著者:友松はじめ
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今回は、あなたの会社やお店を『新しいことを前向きに受け入れる姿勢を整える』ことができる、クレド6ステップ導入マニュアルのステップ2のお話です。

あなたの会社やお店に『新しいことを前向きに受け入れる姿勢を整える』ため、ステップ1のアイスブレイクのつぎに強くオススメするのが『自己承認欲求』を満たすコミュニケーションです。

クレドがない職場にクレドのことを知ってもらい、クレドを作り導入する場合『新しいものを前向きに受け入れる環境を作ること』がたいせつになります。

そのために必要なツールとして、サンキューカードとバースデーカードの導入と運用方法をお伝えしたいと思います。

 

ステップ2でサンキューカードを導入する

サンキューカードの導入にチャレンジしたことがある方もいらっしゃるでしょう。
導入して成功している職場もあれば、導入して失敗したと感じている場合もあるでしょう。
いずれの場合も、クレド導入に向けて、サンキューカードをもう一度見直してください。

 

サンキューカードを導入する狙いと期待できる効果

サンキューカードを導入するには狙いがあります。
そして想定される効果は以下の3つです。

社内が「ありがとう」「感謝」の気持ちでいっぱいになる
サンキューカードの導入で職場内だけでなく他部署のスタッフとも仲良くなれて部門を越えたチームワークが実践しやすくなる
がんばったスタッフ全員にねぎらいの言葉をかけやすくなり、人事査定に役立つ

「ほめる」「お互いを認め合う」「支え合う」「支援する」ことが当たり前になる職場になることを想像してください。
とても働きやすい環境ですね。

多くのスタッフは、働きに行くことが楽しみになるかもしれません。
なぜなら人間の持つ承認欲求を刺激されるからです。

「月に1人10枚は書くこと!」こういったことがルールになれば、カードをもらうチャンスは必然的に多くなります。
もちろんかたよりはありますが、1人10回、感謝される可能性があります。

承認される機会が多くなることは、サンキューカード導入の重要なポイントの1つです。
カードは手書きなので気持ちが伝わり人間味を感じます。
手書きのほうが感動は大きいですね。

形に残るため、いつでも見ることができるのもカードの利点です。
もちろんインターネットのSNSやメールなどでカードの代用もできますが、やはり手書きにはかなわないのでは? と考えています。

そしてSNSを使うメリットもあります。
利用しているSNSによっては家族・友達にも社内でほめられていることが伝わることは大きなメリットになります。

低コストで、これだけの効果が狙えます。
ぜひ、導入を成功させましょう。

「ありがとう」と「感謝」でいっぱいになった職場を嫌いな人は、あまりいないと思います。
「ありがとう」と「感謝」される事は人の存在を肯定している事です。
存在を肯定してくれる職場こそ、その人の居るべき場所なのです。

会社が従業員の人生において好ましい居場所になれば、クレド作成・導入の成功する確率は、高くなると思いませんか?

 

ステップ2でサンキューカードを推奨する私の想い

クレド導入の土台作りにおいて、アイスブレイクで従業員どうしの信頼関係の基礎がつくれたら、つぎはサンキューカードの導入です。

人は「ありがとう」と言われたり、「感謝」される事で良い気分になる人がほとんどです。
ですから社内に「ありがとう」や「感謝」の数が多い方が気分の良い職場環境と言えます。

「手伝ってくれてありがとう」「どういたしまして」という会話で終わるやり取りを想像してみてください。
もしここでサンキューカードに感謝の気持ちを書いて相手に渡したとします。
そうすると、「サンキューカードをありがとう」という新たな「ありがとう」と「感謝」が生まれてきませんか?

書いて相手に渡すので、気持ちを伝えやすくなります。
しかも、サンキューカードをもらったスタッフも贈ったスタッフもその双方の行動が公平に人事査定に反映するとすれば、もう、従業員はカードを利用するしかないですよね。

サンキューカードの導入は、必ず「ありがとう」と「感謝」でいっぱいの職場になりますよ。
サンキューカードの導入で、従業員のモチベーションが上がり、従業員同士の「ありがとう」と「感謝」の焦点がお客様から『ありがとう』を頂くには? という部分にも向きます。

「感謝」を頂くには、どの様なサービスを提供すればいいのだろう? と考え、アイスブレイク、サンキューカードを導入する前に出ていたであろうアイデアよりも、さらにポジティブなアイデアを出す従業員が増えているはずです。

その頃には、「え~、めんどくさい。」「仕事なんてマニュアルどおりにこなしてさえすればいいじゃん。」なんて言う従業員はいないはずです。

この様な従業員の状態が作れれば、会社の目標も以前より高く設定できませんか?
そして「我社もクレドを作成します。だれか残業して手伝ってくれませんか?」と言おうものなら多くの従業員が「クレド作成に参加できる」と思い手を上げてくれると思いませんか?

