クレド導入手順2(経営者主導でクレドを作成する方法)
クレド導入をお考えの方へ
リッツ・カールトンホテルやジョンソン・エンド・ジョンソンのクレドを見て、導入を検討する経営者、マネージャーが多い中、導入に失敗したり、導入後に効果が上がらなかったりする現象が多いようです。
今回のプログラムでは、導入のコツ、導入して効果を出す秘訣をお話できると思います。
ステップ1から順に実施することを強くお勧めします。
これは、私自身の体験や知り合いの失敗事例を通じて獲得したノウハウをベースに、クレド導入と運用に成功していただきたいという強い気持ちから湧き出てくる思いです。
日本中で、ひとつでも多くの会社、職場、お店で、成功に結びつくクレド導入事例を増やすことが私の使命です。
業種、規模を問わず、導入数が増えて、クレド導入・運用が売り上げアップにつながり、経営者、スタッフのみなさん、お客様の笑顔が増え、その楽しさや満足が社会を明るくするのにつながれば幸いです。
今回は、クレド6ステップ導入マニュアルステップ2のお話です。
ステップ2は、新しいことを前向きに受け入れる姿勢を整えます。
クレド導入のステップ2として、アイスブレイクの次に取り入れるのに強く推奨することが、自己承認欲求を満たすコミュニケーションです。
クレドがない職場に、クレドのことを知ってもらい、クレドを作り、導入する場合、「新しいものを前向きに受け入れる環境を作ること」が重要になります。
ステップ2で、サンキューカードを導入しましょう。
サンキューカード制度の導入ですが、同じものがたくさんの会社や店舗で導入されているので、ご存知の方も多いと思います。
名称としては、カード、サンキューカード、グッドジョブカード、グリーティングカード、フィッシュカードなど、いろいろな呼び名があります。
すでに、導入にチャレンジしたことがある方もいらっしゃるでしょう。
導入して成功している職場もあれば、導入して失敗したと感じている場合もあるでしょう。
いずれの場合も、クレド導入に向けて、もう一度見直してください。
サンキューカードを導入する狙い、期待できる効果
サンキューカードを導入するには狙いがあります。
想定される効果は以下のものです。
- 社内が「ありがとう」「感謝」の気持ちでいっぱいになります。
- カードの導入で、職場内だけでなく他部署のスタッフとも仲良くなれるキッカケになるので、部門を越えたチームワークが実践しやすくなります。
- 頑張ったスタッフ全員に労いの言葉をかけやすくなり、人事査定に役に立ちます。
- 職場環境が、「ありがとう」「感謝の気持ち」で、いっぱいになると、自然と笑顔になりますし、それだけで、お客様を幸せにでき、生産性や売上げがあがります。
「ほめる」「お互いを認め合う」「支え合う」「支援する」ことが当たり前になる職場になることを想像してください。
とても、働きやすい環境ですね。
多くのスタッフは、働きに行くことが楽しみになるかもしれません。
なぜなら、人間の持つ承認欲求を刺激されるからです。
「月に、1人10枚は書くこと!」こういったことがルールになれば、サンキューカードをもらうチャンスは必然的に多くなります。
もちろん、偏りはありますが、1人10回、感謝される可能性があります。
承認される機会が多くなることは、サンキューカード導入の重要なポイントの1つです。
カードは手書きなので、気持ちが伝わり、人間味を感じます。
手書きのほうが感動は大きいですね。
形に残るため、いつでも見ることができるのもカードの利点です。
私が言いたいのは、もちろんインターネットのSNSやメールなどでカードの代用もできますが、やはり手書きにはかなわないのでは?と考えています。
ただし、SNSを使うメリットもあります。
利用しているSNSによっては、家族・友達にも社内でほめられていることが伝わることは大きなメリットになります。
低コストで、これだけの効果が狙えます。ぜひ、導入を成功させましょう。
リッツ・カールトンからの経験から、少し主観を述べさせてもらいますと…
私の経験から学んだ事は、人も職場も同じで、自分の事を愛していない人は、他人を愛する事はできません。
仕事も同じで、自分の仕事と職場を愛していないと、いい仕事もできませんし、お客様も感動させる事はできません。
例えば、料理する事が好きで好きでたまらない料理人と、いやいや料理を作っている料理人の料理と、どちらを食べたいですか?
私は前者の料理です。みなさんもそうだと思います。
この様に、仕事が好きな人は、仕事に没頭しますし良い仕事をします。しかし、仕事が好きでも職場が嫌いでは、会社を去ってしまうかもしれませんし、持っている能力を出し切れないと思います。
それはもったいないですね!
そういったことからも「サンキューカード」導入をおすすめします。
「ありがとう」「感謝」でいっぱいになった職場を嫌いな人は、そうそういないと思います。
「ありがとう」「感謝」される事は、人の存在を肯定している事です。
存在を肯定してくれる職場こそ、その人の居るべき居場所なのです。
会社が従業員の人生において好ましい居場所になれば、クレド作成・導入の成功する確率は、高くなると思いませんか?
