クレド導入手順4(従業員主導でクレドを作成する方法)
今回は、クレド6ステップ導入マニュアルのステップ4についてお話します。
ステップ4は、いよいよクレド作成のステップです。オリジナルのクレドを作っていきます。
ステップ4の内容は以下の手順で進みます。
- クレドを導き出す「会社のビジョン」を明確にして文章化する
- クレドを守り貫くために「会社のミッション」を明確にして文章化する
- 会社のミッションを遂行するための「ミッション・ステートメント(使命宣言)」
- クレドを作成する
- クレドを遂行の為に、行動指針(ベーシック)を文章化する
- クレドを携帯しやすいカードにする
リッツ・カールトンでは、上記【1】~【6】や、ステップ2で紹介したサンキューカード、ステップ3で部分練習したラインナップの他にも、クレドを有効に活用する仕組みや仕掛け、制度などたくさんあります。
このステップ4でクレドを作成し、ステップ5でクレドの浸透・定着化を行います。
その後、ステップ6に進み、様子を見ながら、リッツで取り入れられていたものの導入をご検討していく段階に入ります。
それでは今から【1】~【6】のそれぞれの期待できる効果をお話します。
ビジョンを明確にして文章化する狙い、期待できる効果
ビジョンを明確にして文章化することで期待できる効果があります。
想定される効果は以下のものです。
- 今一度、会社の「やりたいこと」「なりたい姿」「未来予想図」「ゴール」を再確認できる
- ビジョンを示すことで従業員が「会社がその方向で行くのなら安心できる」「是非、会社のビジョンに参加したい」と思うようになる
- ビジョンを明確にし従業員に浸透させることで自分で考えて動く従業員が増える
- 消費者・お客様に「やりたいこと」「なりたい姿」「未来予想図」「ゴール」すなわちビジョンが伝われば「あの会社を応援しよう」と賛同してくれるお客様も現れる。そういうお客様には安売りをする必要がなくなる
ミッションを明確にして文章化する狙い、期待できる効果
ミッションを明確にして文章化することで期待できる効果があります。
想定される効果は以下のものです。
- 今一度、会社の存在理由、会社をはじめた理由を再確認できる
- ミッションを明確にし従業員に浸透させることで自分で考えて動く従業員が育つ
- ミッションを明確にして一般に公表すれば、賛同してくれる従業員が集まり育つ
- 消費者・お客様にミッションが伝われば「あの会社を応援しよう」と賛同してくれるお客様が現れる。そういうお客様には安売りする必要がなくなる
全職場のミッション・ステートメント(使命宣言)期待できる効果
ミッション・ステートメント(使命宣言)には狙いがあります。
想定される効果は以下のものです。
- 従業員の誇りになるミッション・ステートメントを作成するので従業員の愛社精神が強まる
- 従業員がミッション・ステートメントを作成するので従業員はミッション・ステートメントを大切にする。経営者だけで作ったミッション・ステートメントよりも浸透が早く現場にあったミッションが作成できる
- 従業員がミッション・ステートメントの作成を通して、ビジョン、ミッション、ミッション・ステートメントへの理解を深めることができる
- ミッション・ステートメントの作成を通じて、ビジョンを知りミッションを知ることで会社の理解を深めていく。また従業員一 人一 人のビジョン、ミッション、ミッション・ステートメントもそれぞれで考えられれば、従業員自身の人生の向上のためにとても役に立つ
クレドの作成と導入する狙い期待できる効果
クレドの作成と導入で期待できる効果は以下のものです。
- 従業員の誇りになるクレドを作るので従業員の愛社精神が強くなる
- 従業員がクレドを作成するので従業員はクレドを大切にする。そのため、経営者だけで作ったクレドよりも浸透が早く現場にあった確実なクレドが作成できる
- 従業員がクレドの作成を通して、ビジョン、ミッション、ミッション・ステートメント、クレドへの理解を深めることができる
- クレドがあれば悩んだ時にクレドに立ち返る事ができる
- 何か決断しなければならない時、クレドを見れば判断できる様になるので、結果的に決断のスピードが上がる
