著者:清水健一郎
Pocket
LINEで送る

優劣があると思ったらそれはただの印象です。ベーシック15番

はじめに
今回からクレド6ステップ導入マニュアルのステップ4のインタビューです。
ステップ3を導入することで、どんなメリットがあるのか。
そのあたりのことについて開発者の清水先生にインタビューしていきます。
クレド6ステップ導入マニュアルを購入後のクレド導入特に、組織の意識改革の参考にしてみてください。

 

【友松】:清水先生
前回までベーシック15番のお話をうかがって、ホテルの従業員の方は街場のお店の方に嫌われているというお話に驚いたわけですが、そのあたりのお話を今後クレドやサービスを学ぶ上でもう少し聞いていたほうがいいかなと思っています。

ベーシック15番を含めてまとめ的な話をお伺いしたいのですが、
よろしいでしょうか。

ベーシック15番
15.職場にいる時も出た時も、ホテルの大使であるという意識を持ちましょう。いつも肯定的な話し方をするよう、心がけます。何か気になることがあれば、それを解決できる人に伝えましょう。

 

【清水】:わかりました。

 

【友松】:ホテルマンが街場の飲食店から嫌われているという話を聞いたときには驚きましたが、前回から先生のお話を聞いていると嫌われることもありそうだなという印象に変りました。
私はクレドを含めてリッツ・カールトンに関する研究をするようになって、ホテルマンってあらゆる人にサービスする人というイメージがを持っています。

だから私は街場の飲食店を下に見るとか、お店の人では無いのにいろいろ言ってくるというのがよくわからない、なぜそんなことを言うのだろう? と感じるんです。

 

【清水】:分かりやすいたとえ話をすると…。
池井戸潤さんの下町ロケットというドラマはご存知ですか?

 

【友松】:もちろん知ってます。

 

【清水】:陸王は?

 

【友松】:はい、知ってます。ドラマでですけど。

 

【清水】:帝国重工って佃製作所のような小さな会社を下に見ていませんでしたか?

 

【友松】:あーっ!! そうでしたね。
下に見ていましたね。

 

【清水】:ある心理学の方も動画で言ってましたが、大きな企業に就職してしまうと小さな企業に大きな態度をとるそうです。

 

【友松】:あ~、繋がってきました。

 

【清水】:だからホテルの人がというよりも、大きな企業に勤めていると小さな企業にたいして大きな態度をとってしまうというのは、人の心理としてあるようです。

 

【友松】:そのお話で、私の中でつながったのですが、リッツの中で従業員同士も取引先もお客様という考え方があったじゃないですか。

それからどこでもステージであること。
そしてお客様の心を解きほぐすための13番とか。
これって、これらを考えた人が分かって作ったんじゃないかと思うんです。

分って作ったというのは、リッツの中でも本当にリッツの従業員なの? と思ってしまいたくなる人は出てくると。

自分たちの仕事にお金を出してくれる人には頭を下げる。
しかし自分たちがお金を払う人はどこか自分よりも下に見る。

こういう人が出てくるからこそ作っていると、先生のお話を聞いて思ったのですが、どう思われますか?

 

【清水】:やっぱり、私自身にしても…

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。
今回のステップ4のインタビューはいかがでしたか?

清水先生のお話は、働いているとよく出くわす『ポジショントーク』だなと思います。
素になって見てみれば、企業の規模に差はあってもその他に優劣はないはずです。
じゃあなぜそこに、優劣のようなものが生まれるかというと、企業規模という変えられない事実の上に、人が勝手にそれぞれの感じる印象を乗っけだだけなんですよね。

だからこそ、そこに意味は無いし、どちらかがそのことに気がついて対応を変えれば、相手も気がついて対応を変えざるをえない。
仮に大きな企業の社員さんが「オレたちのような大企業の社員に対して、その態度は失礼だろ」と怒ったとしても、「あなたは何を言っているの?」っていうことになります。

そういうところに気がつけるような柔軟な心を育てておきたいですね。
そこが分かれば、相手にも自然と敬意を持って対応できるし、相手に嫌われるような態度は取らないはずです。
この考え方はNLPの考え方です。

リアルな話を思い出しました。(汗)
ある会社で社内恋愛をして結婚したカップルがいました。
2人は結婚後もその会社で働いていました。
ご主人は大変優秀な方で大抜擢でその会社の社長に就任することになりました。

すると奥様はある時を境に『女帝』と言われるようになりました。
女帝といっても、社長の奥様で一般職の社員であることは変わりないんです。

奥様はご主人が社長に抜擢されたという事実以外は何も変わっていない。
なのになぜか自分も出世した気分になってしまった。
そして周りの社員も社長の奥様として対応するようになってしまった。

どうなるのかなと思っていたら…。
奥様が原因で社内で大きな損失が出てしまうことがあったそうです。
そして奥様一人をマネジメントできなかったことで、ご主人は社長から子会社の社員になりました。

自分の印象と変えられない事実は切り離して考えるクセは付けておきたいですね。
サービスでも仕事でも。
《つづく》

 

出演/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。

リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

 

インタビュアー/友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。

本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

  • このエントリーをはてなブックマークに追加