著者:友松はじめ
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心のこもったおもてなしを実現するサービスの手帳

元ザ・リッツ・カールトン大阪営業統括支配人/林田正光

 

第6章 「壁にぶつかったとき知っておいてほしいこと」

 

「1回失敗するより10回失敗したほうがいい」

 

このタイトルは、私自身を褒めていただいているようで、少し嬉しくなりました。

私がリッツ大阪時の同期の中で一番になれる、ナンバーワンになれることがあるとすれば、間違いなく失敗の数です。

 

もちろん、失敗の数が少ないのではありません。

同期の中で圧倒的に多くの失敗をしたと胸を張って言えます。(笑)

ですから、失敗の多い後輩、部下たちに対して、林田さんと同じ様な事を言ってやれます。

 

そして、私の言葉に説得力、魂がこもるのです。

以下抜粋

私のこれまでの経験から言えば、失敗の数が多い人ほど、成長を続けているように感じます。
たくさんの失敗は、それだけたくさんのチャレンジをしてきた証拠です。その経験を、成長の糧にしているのです。

 

自身が失敗してきたからこそ、同じ失敗をした後輩、部下の気持ちが理解できますし、その後輩、部下の失敗の対処のしかたも心得ています。

また、リッツ・カールトンでは、失敗をそのままにせず、ラインナップ(リッツ式朝礼)で多くのディスカッションをして、失敗した本人だけで無く、ラインナップに参加したすべてのスタッフのこれからの対応の引き出しのひとつになります。

(常に問題点、改善点を探す視点で、日々の仕事を行い、ラインナップでディスカッションする、MR.BIV(ミスタービブ)という仕組みも役立っていました。)

 

そして、なによりも林田さんが言うように、失敗をフォローしてくださった周囲の方々への感謝の気持ちを忘れなくなります。

以下抜粋

自分の失敗をフォローしてくれる仲間へ感謝の気持ちを持つことを忘れてはいけません。
そのうえで、お客様のために何をしてさしあげるのがベストなのか、試行錯誤しながら、積極的に実践をつづけていきましょう。

 

失敗してこなかった上司、先輩は、失敗をする後輩、部下を許すこと、受け止めてあげられる器が備わっていないことが多々あります。

そして、自分自身は完璧な人間でなければならないと考える様になります。

 

そのため、なかには鬱病になって退社、転職した人も見てきました。

何度失敗してもチャレンジする人が成長するのは、失敗を恐れない強い精神が身に付くからです。

若い頃に失敗もせず要領よく仕事をこなし、上司、先輩達から叱られることなく出世した人ほど、後で大きな苦労をしています。

 

ですから、私は修業時代に、数えきれないほど失敗をして良かった。

そして、そんな失敗ばかりの私を受け止めてくださった上司、先輩、リッツ・カールトンの器の大きさに心から感謝しています。

 

 

著者/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。

リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

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