- クレド作成を通じて、ビジョンを知り、ミッションを知り、ミッション・ステートメント、クレドを知ることで、会社の理解を深めていくことができる。また会社のビジョン、ミッション、ミッション・ステートメント、クレドの作成のワークを経験する事で、従業員は自身のビジョン、ミッション、ミッション・ステートメント、クレドの作成も出来るようになり、従業員の人生向上のためにとても役に立つ。
会社、従業員共々、成功する。素晴らしいことだと思います。
ベーシック(行動指針)を文章化する狙い期待できる効果
ベーシック(行動指針)の文章化には、期待できる効果があります。
想定される効果は以下のものです。
- ベーシック作成メンバーが、それぞれの職場だけでなく、集まった選抜メンバーの職場の事も考えてベーシックを作る。そして社内の職場を越えた結束力が強くなる
- 他部署の仕事にも理解が生まれる
- 従業員でクレド、ベーシックを作成するので、従業員の愛社精神が強まる
- 従業員がベーシックを作成するので、経営サイドだけで作成したものより、現場への浸透が早く現場にあった確実なベーシックが作成できる
クレドカードを作成する狙い期待できる効果
クレドカードを作成することで期待できる効果があります。
想定される効果は以下のものです。
- クレドをクレドカードにし携帯することで、いつでもどこでもクレドを確認しやすく活用できる
- 従業員が友人、家族、お客様にカードを渡すことで、会社のビジョン、ミッションなどを多くの人に理解してもらいやすくなる
- 従業員が渡したクレドカード内容を読んで「この会社で働きたい」「この会社を応援したい」「この会社の商品に興味を持った」と思う人が出てくる
- 会社のビジョン、ミッション、クレドと会社の宣伝、ブランド化ができる
- 社内のクレド浸透をスムーズにする
- クレドカードを通じて、お客様や取引先の方に会社のビジョン、ミッション、クレドを知ってもらう機会になる。従業員は、なぜクレドをカード化するのかを学ぶ事ができ、従業員が作った従業員自身のクレドカードを作ることもできる。そして従業員の人生が向上する
会社、従業員共々、成功する。素晴らしいことだと思います。
今回は、クレド6ステップ導入マニュアルステップ4の
- 会社のビジョン
- 会社のミッション
- ミッション・ステートメント(使命宣言)
- クレド
- 行動指針(ベーシック)
- クレドカード
の中から『会社のビジョン』の作り方をお話したいと思います。
ビジョン クレドを導き出すため自社のビジョンを明確にし文章化する
クレドを作るために無くてはならないビジョンを明確にして、文章化しましょう。
「ビジョンって何?」と思う方もおられると思います。
ビジョンは会社の「なりたい姿」「将来やりたいこと」「ゴール」「目的地」「未来予想図」だと思ってください。
想像力をフルに使って、あなたの会社の「なりたい」「将来やりたいこと」「ゴール」「目的地」「未来予想図」を想像してください。
ビジョンとは、利益や売上と言ったお金の面だけでなく、それらを含めた会社の夢や「なりたい姿」、「将来やりたいこと」、「ゴール」、「目的地や到達地点」、「未来予想図」でもあります。
社長から末端のスタッフ全員が一丸となって目指し行動するものです。
そのため、ビジョンを明確にして文章化し、末端のスタッフでも理解できる内容にしておく必要があります。
会社が何を目指し、どの方向を向いているのかが理解できれば、末端のスタッフも自身の職場、仕事において、自身で考え、迷い悩まず会社と同じ方向を向き進んでいけるようになります。
ビジョンの明確化・文章化を進める手順を解説
ビジョンの文章化の進め方を簡単に説明すると
- 箇条書やマインドマップで書き出したり、レコーダーで録音したり、会社のビジョンすなわち「なりたい姿」「将来やりたいこと」「ゴール」「目的地」「未来予想図」を出し尽くしてください。
人によっては、50個や100 個だったりしますが、数の問題ではなく全て出し切る事が大切です。
フセンでもかまいませんし、ブレーンストーミングのように、まずは批評・批判なしで出していきましょう。 - 出てきたビジョンを整理していきます。
言葉が違うが、意味は同じだったら統合しましょう。
そして、本当に会社のビジョンにしたいものだけを選び、多くても10 個くらいに絞り込む事をオススメします。
そして、誰でも覚えやすく、力がわいてくるような言葉をオススメします。
ビジョンの文章化の概要
ここでは、「ビジョン」の文章化導入ワークの概要を掲載します。
参加してもらいたい対象