「あ~、また社長が新しいことを言い出した・・・嫌だなぁ」と思われるのではなく、自主的に進んで参加してもらうことが、レド作成には大切な要素です。

 

サンキューカードの渡し方

サンキューカードの使い方はカンタンです。
スタッフ全員に月に最低配布数を決めてカードを渡しておきます。
または各職場の目立つ所にサンキューカードを用意します。

そして、社内、職場にいるスタッフ同士が「ありがとう」というメッセージや「感謝したいこと」をカードに書いて相手に贈ります。
贈り方は、会社、職場によって直接でもいいですし、直接は照れ臭いという人が多い会社、職場であれば、社内にサンキューカードを入れるボックスを用意します。

人事部のスタッフや職場のマネージャーが「ありがとう」や「感謝」を伝えたいスタッフにカードを渡します。
「ありがとう」「感謝」の内容は仕事だけにとどまらず「あなたがこの職場にいてくれるおかげで、職場の雰囲気が明るくなります」とか「私だけが知っている同僚の良いところ」などを書くようにします。

集まったサンキューカードは、月間、年間で集計し、一番カードをもらえた人を表彰してスタッフ全員でほめたたえます。
人事部のある会社はサンキューカードをコピーして人事部で集計と人事査定用として保管します。

職場に一人一つのコルクボードを用意して月間でもらったサンキューカードを貼り付けていく方法もあります。
月末にサンキューカードをコルクボードからはずしてマネージャーが集計して保管します。

 

サンキューカードの運用方法

ここではサンキューカードの運用方法で参考になる部分だけをご説明しておきます。
カードを手渡される前に2つコピーします。
1つを人事部に渡して人事部は誰がどの部署でどんなヘルプをしたのかを記録し、がんばっているスタッフを評価する人事査定の参考材料として使います。

そして、もう一つのサンキューカードのコピーがヘルプしてくれた部署のバックエリアに数日間貼り出します。
貼りだすことで経営者やマネージャー、リーダー、そしてスタッフの誰もが職場の状態を把握する1つの材料になります。

有名なエンターテイメントを提供する会社では、カードの裏面には通し番号がふられていて、定期的に抽選をおこなって、当選した人にはプレゼントを渡す制度を取り入れているそうです。

他にもサンキューカードの面白い導入事例として、社長が社員に贈るサンキューカードをハガキに貼り付けて自宅に贈る会社もあります。
これでお父さんが社長に感謝されていることを奥さんや家族に見てもらえるのです。

面白いアイデアですね。

 

スタッフが『新しいこと』を前向きに受け入れる姿勢を整える

サンキューカードの導入や導入後の効果についてどんな感想を持ちましたか?

費用がかからず効果が高い。
そして今すぐにでも導入できるサンキューカード、導入後の変化を想像してワクワクしているのではないでしょうか?

私の経験とリッツでの同僚、上司が他のホテルで失敗した事例を踏まえて、アイスブレイクの導入が最善のストレッチになり、もっと前向きな姿勢を整えるのが、サンキューカードの導入だと考えるようになりました。

実際にクレドの導入になるとスタッフにクレド作成・導入の作業をしてもらうことになります。
クレド導入は直接、お客様と接したり売り上げを直接上げたりする作業ではありません。

多くの会社やお店では、お客様に喜ばれることをしたスタッフ、売り上げに貢献した社員は、ほめられる仕組みや制度があるでしょう。
つまりそれ以外の仕事や作業は、ほめられない評価されないのが現状であることが多いです。

これは「クレド導入に関わる作業をやりたがらない」ということにつながります。
しかし、思い出してください。

サンキューカードは仕事以外もほめる、あるいは直接の接客・売上げを上げる活動以外も感謝し、評価されるものです。
つまり、クレド導入に興味をもち、スタッフが手伝うことは、サンキューカードの導入以後は、ほめられ、感謝され、評価される対象になります。

