伝説ホテルマンだけが知っている!サービスで小さな奇跡を起こす方法/林田 正光(著)の紹介
今回ご紹介する本は『伝説のホテルマンだけが知っている! サービスで小さな奇跡を起こす方法』です。
著者は 元リッツカールトン営業統括支配人の林田正光さんです。
林田さんは日本進出第一号ホテルリッツカールトン大阪オープニングメンバーとして幹部社員の一般採用に応募して採用された方です。
リッツカールトンには1996年から7年間営業支配人、 営業統括支配人として働きサービスのことそしてホスピタリティについて学ばれました。
リッツカールトンに入社する前ですが大阪の高校を卒業した後すぐに藤田観光株式会社に就職しました。大阪の迎賓館と言われる大公園というガーデンレストランに配属されて、営業として32年間勤務されてこられました。
48歳の時に大病をして約2年間の休職を余儀なくされます。
ちょうど療養中にリッツカールトンホテルが大阪にオープンするという情報を知り、32年間勤めた会社の冷遇や五十歳と言う節目に、大学も入っていない英語もできないパソコンもできないという状態で32年間の営業生活とそれまで築いてきた人脈という経験と実績を持ってリッツカールトンに応募採用された苦労人でもあります。
変化した時代に対応するには?
林田さんは、物の価値はサービスで決まる。そんな時代がもう来ていると言っています。
優れた商品やサービスだけではもう差別化なんてできないということです。
一流と呼ばれるホテル、レストラン、ブティック、ショップなどは、例外なく素晴らしい商品を取りそろえています。一流ホテルの施設はとても充実していますし、高級な調度品が飾られたラウンジでは、ゆったりとしたソファーでくつろぐことができます。一流のレストランには、経験豊富なシェフがいて、素晴らしい腕前を披露してくれます。
でも、一流のホテルや一流レストランに初めて行ったときはとても感激しますが、二度、三度と通ううちに、次第に感動は薄れていきます。(2ページより引用)
お客様にとって素晴らしい施設や素晴らしい商品は、あって当然当たり前のものになってしまったということなのかもしれません。
私は以前、明太子の通信販売の会社に勤めていました。明太子といえば博多を代表するお土産品です。博多に来て明太子を買って美味しいと思ったお客さん達が自分の地元に帰った後、通信販売でリピート購入をしてくれたり、周りの人達に口コミで明太子の良さを広げてくれたため今では気軽に食べることができる食品となりました。
この明太子、大好きな人は色々な会社の明太子を買って食べ比べをしています。
明太子の会社ですが福岡だけでも200社を超えるメーカーがあると言われています。私は老舗の明太子メーカーに勤めていました。もちろん有名どころの明太子は食べていましたし味も品質も分かっていました。
しかし、私達メーカーに勤めている社員よりもはるかに明太子のこと特に味や品質に詳しいお客様がいるのです。自分の会社のどの社員も太刀打ちできないような情報量を持っているお客様がいます。そういう方には商品よりももっと別のことで喜んでいただく必要があります。
もうすぐれた商品だけでは差別化ができない時代なのです。
そして林田さんはそれを解決するのが質の高いサービスだと教えてくれています。
でも、『質の高いサービス』は、分かったけれど質の高いサービスはどうすればできるの? という疑問が湧いてきます。
質の高いサービスとは『小さな奇跡』です。
そして、この『小さな奇跡』を起こして行く方法がこの本です。
小さな奇跡の起こし方
小さな奇跡が起こせるようになるための方法がケーススタディを通じて学ぶことができます。
お客様の感動を生むにはちょっとした一言が効果的。そしてその一言が小さな奇跡を生むと書かれています。
そのためにコミュニケーション力そして挨拶話術目に見えない言葉にしないお客様のニーズを探すことを 説いています。
そしてそれを締めくくるのがリッツカールトンノーと言わないサービスです。
お客様から無理な要求をされて困ってしまったという経験がある人も多いのではないでしょうか。
お客様の要望、期待にはできるだけ応えたいと思っていても、どうしてもできないことはあるものです。でも、その時にどう対応するかによって、お客様が受ける印象は一八〇度違ってきます。(53ページより引用)
無理難題を言うお客様も悪いのですが、お客様にノーと言わずにできるだけその要望を叶えてあげようとするスタッフにお客様が嫌いになるわけがありません。
どうしても叶えられないことはありますし、実際にリッツカールトンで働いていたした人からも聞きましたがそういうことは日常茶飯時だそうです。でも絶対に No と言わないそうです。
その代わりちゃんと代替え案を提案 していたそうです。
