著者:友松はじめ
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なぜ、あなたの仕事は終わらないのか / 中島聡(著)

博多駅横のバスセンタービル内にある紀伊国屋書店で購入。
この本が目に留まって、中島聡氏のことも知らなかったのだけれど、中島氏の笑顔と本の色合いやデザインが、爽やかで誠実そうな雰囲気であったこともあり、手にとってみると時間術の本だとわかりました。

■読む前の予想

タイムマネジメントの本は読んでおいてそんは無いし、元マイクロソフトの伝説のプログラマーということだし、世界有数の忙しさだろうと思われる大企業の中で実践してきた時間術なら、きっと参考になるだろうと思い読ませていただくことにしました。

- 目次 -
1.なぜ、あなたの仕事は終わらないのか
2.時間を制するものは、世界を制す
3.「ロケットスタート時間術」はこうして生み出された
4.今すぐ実践ロケットスタート時間」
5.ロケットスタート時間術を自分のものにする
6.時間を制するものは、人生を制す

■気になるポイント3つ

▼読んだ冒頭から驚きました。
自分の無知を棚に上げて書きますが、中島聡氏は、Windows95の開発にかかわった方で、その設計思想、Windows95の考え方というか、コンセプトというか・・・(設計思想ってかいてるやん。)そういう一番最初のものを考え付いた方だったんですね。

▼それから、いつもお世話になっている、ドラッグ&ドロップ、右クリックも中島氏の発想。
日本人がWindows95に深くかかわっていたなんてことも、今の今までまったく知りませんでした。
それから、Windows95は、販売日には、解決していないバグが、3500以上もあったなんて事実も今、知りました。

▼Windows95なんていうその後の世界を変えたって言ってもいいOSを作ったことは、比較するものが無いくらいスゴイを思うんですが、販売時にまだバグが3500もあったというのは、製品化しちゃダメなんじゃないの?と思いましたが、どうやら、中島氏の時間術に大きく関係しているようです。

▼私が気になるポイントは、
100人に一人もできていない「ある」こと
前倒しはするが、早く仕上げない
朝型の習慣

の以上3つです。

100人に一人もできていない「ある」こと

ある意味、安心した「ある」ことです。
出来てない人多いんだな。私だけじゃないんだな。安心したー。(と思ってはいけないのですが。)

この「ある」ことが
・毎回守れない人
・たまに守れない人
・毎回守っている。しかし、守るために徹夜もしている

という方は、本書を是非読んでもらいたいです。
もう、お分かりだと思いますが、この100人に一人もできていない「ある」こととは・・・・

締め切りです。

▼これを読んだときには、正直安心しました。
自分だけじゃないと。

▼でも、安心していてはいけませんよね。
ほとんどの人が締め切りを守れていない、もしくは、守れていても、締め切りギリギリになってあわてて仕上げる(徹夜=ラストスパート志向)なんて仕事をしているのであれば、ここは、この本を読んで自分の仕事の仕方を改めてみれば、まわりと少し違う結果が出せるようになってくるんじゃないでしょうか?

前倒しはするが、早く提出しない

▼中島氏の時間管理術は「ロケットスタート時間術」といいます。

▼仕事の進め方が独特です。
プログラマーだから出てきた発想なのか?はじめて聞く時間管理術でした。
仕事の時間が10として、2割の時間で8割の仕事をまず終わらせる。形にする。

▼そして、残りの8割の時間を使って、残った2割の仕事を「流し」でこなします。
カンタンにお伝えするとそういう時間管理術がロケットスタート時間術です。

▼ちなみに、2割の時間中は界王拳を使います。しかも20倍です。
ドラゴンボールの孫悟空が使用する技=界王拳です。
最近、第六宇宙一の殺し屋ヒットに対して、スーパーサイヤ人ゴッドの界王拳10倍を孫悟空が使いましたね。(どうでもいい話ですが)

▼界王拳と聞いて、最初に受けた、氏のイメージとまったく違ったので笑ってしまいました。
でも、早く、実力以上の力を出し切って、短い時間で形にするための力がどれだけ必要なのか、イメージがしやすかったです。界王拳20倍!!

