ブランドづくりの教科書/林田 正光(著)の紹介
今回ご紹介する本は『ブランド作りの教科書』です。
リッツ・カールトンやクレドで有名な林田正光さんの著書です。
この本のテーマは、ブランドを正しく理解して自分の会社やお店のブランド作りに役立てること。
そして、個人として自分自身のブランドを作っていくこと。
このブランド作りの具体的な方法について詳しく書かれた本になります。
林田さんの他の著書でも度々ブランド作りについては触れられています。
そのブランド作りがタイトルになった本です。
著者の林田さんは高校卒業後、藤田観光株式会社に就職して32年間、49歳までお勤めします。関西地区顧客担当部長として手腕を振るっていた矢先、突然の大病を患い約2年間の入院と自宅療養することになります。その後、会社からの冷遇に失意のまま会社を辞め、ゼロから幹部社員の募集に応募。
そして難関のリッツ・カールトン採用試験から見事採用され、50歳から生まれて初めての外資系企業、しかもクレドという耳慣れない経営理念のようなものがあるホテル、リッツ・カールトンで新たな人生をスタートさせました。
私は個人的に、林田さんのこの経歴を知ってから、リッツ・カールトンやクレドの著作者の中で一番好きな著者が林田さんです。50歳と言う年齢で、一から新しい考え方であるクレドを学び身につけ、7年間勤務をした後、ご自身の会社を起業され、3つのホテルの再生に尽力された方です。
ブランド作りの教科書ということですが、著者の林田さん本人が、リッツを退社された後に、ご自身をブランド化していった経緯があります。
ですから、大変興味深く読めるブランド作りの本だと思います。
目次
はじめに
第1章:ブランドとは何か
第2章:会社ブランドをつくる
第3章:自分ブランドをつくる
おわりに
この本を読むことで得られるメリット
この本を読むことで学べるメリットは
ブランドとは何かがわかる
会社のブランドの作り方がわかる
自分のブランドの作り方がわかる
以上の3つです。
ブランド作りやブランド化のワードはよく耳にします。
実際に成功するブランドとはどんなものなのかということをこの本で知ってもらえると思います。そして、経営者であれば会社のブランド作り、個人であれば自分のブランド作りを学んで仕事に活かしていただけたらと思います。
参考までに、著者の林田さんがあげているこの本のメリットをご紹介しておきます。
- あの会社あの人は特別だと一目置かれる
- 値段が高くてもお客様が定期的に足を運んでくださる
- お客様が自ら宣伝してくださる
- お客様があなたを指名してくださる
- お客様があなたの仕事に感動される
- コミュニケーションがブランドになる
- 高い専門性を身につける
- 豊かな人脈を形成する
- 書籍を出版する
- なりたい自分を手に入れる
以上の10項目です。
全部を手に入れたい方は、ぜひ本書を手にとって読んでみてくださいね。
林田さんの言うブランドとは?
ブランドとは何かと言うと、林田さんは自分の会社や商品や人を他の会社の商品や人と差別化するものと言っています。
この本の中でブランドに関してのエピソードとして印象的なものを一つ紹介します。
ある出版社が、リッツ・カールトンのサービスを題材にした本を作るため、リッツ・カールトンの名前を使わせて欲しいと許可を求めてきたそうです。
その時リッツ・カールトンが、出版社におよそ1億円の使用量で名前やロゴを使ってもいいと条件を出したそうです。
提案をしてきた出版社がリッツ・カールトンの書籍を出すことによって1億円分の価値が作れると考えたからだそうですが、これがブランド価値なのだそうです。
世の中にはいろんなブランドがあります。
どのブランドも一長一短ではできない、長い歴史があるものばかりのような気がします。
ですから、ブランドを作りたいと思っても、それなりに時間がかかるものであって、我々にはブランド化は、夢のまた夢というイメージがあります。
しかし林田さんは、短い時間でもブランド化は十分に可能だと言っています。
その根拠はリッツ・カールトンです。
林田さんは、リッツ・カールトン日本進出第1号のホテル、リッツ・カールトン大阪オープニングメンバーでもあるので、実際にリッツ・カールトンが日本でブランド化していく過程を目の前で見て、貢献してきた一人です。
リッツ・カールトンは約5年で日本のホテルランキングの1位を獲得し、日本の国内で一流ホテルのブランド化に成功しました。そして、リッツ・カールトンが注目され、それと同時にクレドが注目されるようになったわけです。
それを目の前で見てきているのでブランド化に時間は関係ないと言い切れるのです。
では、なぜ私たちはブランド化しなければならないのでしょうか?
