著者:友松はじめ
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スターバックスのライバルは、リッツ・カールトンである。/岩田松雄、高野登(著)

クレドを研究している友松です。

今回は、スターバックスのライバルは、リッツ・カールトンである。の第4章、

おもてなしと日本人の感性を読んでいます。

 

遊び心が感動のサービスにつながる!?

以前、スタバを利用したときに、カップに落書きがありました。

黒マジックで絵が描いていたことがありました。

 

え?!そんなことしちゃダメでしょ。と驚きましたが、

すぐ、おもしろいなー、こんなにブランドがあるお店なのに

自由な部分もあるんだな。と感心したのを覚えています。

 

何年も前の話なので、今はやってないかもしれませんが、驚いたので覚えています。

本書に少しだけ、カップに絵を描く話しが紹介されていました。

これは、スタバのスタッフが、お客様を楽しませようとしてやった、品のあるイタズラなんですね。

 

本当は、そんな絵を描く時間も惜しいくらい忙しいと思うんですが、そんな気持ちがうれしいですよね。

 

一方、リッツ・カールトンでは、お部屋の机の引き出しの中に、

お客様の名前を刻印した便せんと封筒を入れていたそうです。

 

普通の高級ホテルでは、お客様のお名前を刻印した便せんや封筒は、

目に付くテーブルの上に置いておくそうです。

 

でも、リッツ・カールトンは違いました。

お客様が引き出しを開けないと気づかないところに便せんと封筒を入れる。

 

ですから、もしかしたら、せっかく用意したのに、

お客様が気づかず終わることもありますが、

もしお客様が気づいた時には、おそらく「クスッ」と笑顔になるはず。

 

高野 まさに「いたずら」です(笑)。品のあるいたずら心、かな。ホテルマンには特に必要な感性です。

いたずら心は、相手の気持ちをワクワクさせますから。(193pより引用)

 

岩田 期待どおりは満足なんですよね。期待を超えるから感動するんですよね。

感動というか驚きなんですよ、ここまでやるかみたいな話しですからね。(193pより引用)

 

スタバもリッツ・カールトンもそういったことが出来るのは、スタッフに余裕が無いとできません。

その余裕を支えるのが、トップの理解であり覚悟なのだそうです。

 

スタッフのすることを信頼しなければ、いくら品のあるイタズラでも、それを許す勇気はでないと思います。

 

もし、お客様に感動してもらうサービスを行ってもらおうと、

今から、スタッフを信用して、品のあるいたずらをしなさいと言っても、

スタッフは意味も分からないだろうし、

 

センスはあったとしても、もし実施したとしても何かあったら始末書を書かされるかもしれない。

とスタッフも経営者のことが信用できなくて、お客様を喜ばせたいという気持ちはあっても、

すぐには出来ないでしょうね。

 

経営者はスタッフを信用し、スタッフは経営者を信じるためにもクレドは必要だと思います。

もちろん、表面だけクレドを作ってみたとしても、クレドは機能しません。

 

クレドを作って、導入するまでの過程も、スタッフの意識改革や教育、

部署間の垣根を無くしたスピーディーなサービスができるような組織になったり

ラテラルサービスクロストレーニングMR.BIV(ミスタービブ))、

 

上司部下、先輩公開、同僚、そして経営者と従業員がお互いに好きになり、

感謝の気持ちで信頼を作る(ファーストクラスカード)ことができます。

 

だから、クレドを作った時は、すでにクレドが必要無いくらいの組織、クレドが自然に機能する組織が出来上がるわけです。

この様々な仕組みと、その仕組みをひとり一人に浸透させていく最も中心の仕組みがリッツ式朝礼のラインナップです。

 

これらの仕組みの導入や運用方法は、清水先生のクレド導入マニュアルに書いてありますが、

いずれにしても、スタッフが安心して100%お客様を喜ばせる仕事に集中出来るためには、

クレド、またはクレドのような仕組みが必要なんですね。

 

現に、リッツ・カールトンもスターバックスもスタッフのホスピタリティ力は高いですよ。

もちろん、面接の段階でホスピタリティ力の高い人材を採用しているのかもしれませんが、

そういった特性を持った人が能力を伸ばせる環境でないと、あっという間に悪い方へ染まってしまいます。

 

まとめ

クレドという仕組みは、今までの組織の構造のまま、

なかなか浸透しなかった、お互いの信頼や感謝の気持ち、

会社への愛着、そして自分たちの会社やお店を利用してくれるお客様への感謝の気持ちが育つ仕組みです。

 

創業者、経営者の想いが、ミッションになり、

ミッションをもとにしてクレドという行動指針が出来上がり、それを理解して行動するスタッフが育つ。

 

そのうえで、遊び心のあるサービスが出来るようになれば、お客様もきっと感動すると思います。

リッツ・カールトンに負けない、ワオストーリー(WOW stories)も日々たくさん生まれるのではないでしょうか。

 

今ある組織を新しくゼロから変えて行くのは難しいと思いますし、

私はスタッフを総入れ替えしないと不可能に近いかもしれません。

 

しかし新しくするのではなく、今ある環境と人材にクレドを加えることで、

会社もスタッフもグッとレベルアップできると考えています。

もちろん、業績も。

 

つづく

 

 

記事/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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