著者:清水健一郎
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さぁ、今回からの本は、経営コンサルタントの服部吉伸氏の「日本的クレド経営のすすめ」です。
2008年に出版された著書ですが、なんと2008年までに服部氏が出版された著書は、経営戦略、営業、商品開発など25冊もあるそうです。
そして、今回はその中のクレドの著書ですね。

先ず本を開いて目次を見てみると、経営、クレドについて様々な分野が、再度読み返す際には辞書を引くかの様に細かくわかれていて、教科書の様になっているのが嬉しく感じます。

では、第一章から読み解いていきましょう。

第一章クレド関連用語集
1 クレドを理解するための予備知識

まず第一章の1は、クレドを正しく理解し、展開していくために、この第一章でクレドに関連する用語をまとめて理解し、基礎知識を養成しておこう。(25ページより引用)

今回の第一章の1を著書に寄り添ったコラムにすると、ほとんどが抜粋ということになってしまうので、私の話をすることにします。
まず、これから使う用語の受け止め方を読み進められる方々と価値観を共有して話を進める事は、私もよくします。

ホスピタリティの定義とは?
最高のサービスとは?
究極のサービスとは?
そもそもサービスとは?

とくにこの3つの定義について話をさせていただいてから、話をすすめさせていただく事が多いですね。
案外、「最高のサービスを提供したいです。教えてください。」「最高のサービスを私の職場で、どうやって実践すればよいですか?」と私に質問される方々にたいして、あまり好きではないのですが、私は質問を質問で返します。

「あなたが考えている最高のサービスって、どういったサービスですか?その定義を教えてください。」
サービスという言葉は、人それぞれ考え方、価値観が違っています。
ですから、私の価値観でサービスを語らせていただいても、相手から途中で「え?なにを仰っているの?」「聞きたかった事となんか違う。」というようになってしまうのです。

以前、サービスとは「愛」だと信じておられる方に私なりのサービスを語った事がありました。
その途中、なにげなく「あなたにとってのサービスとは?」と、聞いてみて、この方がサービスとは「愛」だと信じていらっしゃると知りました。

なぜ話の途中でそんな質問をしたかというと、話し始めは興味津々の顏で話を聞いていたのですが、途中でつまらなそうに話を聞かれていた事に気が付いたからです。
しかし、こうなると、少し話題を変えても親身になって話を聞いてはくださらなくなります。

自身が信じている根本が違うのですから。
しかし、サービスとは「愛」だと信じて突き進んでいただきたいと、心から思いました。
ちなみに、もうほとんどの方がご存知ですが、リッツ・カールトン初代社長ホルス・シュルツ氏は、「サービスは科学だ」と仰っていました。

それ以来、お話させていただく際には、あらかじめ私の話を理解し興味を持っていただくために、
ホスピタリティの定義とは?
最高のサービスとは?
究極のサービスとは?
そもそもサービスとは?
を話させていただく事が多くなりました。

なので、今回この4つ私なりの考えを説明させていただきます。
しかし、ホスピタリティだけでも歴史から話そうとすると、とんでもない量になるので簡潔にご説明いたします。

ホスピタリティとは?
・相手の立場に立って、相手の気持ちに寄り添う事であり、寄り添ったうえでの行動ですね。
意外に「ふぅ~~ん、そうなんだ。」と、理解はされますが興味の湧かない人は大勢おられると思いますが、ホスピタリティを身に着けると大出世する事が歴史を見れば一目瞭然に分かります。

例えば豊臣秀吉です。
織田信長の草履取りの話は有名ですよね。
それだけでなく豊臣秀吉は、いつも織田信長の立場に立って「信長様なら、どう判断するのか?」「信長様なら、どうお考えになるのか?」をいつも考え行動していたため織田信長に気に入られ、大出世を果たした人ですね。

豊臣秀吉をサービススタッフ、織田信長をお客様だと思っていただけると、サービス業従事者の方々にも理解していただきやすいと思います。

次にそもそもサービスとは?ですが、「愛」と考える方やシュルツ氏の様に「科学」と考える人、様々ですが私は「サービスとは文化であり人間生きていくだけだったら必要のないもの」と、人から見れば少しさめている考え方だと思われる場合もあると思います。
美味しい料理を食べる食文化、映画や旅行もサービス業であり、それらを楽しむ事は文化的だと思います。

しかし、美味しい料理を食べるのも、映画を観るのも、旅行に行くのも人間生きていくだけならなくても生きていけます。
でも、そんな人生を豊だと言えますか? 楽しそうだと思わないですよね。

つまり、文化とは人生を豊にしてくれますし、楽しく充実したものにしてくれるのです。
なので、私はサービスとは、人生を豊にしてくれますし、楽しく充実したものにしてくれるものなのです。

ここまでお話すれば、最高のサービスとは? をお話して理解していただくことは簡単です。
つまり、人生を豊にするサービスの事、お客様の人生をより豊かに、場合によっては好転させてしまうようなサービスこそ最高のサービスだと考えています。

その例えでよくお話させていただく映画があります。
リチャード・ギアとジュリア・ロバーツ主演の「プリティウーマン」です。この映画をご覧になった方は、もうお分かりだと思います。そう、ホテルの支配人のサービスこそ「最高のサービス」なのです。

主役二人の人生を豊かにより良いものに好転させましたね。
では、究極のサービスとは?

ですが、辞書で「究極」を調べてみると、「物事をつきつめ、きわめること。また、その最後の到達点。究竟。」と、あります。
最高のサービスを提供する技術であり方法だと考えています。
ですから、私の考える究極のサービス業は、実はホテルではありません。

時に「ホテルがサービス業の最高峰」といわれる時がありますが、私は美容整形外科だと思っています。
今までお話してきた、ホスピタリティとは? サービスとは? 最高のサービスとは? を理解していただいていれば、私が、究極のサービス業は美容整形外科だと理解していただけるのではないでしょうか?

話を著書にもどしますが、これから読み進めていくために必要な予備知識をまず著書の第一章の1を熟読してみようとおもいます。

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。
本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?

清水先生とは違いますが私も相談を受けることがあります。
清水先生は話している相手がサービスのことを理解していないのでは? と感じると質問を質問で返すとおっしゃっていましたが、私も同じようなことがあります。

こんなことを書くと清水先生や私がなんだか怖い人みたいに感じる人も出てくるかもしれませんが決してそんなことはありません。
質問者も質問したい、わからないことがあるのはわかっているのだけれど自分の目的が明確になっていないために質問している人も喋っていてもわからなくなることがあるわけです。

このような場合は、質問者に対して明確になるような質問をしてあげると質問者も「あっ!」と自分で気がついて自己完結する場合がとても多いんです。
このような自分で答えに気づくための質問をNLPでは8フレームアウトカムといいます。

たった8つの質問をするだけで、自分のゴールが明確になって最初の一歩が踏みだせるというとても素晴らしいテクノロジーです。
先日私も8フレームアウトカムを行う機会がありました。
クライアントさんはその後、最初の一歩を踏み出しています。

質問者の質問が明確ではないということに気がつくことと、気がついたら明確にしてあげるお手伝いができること。
ここに注意していきたいと今回の清水先生のコラムで思いました。

 

この記事を書いた人

著者/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。職場の信頼関係はクレドで作られる

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