それは物がなかった時代、何でも作れば売れるという時代がありました。
そして作るものはどこも同じ。どこも同じ商品なので、品質は当然競争して上がっていきますが、どこも同じなので価格競争にも巻き込まれます。
だから体力がある企業が生き残り、体力のない会社は淘汰されていきます。
しかし、お客様にとって特別な存在、特別な企業、特別な商品になることができれば、価格競争に巻き込まれることなく、もしかしたら大手に勝つこともできるのです。
このお客様にとっての特別な存在というのが林田さんが言うブランド化です。
ブランド化することで価格競争に巻き込まれないというだけでもステキです。
ぜひブランド化したいです。
ブランド化の手順を簡単に説明します
この本では、会社と個人のブランド化の方法を教えてくれています。
ブランドの作り方について詳しくは本書を読んでもらうとして、少しだけ作り方について触れてみたいと思います。
会社のブランドの作り方
会社のブランドを短い時間で成し遂げるには、極端なことをやることが大切。
極端なことというのは、例えばそこまでやってくれるのか! というようなお客様が驚くようなサービスをやるということでした。
極端なことをお客様が、そこまでやってくれるのか! と感じてくれるそのレベルまで高められれば、短期間でブランド化は可能です。
リッツ・カールトンでよく言われるのは
神秘的なサービス
パーソナルなサービス
ノーと言わないサービス
仕事の範囲を超えたサービス
このようなサービスで、伝説として受け継がれるような、サービスエピソードが次々と生まれています。
では、リッツがこのようなサービスをやりながら、短期間でブランド化できた要因は何かと言うと…
ズバリ、クレドの存在でした。
クレドがあったからこそ、極端なサービスをしてもスタッフ一人ひとりがぶれなかった。
サービスのクオリティが一定していたのです。
ですから、この本で短期間に会社をブランド化するには、極端なサービスが必要ということを学んだら、別の本でクレドについても学んでほしいと思います。
自分のブランドを作る
自分のブランドの作り方です。
自分のブランドとは、どういうものを言うのでしょうか?
それは、自分を他人と差別化するものを自分のブランドと言うそうです。
私も自己紹介をする時、普通に自己紹介したのでは覚えてもらえないので、『速読を教えています』と自己紹介に入れることがあります。これは他の人が持っていない私だけのもの。特長的なことを言って覚えてもらうために使っています。
ブランド化ができている人は、一般的に価値の高い人と言えます。
あの人は何々ができる人。という認知をされれば、それは特別な人として一目置かれることになります。詳しくは本書を呼んでいただくとして、自分のブランドを作るのは、会社のブランドを作ることと同じように、短期間で作ることが可能です。
そして、極端なことを行うことによって、短期間で自分のブランドが作れるとのことでした。
本書には、自分のブランドを一から作る方法と、4段階に分けて作る方法が紹介されています。どれも分かりやすいブランド構築の方法なので、興味のある方は、ぜひ本書を読んでみてください。何より著者が実際にブランド化に成功した人ですので、安心して信じて読んで大丈夫だと思いますよ。
最後に、自分のブランドを作るポイントを書いておきたいと思います。
自分のブランド=コミュニケーション能力+専門性
と本書の中で教えてくれています。
能力があっても、気配りや心配りといったコミュニケーションの能力がないとブランド化はされないそうです。ですから、人とは違う専門性を持っていたとしても、人としてのコミュニケーションのスキルをしっかりと身につけてくださいとのことでした。
能力をひけらかし、コミュニケーション能力が全くない、空気も読めない。
そういう人は、素晴らしい専門性を持っていても、周りの人に受け入れられることはないですよね。コミュニケーションスキルは、本から学ぶことも出来ますし、研修もありますから自分にコミュニケーション力が足りないと思っているなら、積極的に勉強をしてスキルを身に付けるのも方法の1つですね。
林田さんの公式でいけば、専門性はそんなになくてもコミュニケーションスキルが高ければ、自分のブランドが確立できるとも言えるわけですからいいですね。
この本を紹介するに至った理由
私がこの本『ブランド作りの教科書』を紹介する理由についてお話ししたいと思います。
昨今、私たちが想像もできないような方法でお金を稼ぐ人たちが現れてきています。