結果、積極的にクレド導入という新しい試みについても
積極的に手伝いたい!
かかわりたい!
というスタッフを潜在的に育成していることになるのです。

これも、クレド導入に向けて〈ステップ1〉アイスブレイク、〈ステップ2〉サンキューカードを設定している理由です。
アイスブレイクを導入し、毎日1 日10 分程度、一か月でも続ければ、素敵な職場環境になるでしょう。

クレド導入に限らず、新たなアイデアから生まれる変化を楽しむ職場に成長しているはずです。

 

サンキューカードのまとめ

サンキューカードはいかがでしたか?
お読みになられてサンキューカードの導入をしたくてウズウズしているでしょうか?
そんな気持ちになっていただければ幸いです。

クレドを導入する前の働く人の姿勢を整えることはとても大切です。
今後、クレドを導入しようとスタッフに話したとき、スタッフにとって、

「クレドって何?」
「何か新しいことをやらされるの??」

とネガティブに受け取られるとクレド導入は難しいでしょう。

 

『本日の誕生日』をステップ2で合わせて導入

サンキューカードと合わせて導入するといいのが「本日の誕生日」です。
誕生日は全員が年に一度あることです。誕生日をお祝いできるのは、職場の環境をよくするチャンスだと考えます。

「●●さん、誕生日おめでとう!」
という言葉には次のニュアンスが含まれます。
「●●さん、あなたが生まれてきてくれて良かった。」

これは、誕生日を迎えた人の完全な人格肯定であり無条件で承認欲求を満たしてあげる絶好の機会です。

サンキューカードは条件付のご褒美といえなくもないですが「本日の誕生日」は無条件。
ただ、生まれてきたことをみんなに認められ、お祝いされる日ですから。

稀に誕生日を祝われることを嫌がるスタッフもいるかもしれません。
しかし良く考えると、そのような人に良いサービスができるでしょうか?
他のスタッフは一緒に働きやすいでしょうか?

はやり、誕生日を祝われるのを喜んでもらえるのがベストですね。
誕生日を祝う時に、年齢を言う必要はありません。
●月●日に誕生したことを祝えばいいのです。

「●●年生まれ」とか「●●才」とか年齢に関するものは必要ありません。
年齢に関することを嫌うために「本日の誕生日」の導入が妨げられるのはさけましょう。

 

本日の誕生日を導入する狙い、期待できる効果

「本日の誕生日」で、従業員の誕生日を会社全体、全従業員でお祝いする効果は次の通りです

  • 誕生日をお祝いする事で明るくポジティブな職場、会社になる
  • 誰かをお祝いすることや人を喜ばせる事が好きなスタッフが増えていく
  • 人を喜ばせる事が好きな従業員増えれば「お客様を喜ばせるには?」と考える従業員が増えてサービスのクオリティも自然にアップする
  • 訓練や勉強をせずに、お祝いするクセをつけるだけで職場は明るくクオリティの高いサービスをお客様に提供できるようになる
  • 社員同士の部署、部門を越えた結束力が生まれる
  • 経営者にとって従業員の顔と名前を覚えるキッカケになる
  • 末端の従業員は顔と名前を上司達に覚えてもらえるキッカケになる
  • 従業員が会社、職場を好きになる理由の一つになる

誕生日は、家族、親しい友人達と祝うイメージがあるために会社、職場で誕生日をお祝いする。
すると会社、職場もお祝いされる従業員にとって家族、親しい友人達と同じくらい大切にしなければならないものになっていきます。
従業員が家族、友人のように会社を大切にしようと思えば、クレド作成、導入、浸透が成功しやすくなります。

 

本日の誕生日の実施方法

ここでは『本日の誕生日』の実施方法をカンタンにご説明します。

●「本日の誕生日」に参加してもらたい対象は?
社内全員(パート・アルバイトの方まで全スタッフ)

●「本日の誕生日」実行に必要な時間は?
お祝いする人をインフォメーションする時間
お祝いする時間

●実行頻度は?
お祝いする人がいる日
※誕生日が定休日や会社の休みの時は、前後にずらしてお祝いする
あるいは、週単位や月単位で誕生日の人を祝ってもいい

●「本日の誕生日」実行の準備・および準備するものは?
朝礼、掲示板などで、インフォメーションする為バースデーカードか書類を作る。
お祝いの仕方は、会社、職場で決める。

