著者:友松はじめ
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語彙こそが教養である / 齋藤孝(著)

2015年12月が初版。以前から気になっていた新書でした。
物を考えるときは、頭の中でストックされた語彙で考えます。語彙で考えるということは、語彙が多いと、思考力のレベルが高いってことです。逆に言うと、思考力が低い人は、語彙のストックが少ないということです。

■読む前の予想

思考力なんて難しく考えなくても、たとえば、日常のことで考えると、話の面白い人と、話の面白くない人は語彙の量によって分かりますし、仕事でも理解力の早い人と遅い人、もしくは全然理解できない人の差は、ズバリ語彙の差ということも、ハッキリしています。

▼小学校入学までに、語彙が3,000以上ある子供は、語彙の少ない子供と比べても成績の伸び率が違うと、別の本で知りました。本当にそうだと思います。

▼この語彙を増やす一番手っ取り早く、かつ、確実な方法があります。
▼それが「読書」です。

そこまで分かっていて、もっと語彙について知識を深めたいなと思っていたところに、飛び込んできた本が、齋藤孝先生の「語彙力こそが教養である」です。

語彙が教養だと言われたら、もう、買って読むしかないでしょう。

- 目次 -
はじめに
第1章 教養は言葉の端々に表れる
第2章 第2章 語彙力アップには名著が近道
第3章 テレビやネットでも言葉は磨ける
第4章 8つの訓練で「使える語彙」にする
第5章 洗練された言葉づかいを身につける
おわりに

■気になるポイント3つ

日頃から語彙について知りたかったことがたくさん分かりました。
その中でも、本書で私が気になったポイントは、
■あたまのいい人とわるい人の差
■自分の言葉のクセを封印する
■安易に若者言葉にすり寄るのは大人として恥ずかしい

の3つです。

■あたまのいい人とわるい人の差

私は、語彙というのは、ボキャブラリーだとか、言葉、フレーズの意味も含めてのことだと考えていましたし、語彙って何?と言われたら、そのように答えていました。
しかし、本書では、タイトルから、語彙は教養と言い切っています。
語彙は思考や会話の基本となるところですから、教養と言っていいんですよね。なぜ気がつかなかったのか。少し恥ずかしいです。

この人は、賢い人だとか、賢くない人だとか、会話をすればある程度分かりますよね。
にじみ出るというか。

▼語彙が豊富=あたまのいい人

も分かりますよね。
もっと、本を読んで、よりたくさんの語彙を獲得し、使うことを心がけたいし、周りの人にも語彙が大切だということを話したいと思いました。(話したからと言って、語彙獲得のために行動する人はほとんど居ないとは思いますが。汗)
今よりも、もっと自分の社会人としての能力を上げたいと思っている人がいるなら、資格試験や何かの技術を身につける学校もいいけれど、まずは、語彙獲得からはじめたほうが、社会人として認められるのが早いでしょう。

▼あたまのいい人とわるい人の差は語彙の量ですね。

■自分の言葉のクセを封印する

本書では、語彙獲得のトレーニングの前に、獲得しやすい体質になるためのトレーニングがあります。
私、このトレーニング、おもしろいなと思いました。
詳しくは本書を読んでもらうとして、客観的に自分がどんな言葉を使っているか、どんな言葉を多く使っているのかを観察するんです。

▼そして、口癖のように使っている言葉が分かったら、その言葉を「封印」するんです。

私、さっそく自分の癖になっている言葉を見つけました。
一番使っている言葉があるんですが、それを封印することにしたところ、これが本当にキツイんです。
封印した言葉さえ使えれば、会話がすごく楽なんです。
だからこそ、多用しているわけですが・・・。

いかに自分が、数少ない語彙で話をしていたか、特定の使いやすい言葉ばかり使って日常の会話に楽をしてきていたかが、本当に良く分かるトレーニングです。
実に、自分が恥ずかしくなります。(汗)

■安易に若者言葉にすり寄るのは大人として恥ずかしい

「この本、ガチでいいっすよ。」
「この本以外、もう読めなくね?」
「もう、内容がハンパないです。」
「この本読んで、ぜんぜん語彙、身につきました。」

・・・・・・・。

40歳、いや、30歳でも、
使ったらダメでしょう?と、本書読んでからそう思いました。(爆)

若者が使うのはいいとして、若者と仲良くするため、歩み寄るために、若者言葉を使ってすり寄ることはみっともないことです。

「若作りした、みっともない大人」として認定されてしまいます。

それよりも、教養あふれる言葉を使うよう心がけようと思いました。
もちろん、本書を読んでそう思ったのですが。^^;

しかし、新しく出てきた言葉であっても、テレビで頻繁に使われるようになると、現代用語の基礎知識にも掲載される場合があるので、そういう言葉はおさえておきましょう。と齋藤先生は言っています。
そこは、そのようにいたします。

■まとめ

語彙が増えることで、目に見える自分の世界が広がることがハッキリしました。
もちろん、この本を読む前から、思考するためには語彙が必要であることも知っていました。
語彙が少ないと思考する広さも深さも浅いまま。逆に語彙の量が多ければ多いほど、思考の広さも深さも大きくなることも知っていました。

しかし、本書を読んで、もっと語彙の大切さを知ることができました。
▼これは、語彙を理解して説明するために必要な語彙が増えたということですね。^^

▼そして、語彙を増やすには、読書が適していることも再確認できました。

私も思い返せば、読書をはじめて、読了した冊数が増えてきたことと比例して、文章をスラスラと書けるようなってきました。それまでは文章の最初の書き出しで何を書いていいか分からないまま時間が過ぎていたんですけどね。

教養をつけるという意味では、純文学も読んだり、落語のCDを聞いたり、本書に紹介されている語彙が身につく媒体を積極的に試してみるのもいいですね。
そうすれば、言葉の端々から教養ほとばしるしゃべり方ができるようになるかもしれません。

語彙力こそが教養である (角川新書)
語彙力こそが教養である (角川新書)

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