きっとクレドには我々が知らないすごいことが書かれているはずだ。
でなければあんなすごいサービスができるわけがない。
リッツ・カールトンの成功はきっとクレドカードに書かれている内容が特別だからだ。

期待を膨らませてリッツ・カールトンに行き、実際にクレドカードをもらって読んでみる。
そこには当たり前のことしか書かれていない。こんなことなら自分達も分かるしやっている。
なんだ、期待外れだ、ガッカリした。

リッツ・カールトンが注目されて、多くの方がリッツ・カールトンに訪れて、クレドカードを持って帰っていた。と当時リッツ・カールトンに勤めていた方から聞きました。
そして先ほどのように、クレドカードの内容が期待外れだったと、ガッカリした方が多かったそうです。

クレドを導入していることで世界中で知られている、ジョンソン・エンド・ジョンソンを取材した『大切なことはすべてクレド―が教えてくれた/片山修(監修)』の中でも、クレドが紹介されていますが当たり前のことしか書かれていません。

でも、そのクレドを会社に浸透させる取り組みや、当たり前のこととしか思えないようなクレドの内容をもとに色々な取り組みがされていることを紹介しています。

実際ジョンソン・エンド・ジョンソンは、 1943年にクレドを発表してから一度も業績を落としたことがありません。クレドにはそれだけの力があるようです。

 

リッツ・カールトンのクレドを深く知るための本

この本は、クレドカードに書かれていない、クレドの裏側がわかる本です。
別の言い方をすると、リッツ・カールトンのクレドを深く知るための本です。
クレドカードを読むだけではわからないリッツ・カールトンのクレドの秘密です。

  • ボストンにあるリッツ・カールトンでの『ノー』と言わないサービスのエピソード
  • 部署同士で連携してスピーディーなサービスを行うラテラルサービスの見本
  • リッツで語り継がれる、伝説的なサービス『ワォ!ストーリー』から学ぶ
  • クレド誕生の秘話
  • クレドカードに書かれたゴールドスタンダード(クレド、従業員への約束、モットー、サービスの3ステップ、ザ・リッツ・カールトンベーシック)の話

クレドカードを読むだけではわからない、世界中にあるリッツ・カールトンのエピソードからクレドを学べます。

 

どこでもブーム

日本と同じようにアメリカでもクレドがブームになっていたそうです。
でも、アメリカでもうまくいかなかったそうです。

うまくいかなかった理由を高野さんは三つ挙げています。

  • クレドの意味を深く理解していない。クレドをマニュアルと勘違いしてしまった。
  • クレドを社員へ浸透させる仕組みがない。
  • クレドが経営者からの押し付けになっている。

うまくいかない理由は日本もアメリカも同じですね。

 

サービスは科学

リッツ・カールトンではサービスは科学と言います。
ミスティーク、 エンパワーメント、ファーストクラスカード、クレド浸透させるための様々な仕組みがリッツにはありますが、 サービスが科学だと考えているからこそ出来る仕組みだとわかります。

もう一つラインナップという仕組みがあります。
リッツ式の朝礼で、毎日始業時間の15分から20分間クレドカードに書かれた内容をもとにしてディスカッションを行なっています。これをラインナップと言います。

詳しくはこの本を読んでいただきたいのですが、このラインナップをすることでクレドの浸透がとても速くなります。リッツのスタッフはクレドカードをどこの省からも暗唱することができます。これは毎日クレドカードをもとにしてラインナップを行っているからです。

会社でよくある社訓を唱和するようなものではなく、クレドカードに書いてある一文を元にして、 君ならどうする? 他の人はどうする? もっとこうした方がいいよ。などなどディスカッションをするのです。

そして周りで聞いている人もそれを自分のこととして疑似体験ができるのです。
私もリッツではありませんが、リッツ色のラインナップを経験したことがありますがすごい効果だと思います。

 

まとめ

クレドは誰にでも作れると思います。
誰でも作れるクレドですがクレド導入がうまくいかないという声も多いです。
それはクレドを作るのは簡単でも、クレドを定着させるのはとても難しいからです。

クレドカードを読んだだけではわからない、クレドを定着させるために、リッツ・カールトンが日々やっている取り組みと、その意味をこの本から学べるはずです。

クレドを作る前に読むと役立つ本だと思います。

リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間/高野登(著)

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