●「本日の誕生日」の実行方法
本日の誕生日スタッフをインフォメーションし、誕生日スタッフを本気でお祝いする。

●実施上の留意点・注意することは?
マンネリ化しないように職場で工夫していくことをお勧めします。
まだ、会社、職場に馴染んでない新人や部署移動されてきた方の誕生日ほど念入りにお願いします。

年齢を多くの人に公開される人もいるので、年齢に関しては触れないほうがいいでしょう。
「●●年生まれ」「●●才」という部分は省き、単純に「●月●日生まれ」という取り扱いでOK。

●「本日の誕生日」資料、利用するワークシートなどの準備
毎朝の朝礼で配布物がある会社やお店は、「本日の誕生日」を掲載する箇所を設ける。
もちろん、「本日の誕生日」専用の印刷物を掲載用に用意するのもいいでしょう。

また、サンキューカードのように、グリーティングカードやハッピーバースディカードを用意してもいいでしょう。

オフィスソフトのバースデーカードのテンプレートを探して利用したり、文具をネット販売しているサイトで「ハッピーバースディカード」や「グリーティングカード」を検索し購入することもできます。

またインターネットで贈ることができるグリーティングカードサービスを利用するのもいいですね。

インターネットで次のキーワードを検索してみてください。
「グリーティングカードサービス」
「ウェブ上のグリーティングカード」
「無料グリーティングカード」

サンキューカードと合わせて導入して、職場をポジティブで楽しい環境にしましょう。
スタッフは家族のようにせっしてもらうことで職場を大切におもいます。
その大切な職場がもっと良くなるための「クレド導入」に前向きになってくれるのは当然です。

 

リッツで行っていた「本日の誕生日」とは

「本日の誕生日」では、社長からアルバイト従業員の誕生日を、全従業員でお祝いします。
そのために、従業員の誕生日をインフォメーションできるようにします。

毎日のラインナップ時(リッツ式朝礼)に報告したり、従業員食堂の入口に顔写真入りのバースデーカードを掲載しておきます。
他部署の人の誕生日でも、一言「お誕生日おめでとうございます。」と言えます。

同じ職場の人の誕生日でしたら、職場の従業員各々が、手帳に記載しておき、当日までに何かプランを考えるのもいいかもしれませんね。

導入時の従業員の戸惑いや反発もほとんどなく、明るく絆の強い会社や職場作りができます。

 

本日の誕生日の導入を推奨する私の想い

「本日の誕生日」の従業員を会社をあげてお祝いする。
こういった文化も、既にリッツ以外でも広がっていると思います。
それだけ組織にとって導入しやすくメリットがあると言う事だと思います。

私の著書(社会人として大切なことはすべてリッツ・カールトンで学んだ)にも書いてありますが、私が椎間板ヘルニアで入院して、誕生日を病院で迎えた時の話です。

実家に総支配人、副総支配人、総料理長、人事部長、その他大勢のメッセージが書いたバースデーカードを贈っていただきました。
そのことで、私の家族が泣いてリッツに感謝していました。

今、飲食店を経営しています。
もちろん、従業員の誕生日は私が中心になって、盛大にお祝いしています。
経営者になって思う事は、従業員を幸せにすると言う行為は、お客様を幸せにする事に繋がっており、最終的には経営者の私に返ってくるものです。

リッツ・カールトンが、いかに従業員を喜ばせ、幸せにするかを考えていた事が、今、本当に良く分かりますし、リッツ成功の秘密の一つだと確信しています。

 

まとめ

家族のようになったスタッフは、スタッフ同士を大切におもいます。
全スタッフのためになる「クレド導入」に前向きになってくれるのは当然です。

そして、サンキューカード導入の結果、直接の業務、接客、販売以外の仕事も、会社や職場でほめられ、認められるので、クレド作成にも協力的なスタッフが増えています。

本日の誕生日によって、全スタッフがクレド作成にもポジティブな印象を持ってくれています。
このように、クレド作成・クレド導入をできる限り従業員全員が、前向きな姿勢を整えること。
クレドで成功を目指す重要な土台になります。

 

クレド導入方法(従業員主導でクレドを作成する方法)

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