リッツ・カールトンで実践した 働き方が変わる「心の筋トレ」/高野 登(著)の紹介
今回は『働き方が変わる「心の筋トレ」』をご紹介したいと思います。
著者は、リッツ・カールトン元日本支社長の高野登さんです。
「心の筋トレ」というキーワードですが、高野さんの別の著書にも度々登場しています。
筋肉を鍛えれば強くなるのと同じように、心も筋肉のように鍛えことができるということを分かりやすく伝えようとしてくれているのだろうと思っていました。
目次
はじめに
第1章 準備運動をする ~心のストレッチ~
第2章 基礎トレーニングを持続する
第3章 アウターマッスルを鍛える(コミニュケーション力)
第4章 インナーマッスルを鍛える(内省力)
第5章 総合力をつける ~バランスの取れた感性を鍛える~
第6章 「自分の人生」を生きる力を養う
心の筋トレとは?
心の筋トレとは、仕事の人間関係や辛いことにも、笑顔で乗り切っていける強い心を作る方法のことです。
心の筋トレを行なうことで、仕事とこれからの人生に向かう基本と心と感性を作ることができます。特に、これから社会に出る若い方に向けて書かれている本と言えます。
ホスピタリティやおもてなしはよく分からなくても『筋トレ』だと分かりやすいですよね。
読んでみると分かりますが、私たち社会人も知らなかった部分、鍛えていなかった部分を気付かされることが多々見つかります。
そして、そのウイークポイントを鍛える方法もケーススタディ形式で書かれているので、社会人としての基本を学び直したいとか、弱い部分を鍛えたいという全ての社会人にも読んで欲しい本になっています。
この本を簡単に説明すると…
心の筋トレで主に鍛える部位は『仕事』と『人間関係』です。
なぜこの2つを筋トレする必要があるのかというと…
人が会社を辞める決心をする時は、仕事を辞めたいのではなく、人間関係を辞めたいと思っているからだそうです。大変な思いをしてやっと入った会社から、3年以内に多くの有望な若者が去っていってしまう。しかも今の社会構造では、そう簡単に次の仕事が探せるものではありません。
そうすると社会の仕組みから遠ざかったり、中には引きこもってしまったりする人もいる。これは傍から見ると、実にもったいないことだと思います。社会にとっても、その人の人生にとっても。
高野さんが講師を受ける企業研修では、ホスピタリティをテーマにした講演内容が多いそうです。そしてその次に多いのが、人間関係に関するものなのだそうです。
それだけ人間関係の改善が必要とされているということなんですね。
仕事や人間関係でどんな問題がおこってしまうのか。
そして、それを解決していくためにはどんな力が必要か。
それが分かっている高野さんが、特に若い人に必要と考えて、分かりやすく『筋トレ』に見立てて鍛えていく方法を本にしたということなのでしょう。
トレーニング方法
では具体的に、高野さんが考える『心の筋トレ』とはどういった内容なのか簡単にお話したいと思います。
準備運動、これは心のストレッチ。
準備運動では素直さや約束を守る力など、信頼される人としての必要な力を育てる方法が書かれています。
基礎トレーニング
基礎トレーニングでは、観察をする力、人に頼ることができる力、言葉の表現力を豊かにする力などを育てる方法が書かれています。
観察する、人に頼る、というのはなかなか出来ていないような気がします。
また、話がおもしろいというのも社会人としては大事な能力ですね。
基礎トレーニングは継続して行わなければならないことなので、習慣化について学びます。
アウターマッスルのトレーニング
アウターマッスル、つまり外に見える筋肉を鍛えます。
アウターマッスルはコミュニケーション力です。
コミュニケーション力は落とさないこと。そして維持すること。
また好感を持たれるためにすることだと学びます。
その他には、仕事で大切なチームワークの力をつけるなど。
インナーマッスルのトレーニング
インナーマッスルは、自分の考え方や行動を正しく行えているか? つまり基本的な感性を鍛えます。
総合力を育てる
基礎トレーニング、アウターマッスル、インナーマッスルを鍛えたら、総合力をつけていきます。これはバランスの取れた感性を鍛える、育てるということです。
その他にも…
クレームに対応する力
湧き上がってくる嫉妬をコントロールする力
失敗から学ぶ力
怒りをコントロールする力
先を見通す力
等、これらをどうやって鍛えていくかを高野さんのいつもの著書らしく、たくさんの事例やケーススタディを通じて一緒に学んでいく内容になっています。
高野さんの著書はたくさんありますが、社会人になる前の学生さんはもちろんですが、社会人1~2年の新人社員用の教育教材としても使える内容ではないかと感じます。
強くしなやかな社会人を作る、非常にわかりやすい本だと感じます。
社会人として何が必要か? そしてそれをどうやって鍛えて育てていけばいいのか?
この本一冊でそれが分かります。
後はこの本から学んだことを継続、習慣にするだけです。
まとめ
今回は『リッツ・カールトンで実践した働き方が変わる「心の筋トレ」』を紹介しました。
私も覚えがありますが、社会人1年目、とにかく会社の仕事を覚えることに必死でした。
少しでも会社に迷惑がかからないようにすることが大事だと自分なりに考えていました。
しかし、仕事以外にも身につけなければいけない力がたくさんあったなと、今だからこそ分かります。
本当に社会人になって、数年間悩み続けたのは人間関係でした。
私は、いくつかの会社を転職した経験がありますが、辞めた原因の一つは『人間関係』でした。
そしてやっかいなことに、問題が人間関係だと分かっていても、筋トレのようなトレーニング方法を知りませんでした。目標にできるような人も周りにいませんでしたしね。
若い時に、この本が読めていたら、かなり人生が変わっていたんじゃないかとさえ思います。
だからこそ、この本を早い時期に読める人は幸運だと感じます。
昨今、年配の方の意見を素直に聞いてくれる若者は少ないと聞きます。
でも、見え方の角度を変えて眺めてみると、年配の人は自分たちの未来だと言い換えることができます。だって、若い人が今から経験する仕事や人間関係をもう経験しているのですから。
年配の先輩たちは、自分たちがこれから経験することをすでに経験をして解決策も知っている存在なのだと考えると、おじさん達の意見も素直に聞けるのではないでしょうか?
ただ、せっかく意見を聞くならば、誰もが認める社会人としての経験や実績のある方から学びたいものです。ですから、高野さんは申し分ない存在ですよね。
直接お話を聞けるのが一番いいのですが、なかなかそうもいきません。
でも大丈夫。
この本を読めば、これからどうやって自分を育てていけばいいかが分かるはずです。
心の鍛え方、育て方が分からない…
そう感じているなら、この本に書かれている『心の筋トレ』を習慣化してみてはいかがでしょうか?
若い人に向けて書かれた本のようですが、30代でも40代でも遅くはないです。
自分に足りないと思うところは、この本を読んで日々の習慣にしてみてはいかがでしょうか。
また、スタッフに『心の筋トレ』の習慣がつけば、会社やお店のクレドの導入もスムーズに進むような気がします。
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- ブランドづくりの教科書/林田 正光
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