業務改善・問題解決が自然にできるクレドの仕組み-リッツカールトンの「MR.BIV」(ミスタービブ)/清水健一郎 クレドインタビュー 第2回
クレド、リッツ・カールトン関連のビジネス書で3万部突破のヒット
『社会人として大切なことはすべてリッツ・カールトンで学んだ(彩図社)』の作者、
清水健一郎氏に、クレドの作成、導入、また実際の運用や、会社、従業員、取引先、
そしてお客様や自分自身のプラスの変化など、クレドについて様々な視点からインタビューを行いました。
本からは得られない貴重なお話しをどうぞお楽しみください。
業務改善・問題解決が自然にできるクレドの仕組み-リッツカールトンの「MR.BIV」(ミスタービブ)
清水:私をほめてくださった上司は、直属の上司のさらに上の上司で、その後、私の直属の上司に「清水はよく出来ているから、もっといろんな仕事を任せてみてはどうか?」と言ってくださいました。
その後からでしょうか、同期たちと、こうしよう、ああしよう、と意見を出し合いながら業務改善に取り組んでいくようになりました。
当時を思い出してもとても前向きで楽しかったですよ。例えるなら部活動のような感じでしたね。どうしたら効率良く上達するのか、優勝するにはどんなことをしなければいけないのかなどですね。
その過程で、同期とは本当によくケンカをしました。
でも、みんな1つの目標に向かって、みんな真剣だから真剣にケンカができる。
そして最後はみんなで肩をたたき合ってお互いをねぎらう。
友松:それはいい関係ですね。
清水:はい。ケンカはしましたが、ケンカのたびに絆が深まってきた気がします。
そして、気がついたら、20歳そこそこの若いスタッフが、リッツ・カールトンの朝食ブッフェの基本を作っていけたのだなと思います。
友松:年齢は関係無いですね。
清水:もちろん、何度も怒られましたよ。だからといって、もうするなとは上司は言いませんでしたしね。仕事をがんばれば、褒めて貰える、認めて貰える。
そして、どういう風に仕事を進めていくかの判断は、すべてクレドでしたね。
クレドにそった行動をしていたら、うまくいった。
上司に褒められたときも、クレドになんて書いてある?と、たびたび質問されました。
内部も外部もお客様。その時も上司の、つまり内部のお客様のニーズに私が応えたと言うことです。
リッツ独自の改善、創意工夫は、すべてクレドに書いてあるんです。
私がこの話をはじめると、すごく長くなるんですが・・・。(汗)
どんなものの考え方を持っていたら、職場の中を改善できるのか?問題を解決出来るのか?というのは、クレドに書いてあるんです。
友松:え?そうなんですか?!こと細かに書いてあるんですか?
清水:いえ、逆です。
細かく書いてしまうと、あとあと、幅が無いというか、どの部署でも通用しなくなるんですよ。ですから、あなたの部署では、こういう風に考えなさいよ。というようなことが書いてあるんです。
それを、リッツカールトンでは、遊び心を交えて「MR.BIV」(ミスタービブ)と言います。
Mistakes(ミステイク)
Rework(やり直し)
Breakdowns(故障)
Inefficiencies(非効率)
Variation(ばらつき)
たとえば、
あなたの部署では、ばらつきはありませんか?
どういう風に改善していますか?
破損が多いですよね?
なぜ破損がおきているんですか?
効率良く仕事をするために、あなたはいつもどういう風に考えていますか?
と、いつもラインナップでディスカッションしています。
では、たとえば、ものを補充するときなど、何が一番優先すべきものなのか?とういうことを考えたときに、必要なものこそ近くに置いておくべきだという答えに至ります。
だから、お皿は絶対に必要なものですから、お皿を一番近くに置いておいた方がいいよね。という考え方をみんなが持つわけです。
当時は、新人で未経験の10代・20代のスタッフが、ブッフェを担当していたわけですが、ブッフェを効率よく運用するには、どうする?という質問をよく投げかけられるので、MR.BIVの考え方で、必要なものは近くに置く、必要で無いものほど、ちょっと遠くへ置いておくという考え方が自然と出来てくるんです。
バーカウンターを作ることを例にすると分かりやすいのですが、一歩も動かずに、1番作るものは手を伸ばしたら取れるところに。
次によく注文が入るものは、1歩動けば作れるところに置いておく。
一ヶ月に1回しか注文が入らないものは、走って取りに行けば大丈夫なところに置いておく。
という考え方が、20歳そこらで、できあがりつつありましたね。
出演/清水健一郎
清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。
2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。
インタビュアー/友松はじめ
クレド勉強会 友松はじめ
勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる
現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中
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