著者:友松はじめ
Pocket
LINEで送る

今回紹介する本は『ゴールド・スタンダード』です。
著者は、企業コンサルタントのジョゼフ・ミケーリさん。

リッツカールトンのゴールドスタンダードが学べる本です。
そして、リッツカールトンの誕生から買収も含めて舞台裏が分かる、リッツファンにはたまらないです。

目次
はじめに
1章 リッツカールトン経験

方針1 定義し磨きをかける
2章 基礎を築く:コア・アイデンティティと文化を伝える
3章 適合性を高める

方針2 信頼して権限を与える
4章 人材を選び抜く
5章 信頼の問題

方針3 大切なのはあなたではない
6章 他人に焦点を当てたビジネスを作り上げる
7章 現場の視点を支持する

方針4 ワオ体験を届ける
8章 ワオ:究極の顧客経験
9章 ワオ体験を作り出す

方針5 消えない足跡を残す
10章 志し、成し遂げ、教える
11章 持続可能性と管理

結び 続いていく印象

日本語版特別収録
ザ・リッツ・カールトン大阪、成功の秘訣

 

ゴールド・スタンダードは、クレドカードに書かれている

クレド
モットー
サービスの3ステップ
サービスバリューズ
従業員との約束

等の総称、リッツ・カールトンの企業理念と言えるものですが、この本にはそのひとつひとつの話が書かれていますし、MR.BIVやワオストーリーもエピソードを交えながら登場します。

あらためて、リッツのキーワードを勉強し直すこともできます。
また、各センテンスの最後に、著者から3~4個の質問が出されています。
センテンスを読んだあとに質問に応える形式なのですが、これはまるで、話に聞いたリッツの朝礼『ラインナップ』を受けているようです。

質問されることによって、自分の会社やお店は今、どんな状況か、質問に答えられるレベルになっているかなど、リッツの取り組みと自分の会社やお店と比較しながら考えることができます。

 

まとめ

リッツ・カールトンとクレドを作った、正にアメリカ本場の本部の人たちの活動の舞台裏が分かるだけでも非常におもしろい本。私は特に、ベーシックがバリューに変更となった経緯の話や、リッツ・カールトンがマリオット・グループに買収された話は知らなかったので、非常に興味を持って読むことができました。

リッツ・カールトンで働くと一流のホスピタリティ力が育つと言われていますが、この本の最後にこんな文章がありましたのでご紹介します。

背の高さを求めてたゆみなく努力を続ければ、お客様の経験を変えるだけでなく、起業家従業員に関わる全ての人を変えることができる。サイモン・クーパーはいう。「この会社に来る前は悪人だったというわけではありませんが、従業員は大切にされ、価値ある人間として尊重される環境で質の追求を目指すうちに、より良い人間になったような気がします。企業が一丸となって質の向上に取り組めば、全員が成長するのです」本書で学んだリッツカールトンの成功への旅路から、あなたとあなたの企業も新しいゴールドスタンダードを実践し長期にわたる成功を手に入れてほしい。

クレドが完璧に機能している環境では、人の中身まで変えてしまうのでしょうか。
ただ外では、オンオフを切り替えるために、ダラダラとしているスタッフも、いったん業務に入ればサービスのプロフェッショナルとしてスイッチを入れると別のリッツ関連の本で読んだことがあります。

リッツ・カールトンのように、クレドが機能している環境はサービスのプロを育てる力があることが改めて分かりました。

今までの書籍では、日本のリッツ・カールトンのお話しが中心でしたが、このゴールドスタンダードを読むことで、海外の広い視点でリッツ・カールトンのこと、クレドのことを知ることができます。その点で言っても貴重な一冊です。

ゴールド・スタンダード/ジョゼフ・ミケーリ(著)

クレド関連書籍一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加