著者:清水健一郎
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今回も、

を元に、そのエッセンスをひも解いていきます。

今回は、第4章。

心を動かす言葉 ~制約を外して考えれば、常識を超えたおもてなしが生まれる~

を元に、私、清水の目線でお伝えしたいと思います。

制約を越えた先のおもてなし

ホテルに限らず、どんな会社、どんな組織でも制約があります。
おそらく、みなさんが所属されている会社にも、色々な決まりごとがありますよね。
当然です。

実は今回、高野氏が紹介されているエピソードは、そんな、制約を越えた先にある人として、心が通ったおもてなしの素晴らしさを伝えています。

そこで、その対応エピソードを可能にする根底にあるものを少しリッツ目線から角度を変えて紹介しましょう。

と、その前に一つだけ。
なぜ、リッツ目線から少し角度を変えるのか?ということですが、その理由は、

「紹介されているエピソードが素晴らしいのはわかる。しかし、リッツだからできる事じゃないか。」

と考える方は少なくないと思うからです。

なので、ちょっとわかりやすいように、角度を変えてお届けしよう、ということです。

では本題に。

本書に書かれている「制約を外して考えた常識を超えたおもてなし」のエピソードの数々は、本当に素晴らしいエピソードばかりです。

例えば、

直接、お客様に接する事のない客室係のスタッフが、いつもお客様が夜景を見ながらブランデーを楽しまれている事を清掃時に気づき、とった行動は、夜景が見える角度に椅子を配置し、いつもブランデーグラスが置いてある位置に、小さなブランデーグラスの絵を描いたメッツセージを置きました。

「〇〇様、こんばんは、ルームサービスではブランデーのご用意が整っております。お電話お待ちしております」

高野氏曰く。

直接お会いしなくても相手の心に寄り添うことはできます。心を動かすこともできます。

素晴らしいですね。

その他にも、仲間との付き合いで中華料理を食べに来られた、脂っこい料理が苦手なお客様の存在に気付いたスタッフが、お客様、中華、和食の料理長と相談し、お客様が周囲の方に気を遣うことがないようにと、お蕎麦を中華料理の器でご提供したエピソードでは、

俯瞰的な発想ができるかどうかは、その人の成長のカギになってきます。

「東京タワーが見える部屋で宿泊したい。」とご要望のお客様に「申し訳ございません。お客様にお薦めしたいお部屋は、あいにくすべて埋まっております。しかし、お客様にぴったりのお部屋は、別のホテルにございます。」と言って他のホテルの予約の手続きをする予約スタッフのエピソードでは、

相手の喜びを最優先すれば、ライバルの力を借りることも方法の1つです。
見えない信頼が生まれることを信じて、最も満足いただける提案は何かを考えましょう。

(その他、魔法のようなエピソードも紹介されており、もっとエピソードと事例が知りたい方は、購読される事をお薦めします。)

ここで、サービス業に従事されている方々に幾つかの疑問が出てくると思います。

「なんで、リッツのスタッフは、こんな素晴らしいサービスを実践できるのだろうか?」
「登場人物は、責任者に確認を取って行動したのか?」

「確認を取っていないとすれば、なぜ、即座に実践できるのだろうか?」

そして、

「これらのサービスを学んでも私達には無理、リッツだからできる。」
で、考えを止めてしまわれる方は世の中に少なくないと聞きます。

そんな方々を私は今まで何人も見てきました。
その方々と高野氏、リッツ・カールトンの大きな違いとは?

私は会社が一番大切にしたい事を従業員にどれだけ浸透させているかだけだと思っています。
会社が大切にしていることを、従業員が大切にして会社から叱られる事はまれです。

時に若いスタッフが履き違えることもあるでしょう。
そんな時は、修正してあげてください。
会社が大切にしなければ、従業員も大切にしません。

リッツ、高野氏が大切にしていることは、やはり「ホスピタリティ」です。

ですから、従業員もホスピタリティを大切にするのです。
(どうやって浸透させたのか?を話し出せば、クレド、ビジョン、ミッション・・・と、キリがありませんのでまたの機会に。)

伝え方の難しさ、伝わっていない事のもどかしさも感じる経営者もおられるでしょうが、先ず、高野氏、リッツ初代社長のシュルツ氏のように、

  • 会社は何を大切にしているのか?

を、明確に掲げる事が第一歩なのだと私は思います。

経営者のみなさん。会社にとって一番大切なこと、従業員に掲げていますか?

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