リッツ・カールトン 超一流サービスの教科書/レオナルド・インギレアリー、 ミカ・ソロモン(著)の紹介
今回ご紹介する本は『リッツ・カールトン 超一流サービスの教科書』です。
レオナルド・インギレアリ―、ミカ・ソロモンのお二人の共著です。
翻訳本です。
レオナルド・インギレアリ―さんは、リッツ・カールトンに在籍していた方で、ブルガリやディズニーなどの有名企業でサービスの指導を行っている方です。
ミカ・ソロモンさんは、顧客サービスや企業文化を専門にするコンサルタントで、セス・ゴーディンさんの著書『紫の牛を売れ』にも取り上げられた方です。
目次
序文
はじめに
CHAPTER01 脚立に乗った営繕係 最高レベルのサービスを実現する
CHAPTER02 顧客満足の4つの要素 完全な商品、気配り、タイミング、トラブル解決
CHAPTER03 技術としての言葉 ひとつの言葉もおろそかにしてはならない
CHAPTER04 リカバリー! サービスの失敗を挽回する
CHAPTER05 リピーターになりたくなるシステムをつくる お客様の役割、ゴール、好みを追跡する
CHAPTER06 先を読んで商品とサービスを提供する プロセスの主導権を握る
CHAPTER07 スタッフ 採用、オリエンテーション、トレーニング、さらなる向上
CHAPTER08 リーダーシップ お客様を中心に据えた組織づくり
CHAPTER09 価値があるかどうかを見抜く 価値、コスト、価格決定の指針
CHAPTER10 オンラインでお客様の心をつかむ インターネットの力を活用して、お客様もあなたの会社の目的をかなえる
CHAPTER11 こんにちは/さようなら ふたつの重要な瞬間
この本を読むと得られるメリットは?
この本を読むことによって得られる私が思うメリットは3つです。
超一流といわれるリッツ・カールトンのサービスの裏側がわかる
お客様の心をつかむには何が必要かがわかる
揺るがないサービスの原則がわかる。そして導入もできる
伝えたいことはシンプル
超一流のサービスの教科書ということですが、目的はとてもシンプルでした。
お客様と一対一で向き合い心から信頼される関係を築くだけ。
ただそれだけのための教科書です。
世の中には、データを取ってお客様を分析する手法がありますが、伸び悩んでいるところが多いそうです。
データを分析する顧客マーケティングが伸び悩んでいるのは、顧客とのロイヤリティが築けていないからと書かれていました。
ロイヤリティってよく聞くじゃないですか。
周りが使うからなんとなく使ってる。
なんとなく意味は分かるんだけど、ちゃんと説明しろと言われると少し困る。
そんなことはないですか?
ビジネスでロイヤリティを使う場合、意味が2つあります。
顧客に対してのロイヤリティの意味は、顧客がその会社、ブランドを信頼して、高く評価していることをあらわす意味で使われます。
そして、もうひとつ。
会社への忠誠心という意味で使われています。
会社へのロイヤリティが高ければ、この会社でずっと働きたいと思うようになり、離職率が下がる。お客様へのサービスも積極的になって自社のブランドに自信を持ってサービスができる。
ということで本書では、顧客のロイヤリティと従業員のロイヤリティを育てる方法が書かれています。そして顧客のロイヤリティも従業員のロイヤリティも、確実に効果を出すことが誰にでもできると書かれています。
そのためには、サービスの原則と、そのためのメソッドを理解する必要があると書かれていますし、そのサービスの原則も、メソッドも、この本にしっかりと書かれています。
一つだけ、本書の中で一番私が印象に残ったことを簡単に紹介したいと思います。
リッツ・カールトンは、お客様にとって『第二の我が家』になると言っています。
『第二の我が家』ということは、もちろんくつろげる場所、落ち着く場所、妻や子供がいる自分の家のような場所。そう思っていたのですが、本書を読んでそれは間違った理解だとわかりました。
リッツ・カールトンが言う『第二の我が家』とは、自分のために何もかもそろっている場所なのです。
例えるなら、お正月やお盆に帰省した、自分の実家です。
実家に帰れば、母親が色々と気を使ってくれて、何もしなくてもご飯やお風呂の用意をしてもらえます。
自分が生まれ育った場所ですし、実家にいるのは気心が知れた両親や兄弟だけ。
気を使うことはありません。
必要なものは全て揃っています。
そんな場所を『第二の我が家』とリッツは表現していたのです。
ここの理解を間違えると、ボタンのかけ間違いのようになってしまいます。
本書では、リッツ・カールトンのクレドの意味も詳しく書かれていますので、海外のリッツ・カールトンの本も、たまには読んでみると新しい視点が手に入るかもしれません。
読んだ印象ですが、この本で伝えられている事も、ホスピタリティが土台となったサービスなのですが、どことなく科学的と言うかドライなメソッドという印象を受けます。
別に悪い意味ではありませんよ。
まとめ
今回は『リッツ・カールトン超一流サービスの教科書』ご紹介しました。
この本では、たくさんのメソッドが登場します。
でも、全部自分たちで完璧に行えるだろうかと読んでいて心配になります。
心配になった人のために、この部分を引用し紹介します。
例えば、先の「顧客の関心ごとなどをメモする」ことを目指し、「そのうち最低3つを満たすことを目標にした」(113頁)、という。「お客様と一対一で向かい、心から支持される関係を築いていく」(15頁)ためには、初めから完璧でなくても、ごく「シンプルなこと」をコツコツと続けていく。そこで育まれる「人間的な絆」によって、顧客は「人生が変わるほどのインパクト」を受け、「唯一無二の存在」になり、「他の業者には目もくれなくなる」というのだ。
この一文に、「なるほど、そうだったのか!」と驚嘆した。実は私もリッツ大阪で、先の低刺激枕お客と似た体験を重ね、「ああ、やっぱりリッツ・カールトンしかない」と、見事に心を奪われていたからだ。(324ページから引用)
たくさんのメソッドが紹介されます。
どれか一つでも、すぐに取り入れられそうなものがあれば、そこから始めても良いのではないでしょうか。
また、リッツ・カールトンの実績が素晴らしいだけに、私たちも完璧にしなければならないのではないか? 失敗したらどうしよう…と思いがちですが、全くそんなことはないと、この引用文から分かります。
リッツ・カールトンのサービスのいいところは、お客様の範囲が広いことだと私は思います。
どういうことかと言うと、お客様だけでなく、会社の仲間、そしてお取引先も全てお客様と考えるところです。
このような思想で仕事をしていれば、冒頭でお話ししました顧客のロイヤリティも、従業員のロイヤリティも両方高まって、お客様に支持される理想の会社に近づいていくのではないでしょうか。
クレド関連書籍一覧
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- リッツ・カールトン 超一流サービスの教科書/レオナルド・インギレアリー、 ミカ・ソロモン
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