著者:清水健一郎
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今回は、

を元に、私、清水の目線でそのエッセンスを抽出してお伝えしたいと思います。

この書著を読み進めて行くと、まるで英雄伝を読み進めているかの様な気分にされる事でしょう。
なぜなら、高野氏が今まで出会い、感じてきたリーダー達のリーダーシップを、その時高野氏が感じたテンションで読者に伝えているからです。

  • ホテル業界のリーダー
  • ホテルと言う仕事を通じて出会ったリーダー
  • ホテルを引退されホスピタリティの伝道師になられて出会ったリーダー

紹介されているその場面、場面で、ゾクゾク、ワクワクします。

そのすべてを知りたい方は、この著書の購読をお薦めします。

まず第一章で心を大きく打たれたのは、高野氏の著書に度々登場される伊那食品工業の塚越寛会長です。
素晴らしい著書をお持ちで、「日本でいちばん大切にしたい会社」など、マスコミでもたびたび紹介されています。

塚越会長は、「野心」と「志」の違いを、

野心とは、経営者が自分一代で何かを成し遂げようとする強烈な思いや野望。他方、志とは、自分一代ではとうてい成し得ることができないほどの大きな目的を、次の世代へとつないでいく意志、祈りのこと

そして経営も、10年、20年という短期的な視野で見るのではなく、100年、200年先を見据えて、今やるべきことは何かを決定する。

100年先も、またその先も、社員が幸せで働いている会社であるがどうか。

すべてはその観点と尺度で決めて行き、さらに地域社会に支えられているという思いまでも、信じられないくらい謙虚に実践されています。

伊那食品工業の敷地内に「かんてんぱぱガーデン」と言う緑地があり、その中にある幾つかのレストランは、いつも大繁盛。しかし、ディナーの時間は営業せず閉めてしまいます。

ある時、高野氏がその疑問をぶつけてみたそうです。
そして、塚越会長から返ってきた言葉は

高野さん、たいがいの経営者はそう考えるんです。そのほうが経営効率、収益性も高い。でも、我々は東京のような大都会ではなく、この小さな伊那という土地で会社をやっているんです。伊那の駅前には父ちゃん母ちゃんでやりくりしている居酒屋や赤ちょうちんが結構あるんです。もしうちがバスを仕立てて駅からお客さんを運んでしまったらどうなりますか?あの人たちのお客さんを取ってしまうことになりかねないでしょう。それは絶対にやってはいけないことなんです」

私は衝撃受けました。
しかも、かなり大きな衝撃です。
自分の小ささに嫌気がさすくらいです。

こんなにも塚越会長を大きく感じるのは、会長がおっしゃるように、
自分一代ではとうてい成し得ることができないほどの大きな目的を、次の世代へとつないでいく意志。

をお持ちだからだと思います。

だってそうでしょう?
「自分一代ではとうてい成し得ることができないほどの大きな目的」を、お持ちの方なんて、一国の王様クラスだと思いませんか?

その大きな目的、そして、実践されている行動、「日本でいちばん大切にしたい会社」と言われるわけです。

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