いかがでしょう。
ステップ2でサンキューカードを推奨する私の想い
クレド導入の土台作りにおいて、アイスブレイクで、従業員どうしの信頼関係の基礎がつくれたら、次はサンキューカードの導入です。
人は「ありがとう」と言われたり、「感謝」される事で良い気分になる人がほとんどです。
だとすれば、社内に「ありがとう」「感謝」の数が多い方が気分の良い職場環境です。
例えば、一人のスタッフが同僚の仕事を手伝ったとします。
「手伝ってくれてありがとう」「どういたしまして」と、いう会話で終わるやり取りを想像してみてください。
もし、ここでサンキューカードに感謝の気持ちを書き、相手に渡したとします。
そうすると、「カード、ありがとう」と言う新たな「ありがとう」と「感謝」が生まれてきませんか?
通常のやり取りより、サンキューカードを導入するだけで、社内、職場の「ありがとう」「感謝」の数が、この時点で2 倍になるのです。
そんな職場環境が気持ち良くて、カードを書くために、いろいろな「ありがとう」や「感謝」を探す人が出てきます。
また、書いて相手に伝えるため、伝えやすくもなります。
しかも、サンキューカードをもらったスタッフも、贈ったスタッフも、その双方の行動が公平に人事査定に反映するとすれば、もう、従業員はカードを利用するしかないですよね。
必ず「ありがとう」と「感謝」でいっぱいの職場になりますよ。
それにより、従業員のモチベーションが上がり、従業員同士の「ありがとう」「感謝」の焦点が、「お客様から『ありがとう』を頂くには?」という部分にも向きます。
「感謝」を頂くには、どの様なサービスを提供すればいいのだろう?と考え、アイスブレイク、サンキューカードを導入する前に出ていたであろうアイディアよりも、さらにポジティブなアイディアを出す従業員が増えているはずです。
その頃には、「え~、めんどくさい」「仕事なんてマニュアルどおりにこなしてさえすれば、いいじゃん」なんて言う従業員はいないはずです。
この様な従業員の状態が作れれば、会社の目標も以前より高く設定できませんか?
そして「我社もクレドを作成します。
だれか残業して手伝ってくれませんか?」と言おうものなら、多くの従業員が「クレド作成に参加できる」と思い手を上げてくれると思いませんか?
「あ~、また社長が新しいことを言い出した・・・嫌だなぁ」と思われるのではなく、自主的に進んで参加してもらうことが、クレド作成には大切な要素です。
仮にアイスブレイクもサンキューカードもせずに、クレド作成に入ったら、従業員の都合を優先させたクレドになっていたのではないでしょうか?
お客様から「ありがとう」「感謝」を頂くためのクレドになっているでしょうか?
アイスブレイク、サンキューカード導入で、また一歩、大きくクレド導入まで近づきました。
サンキューカードを導入した効果や体験をビジスタや私清水に聞かせてください。
お読みになられた方へ
いかがでしたか?
お読みになられて、サンキューカードの導入をしたくてウズウズしているでしょうか?
そんな気持ちになっていただければ幸いです。
クレドを導入する前の働く人の姿勢を整えることは、とても大切です。
今後、クレドを導入しようとスタッフに話したとき、スタッフにとって
「クレドって何?何か新しいことをやらされるの??」
とネガティブに受け取られるとクレド導入は難しいでしょう。
【スタッフが『新しいこと』を前向きに受け入れる姿勢を整える】
私の経験と、リッツでの同僚、上司が他のホテルで失敗した事例を踏まえて、アイスブレイクの導入が最善のストレッチになり、その次に、もっと前向きな姿勢を整えるのがサンキューカードの導入だと考えるようになりました。
さらに、大切な要素が今回のトピックに含まれています。
実際に、クレドの導入になると、スタッフにクレド作成・導入の作業をしてもらうことになります。
クレド導入は、直接、お客様と接したり、売り上げを直接上げたりする作業ではありません。
多くの会社やお店では、お客様に喜ばれることをしたスタッフ、売り上げに貢献した社員は、褒められる仕組みや制度があるでしょう。
つまり、それ以外の仕事や作業は、ほめられない、評価されないのが現状であることが多いです。
これは、「クレド導入に関わる作業をやりたがらない」ということにつながります。
しかし、思い出してください。
サンキューカードは、仕事以外も褒める、あるいは、直接の接客・売上げを上げる活動以外も感謝し、評価されるものです。
そう、クレド導入に興味をもち、スタッフが手伝うことは、サンキューカードの導入以後は、褒められ、感謝され、評価される対象になります。
結果、積極的にクレド導入という新しい試みについても、積極的に手伝いたい!かかわりたいというスタッフを潜在的に育成していることになるのです。
これも、クレド導入に向けて、ステップ1 アイスブレイク、ステップ2 サンキューカードを設定している理由です。
この導入マニュアルが、一人でも多くの人に役立ててもらえたら、最高に嬉しいです。
アイスブレイクを導入し、毎日、1 日10 分程度、一か月でも続ければ、素敵な職場環境になると思います。
クレド導入だけに限らず、新たなアイディアから生まれる変化を楽しむ職場に成長しているはずです。