その代表が堀江貴文さんや2ちゃんねるの創設者ひろゆきさんのような方達なのですが、それ以外にも無職をビジネスにしたり、早起きをビジネスにしたりする人がいます。
昔では考えられないビジネスです。
そういう人がいるんだよと周りに話しても信じてくれません。
また、私の身近なところでも読書会をビジネスにして独立した青年もいます。
そこで共通するのは、専門性もさることながらコミュニケーションスキルが高い人達です。
そして、積極的に情報を発信して多くの人たちから共感を得て仲間を増やしてビジネスにしているのです。
そういう人たちの講演を聞いてみると、会社員時代から能力が高かった人もいれば、会社員時代は、それほどでもなかった人たちもいます。なんとなく始めてみたら人が集まってきてビジネスになったという場合もあります。何度も言いますが、共通しているのがコミニュケーション力の高さです。
そして、自分自身をブランド化して情報発信をして、さらに共感する仲間を集めて、自分のビジネスを着々と大きく成長させています。
また、個性的なビジネスなので同じことをする人たちが少なく、価格競争にも巻き込まれない。
集まってくる人たちにとっても彼らの存在は特別な存在になっています。
いろんな働き方が注目されている昨今、これからも、考えられないようなビジネスが生まれることでしょう。
もしかしたら自分がそういうビジネスを始めるかもしれません。自分をブランド化することをこの本を読んで、一度考えてみても損はないと思いますよ。
この本を読んでほしい私なりの理由
私がこの本『ブランド作りの教科書』を読んでほしいと考える理由を3つの点から説明したいと思います。
共感してもらえるブランドが作れる
負けない会社になる
負けない個人になる
では、簡単ですが以上の三つを説明したいと思います。
共感してもらえるブランドが作れる
ブランド化するにも作り方が問題になると思います。
作っている本人がブランド化できたと思っても、周りから見るとブランド化できていない場合だってあります。
見よう見まねで、独学で作るより本書を読んでブランドを作って行った方がいいと思います。その理由は明らかです。著者の林田さん自身が、大病を患って50歳という年齢でゼロからリッツ・カールトンで7年間働き、その後自分の会社を作り、自分自身のブランド化に成功しておられるからです。
また、ブランド化だけでなく、林田さんはリッツ・カールトンを退職するまでに3,000人以上の人脈を作っています。
人脈と言っても名刺交換しただけの名刺の数ということじゃないですよ。林田さんが考える人脈とは、気軽にお願い事ができる人、気軽に電話ができる人の2点を押さえた人が林田さんのいう人脈です。
気軽にお願いができて、しかも電話もできる人が3,000人いるって凄くないですか?
こんな人が教えてくれるブランド作りの方法です。この本をおすすめしないわけにはいきません。
負けない会社になる
この本を参考にブランド化できれば、ブランドができた会社は競合他社に負けないということです。これは価格競争に巻き込まれない、特別な存在と思ってもらえるブランド化の方法が学べる本だからです。
負けない個人になる
せっかく働くのですから、自分の専門性を活かして、いろんな人から与えられる人間になりたいものです。やはり一目置かれるというのは、何にしても嬉しいものですし、仕事をする上で自分の自信につながります。この本を読んで個人のブランド化について具体的な方法を知ってもらいたいと思います。きっと何かの役に立つはずです。
まとめ
今回は『ブランド作りの教科書』ご紹介しました。
ブランド作りは、時間がかかるものだと思っていましたが、日本に進出してたった5年でブランド化してしまったリッツ・カールトン大阪。著者の林田さんの個人のブランド化もしかり、現実に短期間でブランド化は可能だということをこの本で知ることができます。
また、具体的な方法も教えてくれています。
自分の会社やお店、そして自分自身のブランド化について興味のある方は是非読んでみてください。
クレドについて、詳しく書かれているわけではありませんが、ブランド化に関して原動力になっているのはクレドであることは間違いありません。クレドを導入すると、どんな効果があるのかどんな良い影響があるのか、そういったものも学びたいと思っている方にも、この本は役立つ本だと、私は思います。
クレド関連書籍一覧
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