▼界王拳は横に置いて(・・・と言っても、界王拳はロケットスタート時間術をやるうえで、外せないスキルであります。)与えられた仕事の期間の時間配分について、はじめて聞く方法でした。
多くの方は、締め切り日が決まったら、なんとなく根拠のない時間配分を見積もって、前半から中盤までは「流し」で仕事をこなします。

▼そして、そろそろ締め切りも近くなってきたので、はじめてみたところ全然終わらない。
結果、締切の数日前から徹夜。
仕上げられればいいですが、結局間に合わずに上司やクライアントに締め切り延長をお願いする。(最悪・・・)

そういうことにならないために、前半で8割を完成させて、残りの時間を「流し」で仕上げていく。
しかも、ここがポイントだなと感じたところが・・・

仕上げてすぐに提出しないこと。

▼普通、早く仕上がったら、少しでも評価を上げたいので、「終わりましたっ!」って上司に提出したくなりますよね?それは絶対しないようにしましょう。
そうしないと、次回、上司からもっと厳しい締め切りで仕事を依頼されることになりますよ。
と書かれています。

▼もし、ロケットスタート時間術が使えるようになったとしても、そこは気をつけたいところですが、「流し」の時間が増えることで、今まで以上のクオリティで仕事を仕上げることができるかもしれません。

朝型の習慣

▼夜遅くまで仕事して、そのまま徹夜・・・。
ということもあるかもしれません。
しかし、中島氏は夜10時には寝て、朝4時に起きて仕事をスタートさせます。

▼朝から仕事をスタートさせるメリットは、だれからも話しかけられない、メールの返信をしなくていい。などメリットがあり、また家族が起きてくるまでの時間を仮の締め切りにすることができ、ここでもロケットスタート時間術が使えます。

▼朝から仕事をするメリットは、私も早朝5時からのWEB読書会をするようになってから感じていて、夜よりも比べてみると明らかに朝のほうが仕事をこなせる量やスピードが違いました。
やはり、夜は心身ともに疲れていますし、可能であれば出来るだけ早く寝て、朝から仕事にとりかかるのがいいと感じます。

▼ところで、朝って、いつも頭がスッキリしていると思いませんか?
これは、寝ている間に、1日の出来事を脳が整理してくれるためなんだそうです。
だから、仕事をするのは、早朝が適しているんですね。

なので、私も早朝に仕事をするように習慣化しようとここ数日チャレンジしています。^^;

■まとめ

先ほどの、Windows95の3500個のバグですが、あれば操作に支障がでるような重要なバグではなかったそうです。一応念のため。

愛のあふれた、そして熱意のこもった本でした。一気に読めました。
仕事を仕上げる上での時間の見積もり方から、仕事の時間配分の方法を知れたことが大きな収穫でした。
自分をふくめてですが、たくさんの人が、締め切りまでの時間配分や、仕上げまでの時間の見積もりが甘く、失敗していることもわかったことで、余裕ができました。自分だけじゃないんだと。(笑)

それから、本の後半に差し掛かってから、
中島さんとは環境が違う。
中島さんだから出来たこと。

と、思う部分も数多くありましたが、折角新しい知識を得ることができたのだし、著者の環境と自分の環境が違うのは、そもそも当たり前なんですよね。(もちろん、そういう思われるところは中島氏もわかっていて、汎用性のある方法になっています。)

ここから、自分仕様にカスタマイズを試みることこそ、読んだ本のアウトプットの行為だし、アウトプットすることで自分の血肉になっていくわけですから、ここは素直に、少しでも本から取り入れたいところです。

精神論や根性論もありましたが、氏の経験からくる精神論や根性論だと感じましたので、最後まで納得できる内容でした。それも含めて、ロケットスタート時間術ですよね。

いつも、いつも、いつも、
時間に追われている人にはとくにおすすめしたい1冊となりました。

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である
なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

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