リッツ・カールトン元支配人が学んだ一流のホスピタリティ心得―マニュアルではなく体験で身につける大事なこと/林田 正光(著)の紹介
今回は『リッツ・カールトン元支配人が学んだ一流のホスピタリティ心得~マニュアルではなく体験で身につける大事なこと~』という本をご紹介します。
この本の作者、林田正光さんは元リッツ・カールトン営業支配人だった方です。
これまで林田正光さんの著書はたくさん読んできました。
30数年間勤めた会社を辞めて50歳から外資系の一流ホテル、リッツ・カールトン大阪に転職。
7年間、一流のサービスを学んで実践してきて、そしてリッツ・カールトンを退職後は、自分の会社を企業。そして三つのホテルの立て直しに尽力された方です。
その経歴は、それぞれの著作の中に少しずつ書かれていたのですが、今回この本では、私が気になっていた林田さんの半生がより詳しく書かれていて、この本を通して、サービスやホスピタリティを学べる本になっています。
上り坂や下り坂、そしてまさかを繰り返しながらホスピタリティを学んできた、林田さんの生き方から学べることは多そうだと思い、読むことにしました。
目次
初めに仕事の現場で「ホスピタリティの心」を学んできた
1章 順風満帆なビジネス人生が、一夜にして崩壊した日
2章 50歳。背水の陣でリッツ・カールトンに転職し、学んだこと
3章 リッツ後、まさかの二幕。二社の社長に就任し、学んだこと
4章 「プラスのまさか」の三幕は60歳から始まった!
5章 仕事の坂を「ホスピタリティ力」で乗り切る!
自信を持てる「強み」はあるか?
まず言えることは、自分だけの強みを見つけることは、生き抜いていくためにとても大切なことのような気がします。
若い時には、なかなか自分の強みというのに目が行きにくいかもしれません。
林田さんは48歳で大病を経験し、その病気がキッカケで30年以上勤めた会社を退職することになるのですが、近い将来、社長になろうと計画していた会社を辞めたわけですから、その後の将来がものすごく不安だったようです。
40代後半50代になってくると、やれることは限られてきますからね…。
そのあたりの気持ちはとても良くわかります。
体力も落ちてきますし、鍛えないと頭も弱ってきます。
若い時のように、誰でもできるような仕事をしていても、若い人に仕事を取られてしまいます。
林田さんも不安があったようですが、自分だけの強みはホスピタリティ力だ! と気づき、これからの残りの人生は、その自分の強みを磨き上げていくと決めて仕事をしてきたそうです。
すごく共感します。
肝心なのはむしろその「まさかの坂」に出くわしたときにどう対応するかなのです。それによって命運は別れると言っていいでしょう。つまり、それを一つのチャンスと考えるかどうかなのです攻めに出るか守りに徹するかで、その後の人生は大きく変わってくると言えるでしょう。
ただ、これは自分に人に負けない「強み」があってこそ。
だから、若い人はそこを強く意識したほうがいいように思います。
であればリスクはあるけれども一つの可能性にかけたほうがずっと面白い。充実した人生を過ごせると思ったわけです。もし仮にリッツ・カールトンに採用されなかったら、人脈を駆使してなんとか這い上がってやるとの気概に燃えていました。その心意気さえあれば、どんな状況に置かれようとも人生は開けると確信したのです。
とあるように、林田さんは一大決心をしてリッツ・カールトンの幹部社員の一般募集に応募します。
しかし、せっかく入ったリッツ・カールトンでも、あまりの文化の違いに辞めたいと思ったことが何度もあるようです。でも、そういった気持ちに負けないで切り抜けてこれたのは、その時の自分の強みがあったからこそだと言っています。
3つの「まさか」
林田さんは3つの「まさか」があったと書いています。
ちなみに、まさかには、悪いまさかもあれば、良いまさかもあります。
一つ目のまさかは大病をして会社を辞めリッツに入社したこと
二つ目のまさかは57歳で独立したこと
三つ目のまさかは60歳3度目の社長業を引き受けたことと出版ができたことでした
詳しくは本書を読んでいただくとして、この本ではサービスやホスピタリティを学ぶというよりも林田さんのくじけない人生から勇気をもらう本、リーダーになりたい人が学ぶ本であると思います。ぶっちゃけ、林田さんの別の本で、サービスやホスピタリティの方法は嫌というほど学べます。
まとめ
林田さんが、ホスピタリティやおもてなしの心を本格的に学んだのは外資系のホテルリッツ・カールトンでした。
大病をして追い詰められたとき、林田さんは自分の強みをホスピタリティだと見つけた。
そしてそれを磨いた。
磨いた結果、京都、彦根、伊勢志摩でホテルの再建、それと独立と出版。
大変な苦労があったと思います。
その中で、私が思う林田さんの功績は、日本人のおもてなしの心と外国のある意味シンプルでわかりやすいホスピタリティとサービスの仕組みを日本式で浸透させた一人だと思うのです。
一応、サービスやホスピタリティを学ぶ本ではありますが、人生を生き抜いていく一つの方法として、強みを見つけて育てていくという方法があるよ。というのを林田さんをモデルケースにして学べることが、この本の一番の価値なんじゃないと思うのです。
本当に勇気をもらえます。
ぜひ、読んでほしい1冊です。
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