経営者、会社創業メンバー、経営側のメンバー
「ビジョン」の文章化に必要な時間
参加メンバーの納得のいくまで
準備・及び準備するもの
出てきたビジョン候補をメモするものやレコーダーなど
実施上の留意点・注意すること
- ビジョンを想像する際は、ストレスを感じない環境で想像してください。
- 想像中にストレスを感じた際は、本当に会社の「なりたい姿」「将来やりたいこと」「ゴール」「目的地」「未来予想図」なのか考えてください。
- 出てきたビジョン候補は、全てメモしてください。
- とにかく、ワクワクするような「なりたい姿」「将来やりたいこと」「ゴール」「目的地」「未来予想図」を想像して楽しんでください。
ビジョンの明確化と文章化の進め方
ビジョンの明確化と文章化の説明とデモンストレーションを行います。
ビジョンを明確にして文章化します。
もし、ビジョンを明確にする際にストレスを感じるようであれば、それは、ビジョンでない可能性が高いので、一度、ストップしていただいて、楽しく、ワクワクしながらビジョンを語れる状態になってください。
お酒を飲んで、ビジョンを語ってもいいですし、ビジョンの絵を書いてもそれは自由です。
そして、奥様に語っても、新入社員に語っても結構です。
「これぞ、我社のビジョン!」と思えるキーワードが自身の口から出てきた際は、メモを取っておいてください。
参加者にビジョンの文章化を説明する際のゴール設定
あなたの職場、経営陣の雰囲気、目的に合わせてゴール設定をしてください。
設定したゴールは、意識できるまで何度も暗唱してください。
特に、参加者にビジョンを明確にして文章化のことを説明する直前に、何度も頭の中でゴール設定を暗唱することを強くお勧めします。
①参加者の想定
はじめに参加する人を想定します。
どんな属性の人が、ビジョンの明確化・文章化の説明を聞き、デモンストレーションを見て体験をしますか?
〇対象者を想定してください。
②説明やデモ、1回目の体験をした後、どんな感情になるか設定しておく
ビジョンの明確化・文章化の説明を聞き、デモンストレーションを見て、1回目の体験をした直後に、参加者にどんな感情になって欲しいか、設定しておきましょう。
〇参加者の体験直後になって欲しい感情・状態を設定してください。
③説明やデモ、1回目の体験をした後、どんな行動をとってもらうか?
ビジョンの明確化・文章化の説明を聞き、デモンストレーションを見て、1回目の体験をした直後に、参加者にどんな行動をとって欲しいか、設定しておきましょう。
〇体験した後、参加者にとって欲しい行動を設定してください。
ビジョンを明確化・文章化の説明・デモ・1回目の実施の流れ
そのまま使ってもいいですし、アレンジしてもかまいません。
できれば、ビジョンを明確化・文章化する職場の状況や目的に合わせて台本を書いてください。
参加者に、ビジョンを明確化・文章化の意味、効果を理解してもらいましょう。
自分から「やりたい!」と思ってもらうことが導入成功の鍵です。
このマニュアルは、参加者に「やりたい!」と思ってもらうことを目的としています。
どれだけ良いと思う仕組みも制度も、参加者が「やらされている」と思われると失敗します。
一度、このマニュアルに沿って説明を進めることをご検討ください。
- 今から話すことについて触れる<目安として1分ほど>
- 参加者のメリットを話す<目安として2~3分ほど>
- ビジョンを明確化・文章化する効果を話す<3分~5分程度で>
- 「他社の導入成功事例や自分の体験、効果の実例を話す<1分~3分>
- 進行役から感想を話す。締める。<1分~2分ほど>
- 今日(明日)から、毎日することを伝える
まとめ
今回はクレド6ステップ導入マニュアルステップ4、クレド作成について必要な、ビジョンやミッション、クレドなどの期待できる効果、そしてビジョンの具体的な作り方についてカンタンにお話しました。
- 会社のビジョンの作り方
- 会社のミッションの作り方
- ミッション・ステートメントの作り方
- クレドの作り方
- ベーシック(行動指針)の作り方
- クレドカードの作り方
以上の詳しい作り方はクレド6ステップ導入マニュアルのステップ4をご覧いただけましたら幸いです。
クレド6ステップ導入マニュアルステップ4で、ビジョンもミッションもミッション・ステートメントもクレドも行動指針もクレドカードも、あなたの会社やお店のオリジナルを作ることができます。