私が以前聞いたエピソードですが、宿泊客の方がどうしても明石焼きが食べたいと言ってきたそうです。そこでそれを聞いたスタッフはすぐさま明石焼きを買いに行ったそうですが、あいにく定休日で明石焼きが買えなかったそうです。そこでいくつか調べて見たそうですがすぐに食べたいというお客様の要望を叶えられる距離に明石焼きのお店がなかったそうです。
そこで大阪でも明石焼きに似ていてしかも大変人気のあるたこ焼き屋が近くにあることを聞きつけそのたこ焼きを買う前に、お客様に事情を説明して提案をしたそうです。
お客様はそこまでしてくれるのかと大変喜んでスタッフさんがおすすめするたこ焼きを召し上がったそうです。確かそんなエピソードだったと思います。
リッツカールトンの本にはノートを言わないサービスが有名ですが、実際に本当にノーと言わないサービスを行っていることがわかりました。林田さんも小さな奇跡を起こすための方法の他に最後は No と言わないサービスが必要だと教えてくれています。
この本を読もうと思ったキッカケ
この本のポイントの一つに林田流「感動サービスの6ステップ」があります。
詳しくは本書を読んでいただきたいと思いますが、 小さな奇跡を起こすための大事なステップとして覚えておくといいかもしれません。
林田流「感動サービスの6ステップ」
第一ステップ 事前対応サービス
第二ステップ 当日のお出迎えサービス
第三ステップ 滞在時のサービス
第四ステップ お見送りサービス
第五ステップ 二四時間以内のフォローサービス
第六ステップ 一生のお付き合いをするためのフォローサービス
林田さんもおっしゃっていますが業種や会社の方針システムによって差異はあるので、取り入れられそうな所から始めてみるのもいいと思います。
例えば
初めてお会いした人に第5ステップの24時間以内のフォローサービス
は異業種交流にも使えそうですね。
それぞれのステップは本書を読んで勉強してみてください。
林田流ですから林田さんの本でしか学べないサービスです。
またもう一つポイントはあげるとすると、リッツカールトンで林田さんが学んだホスピタリティやサービスの経験の他に、林田さんが独立をされて様々なホテルの建て直しを行ってきた中で学んだことやリッツで学んだことの活かし方どうやって活かしていったか効果をあげてきたか導入して言ったかといったこともこの本を通じて学ぶことができます。
ですからクレドはリッツカールトンだけのものリッツだから機能すると考えがちですがそうではないことがよくわかる内容になっていますクレドは様々な業種業態にかかわらず昨日するということも分かりますこの本を通じて。
この本を読む方はリッツカールトンのサービスやクレドに興味のある方が多いと思います。
将来的には自分の会社やお店に来れどを導入したいと考えている方達だと思うので、林田さんが7年間経験してきたリッツでの事をどうやってその後利用してきたかいかしてきたかということを学べるメリットの高い本と言えます。
まとめ
良い商品を作っても売れる時代ではなくなった。
良い商品はあって当たり前になってしまった。だから質の高いサービスが必要。ということが本書でよく理解できると思います。そして林田さんのこの本を読んで質の高いサービスは教えてもらったからと言ってすぐにできるものではないということも分かります。
しかし教えてもらわないと何をしていいのかも分かりません。
ですからこの本を読むことでサービスの内容を知ることも大切ですがまた学んだらそれを身につけるために日々の習慣トレーニングがとても大事になってくるということも同時に理解させてくれます。
小さな奇跡を起こすための方法と日々のトレーニングの方法この両輪がこの本には詰まっています。この本で書いてある 現場のスタッフ達全員に身につけばクレドを導入したとしてもスムーズに浸透を機能して素晴らしいサービスお客様が感動するようなサービスができるような会社やお店になっていくことでしょう。
クレド関連書籍一覧
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- サービスの手帳 心のこもったおもてなしを実現する/林田 正光
- ゴールド・スタンダード/ジョゼフ・ミケーリ(著)
- スターバックスのライバルは、リッツ・カールトンである。 本当のホスピタリティの話をしよう/岩田 松雄、 高野 登
- ブランドづくりの教科書/林田 正光
- ホスピタリティの教科書/林田 正光
- クレドが「考えて動く」社員を育てる!/吉田 誠一郎 (著)
- リッツ・カールトン – 「型」から入る仕事術/高野 登 (著)
- リッツ・カールトン 至高のホスピタリティ/高野 登
- リッツ・カールトン 超一流サービスの教科書/レオナルド・インギレアリー、 ミカ・ソロモン
- リッツ・カールトン20の秘密―一枚のカード(クレド)に込められた成功法則/井上 富紀子、 リコ ドゥブランク
- リッツ・カールトンたった一言からはじまる「信頼」の物語/高野登
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