著者:友松はじめ
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今回は『リッツ・カールトンで学んだしごとでいちばん大事なこと』をご紹介します。

人間というものは、新しい変化を嫌う傾向にあります。
私も経験があるのですが、社長が勉強会や異業種交流などで、何か新しいことを学んで、新しいことを始めようとした場合、口では『社長、最高です! 是非やりましょう!』というものの、社長がいないところでは『また社長がわけのわからないものを始めたよ。めんどくさいなぁ。やりたくないなぁ』と言ったりします。

これはある程度、仕方がないことだと思います。
クレドが会社やお店に、そして従業員の人たちに、いい影響を与えるものだとわかっていても、経営者がクレドを始めようと準備を進めていくと、協力する社員もいます。けれど抵抗をする社員も出てきてなかなか上手く進まないということもあるようです。

それでも、飲み込みが早いと言われる若い社員ならともかく、年配の古くからいる社員に新しい考え方『クレド』が身につくだろうか? と心配に思えてきます。。
しかし、今回紹介する『リッツ・カールトンで学んだしごとでいちばん大事なこと』を読めばそれが杞憂だったことが分かるかもしれません。

その理由は著者の林田正光さんにあります。

 

目次
はじめに
第1章 ゲストが感動するホテル、ザ・リッツ・カールトンで学んだこと
第2章 なぜリッツ・マンはお客様の心をつかめるのか
第3章 心配りのできる組織のつくり方
第4章 リッツ・マンに負けない魅力ある自分をつくる
第5章 ホテルマン流・人脈構築術
第6章 リーダーシップと目標があなたを魅力的にしてくれる

 

この本を読んで得られるメリットは?

今回ご紹介するこの本『リッツ・カールトンで学んだしごとでいちばん大事なこと』を読むことで得られるメリットですが、

新しいことにチャレンジするのに年齢は関係ない
なぜリッツ・カールトンから感動のサービスが生まれるかが分かる
なぜリッツ・カールトンのスタッフはお客様に喜んでもらうことができるのかがわかる

以上の3つです。

 

この本を読んでクレドに対して思うこと

私は、クレドはどのような業態の会社やお店でも導入ができると考えています。
そして、クレドを活用できる現場のスタッフの性別や年齢に関係なく浸透し活用してもらえると考えています。

しかし、先ほど言いましたように、今までにない考え方ですから、考え方が柔軟な若い人の方が受け入れられやすいのではないかと思うこともありました。しかし著者の林田正光さんは、リッツ・カールトン大阪に50歳になってから転職しました。

林田さんは、地元熊本の高校を卒業し19歳で大阪の藤田観光に入社、大阪の迎賓館と言われた太閤園に配属されました。そして49歳で退職するまで営業として働きました。

このままずっと、この会社に定年までいるつもりでいたそうですが、48歳の時に胆管狭窄という大病を患い、長期入院を強いられてしまいます。そして半年間は病院のベッドで過ごし、退院してからも半年間は休養をしなくてはならず、まるまる1年間、太閤園を休職したそうです。

そして49歳になった時、1997年にリッツ・カールトンが大阪で開業するという情報を耳にします。

30年以上勤めた会社であっても、1年間休職した後の林田さんには、全てのポストがなくなっていました。また一から同じ会社で頑張っていくのも一つの選択肢でしたが、まったく新しいところで50歳のチャレンジをしてみたくなったというのが、リッツ・カールトンに入るきっかけだったそうです。

林田さんのリッツ・カールトン転職に至るまでの話は、読んでいてなかなか熱いものがあるのでぜひ読んでいただきたいです。

何が言いたいかと言うと、50歳という年齢でありながら、外資系一流ホテル、リッツ・カールトンに一般採用で見事合格し、クレドを身につけられたことに、読んでいて勇気をもらえます。

 

この本のポイント

本書のポイントを簡単に説明したいと思います。
神秘的とまで言われる、リッツ・カールトンのサービスを50歳だった著者が、見事にリッツ・マンとして成長していく過程を学ぶことができます。クレド導入で自分やスタッフの成長のケーススタディにすることができます。

2章では、リッツのスタッフがお客様の心を掴める秘密が明かされています。
クレドを軸にした教育内容が分かります。

3章では、簡単ですがクレドの作り方、導入方法が分かります。

4章では、リッツ・カールトンのスタッフのような魅力のある人材に育てる、そして自分を成長させていくにはどうしたらいいのかということが分かります

この本は、リッツ・カールトンを退職するまでに、3,000人以上の人脈を作り上げた林田さんが考える人脈の作り方を余すところなく紹介してくれています。
普通、人脈を作るには業種交流会に参加して、名刺交換をして名刺の数が人脈の数と思っている方がいますがそれは違います。
どんな人を人脈と言うか、私もこの本を読んで学びなおしました。

第6章では、リッツ・カールトン在籍中に学んだ組織づくり、リーダーの育て方が学べます。
この本を読んで、組織やグループは逆ピラミッドにするとうまくいくということを学びました。逆ピラミッドとは? これは本書を読んでからのお楽しみです。

 

まとめ

この本を読むことで、リッツ・カールトンのこと、自分のビジネスマンとしてのサービススキルを上げていくこと、人脈を作っていくこと、そういうものを一流のホテルの元支配人から、一流のノウハウとして教えてもらえるのがこの本の大きな魅力のひとつです。

しかし、私はこの本を通じて著者の林田さんの生き方、仕事への取り組み方を学んでほしいと思っています。偶然にも今の私の年齢が、林田さんがリッツに行くことを決意した年齢と同じ。
そう考えると大変な勇気と決断だったんだろうなと想像できますし、勇気ももらいました。

この本のタイトル通り、読む人それぞれの仕事で一番大切なことを見直すことができる素晴らしい本だと思います。

リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと

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