リッツのセールスの根幹にあるものとは
を元に、私、清水の目線でそのエッセンスを抽出してお伝えしたいと思います。
本日は第二章。
「今日はイタリアンの気分ですか?」
お薦めは会話の中で決める
です。
リッツのセールストレーニング
みなさんは、リッツのセールストレーニングをご存じでしょうか?
私は18年間、レストランやバー、飲食業で接客という仕事をさせていただいていますが、このリッツでのトレーニングは、非常に役に立っています。
リッツのセールストレーニングは、レストランサービスに従事してらっしゃる方だけでなく、セールスをされている方、全ての基本になるのでは?と、思いますので少し紹介させてください。
(今回紹介させていただく所を読み進めると、私がリッツ在籍中に受けさせていただいたセールストレーニングを思い出すんです。)
高野氏の著書では、ホテルでお客様から「レストランを紹介して欲しい」と要望があった際の対応のシュミレーションや、高野氏の失敗のエピソードが書かれています。
高野氏は企業研修において時々行われる「ロールプレイ」を紹介されています。
1.まず参加者2人1組でペアになってもらいます。
2.そして自分が相方に薦めたい料理を思い浮かべます。
3.それを制限時間1分ずつで相手に売り込んでもらいます。
このロールプレイ。
ペアごとに色んな話が飛び交うんでしょうね。
で、ロールプレイが終わると、参加者に「こんな質問から入った方はいますか?」と聞いてみるそうです。
「今、どのくらいお腹が空いていますか?」
「お昼になにを召し上がりましたか?」
「何かアレルギーはありませんか?」
「苦手な食材はありますか?」
「スタイルがいいですね。ダイエットをされていますか?」
こういった質問を投げかけます。
すると、ほとんどの方が手を上げません。
相手のことを知る前に、まず自分のすきな料理やお店の売り込みに必死になってしまいます。
色々なビジネス書などでも同じように言われていますが、答えは相手の中にあります。
そして、人は自分が今本当に欲しいものを理解していないケースもよくあります。(私も含め)
そのため、プロとして、相手の感じていること、思っていること、気分などを引き出す質問をする。
これが大切なポイントの一つです。
そして、もうひとつ参考になる高野氏の失敗エピソードもご紹介しましょう。
若いホテルマン時代に、出身地の戸隠のことでお客様のご家族と話が弾み、お客様の一人が、そばアレルギーだと知らずに、5分ほど戸隠のそばの自慢をされたそうです。
すると。
お客様から「うちの娘、そばアレルギーなの。お蕎麦の話はちょっと辛くて・・・」と伝えられ頭の後ろを思い切りガツンと殴られた思いをしたそうです。
「自分の薦めたいものが、お客様の望むものとは限らない」
という当たり前のことに気付かれたそうです。
私は、サービス=セールス=信頼だとリッツのセールストレーニングで教わりました。
サービスのクオリティが高ければ高いほど、高価な商品をお買い上げしていただき、しかも、お客様から信頼を得る事ができる。と、言うことです。
高野氏は著書の中で、「反応を探りながら、本当の〝お薦め〟を見つける」と言っています。
私もレストランサービスで、注文をお伺いする際は、お客様へ質問し、そのお客様の反応からまた質問をして、お客様が何を求めておられるか、じょじょに絞り込んでいきます。
「お腹空いてらっしゃいます?」
「コースが多いようでしたら、アラカルトで数品ご注文されますか?」
「今の気分は、ズバリ肉ですか?魚ですか?」
「冷製前菜の魚ですか?温製の魚ですか?」
「でしたら、今日は〇〇がおススメです。」
ここで初めて、自分のお薦めをお伝えします。
先ず、お客様が何を求めてらっしゃるのか、しっかりとお客様と向き合う事が大切です。
大切なのはやっぱりホスピタリティ
今ご紹介した話の根幹には、やはり、高野氏のどの著書にも出てくる共通点、そう!ホスピタリティが必要だと私は思います。
高野氏の言うホスピタリティは、
「相手に寄り添い、相手の立場、相手の気持ちになって考え行動する。」
です。
お客様がホスピタリティを感じる事ができ、的確にお客さまが欲しておられる商品を絞り込んでお薦めしてくれるサービスマン、セールスマンでしたら、少々高価な商品でもお客様は納得して購入されます。
家、車など、高価なものだと特にそうですよね。
高価な商品を購入する際は信頼が必要です。
上記の私の注文例もそうですが、信頼をいただくサービス=セールスをすれば、実際に喜ばれ感謝もされます。
それが、私がリッツで教えていただいた「サービス=セールス=信頼」なのです。
逆に言うと、どんな言葉を使おうと、その言葉にホスピタリティがなければ、高野氏が言う
「心の距離を近づける言葉」~相手の心に寄り添ったひと言が絆を深める~
事はないのではないでしょうか。
プロとして、ホスピタリティを持つ。
大切にしていきたい考え方ですね。