私が体験したリッツの「信頼を作るための小さな習慣」
今回は、書籍「リッツ・カールトン たった一言からはじまる「信頼」の物語」をピックアップし、そのエッセンスを元リッツ・カールトンのオープニングスタッフで飲食店を経営する清水目線で抜き出してお伝えします。
「リッツ・カールトン たった一言からはじまる「信頼」の物語」
高野 登(著)
信頼を作るための小さな習慣
第一章「信頼を作るための小さな習慣」を読んでいて、私は何度も二十代前半の修業時代を思い出しました。
なぜなら、私のリッツ修業時代に周りの先輩、上司に注意していただいた事ばかりが、載っていたからです。
なぜ先輩や上司に注意されていたのか?
それは、当時の修業中の私には、大きな事よりも、日々、気をつけなければならない「小さな習慣」を身につける必要があったからだと確信しています。
そんな、「小さな習慣」と、その習慣の意図している事をm私のリッツ時代のエピソードを交えてご紹介させていただきます。
相手を大切に思い敬意を示す。
著書の中で高野氏は、
- 相手の時間を大切にする。
- 相手の持ち物をサービススタッフが持つ際の心構え、先読みの力、などなど、相手に敬意を示して信頼を作る。
- 言葉でいい事を言っても「小さな習慣」から、本当に敬意を持って接しているのか?そうでないかが分かってしまう。
と、習慣の大切さを伝えようとしています。
著書では、一例として、持ち物を預かると言う動作から相手を大切に思い敬意を示す事を紹介されています。
相手の鞄、スーツなど、預かった者が持ち主よりも大切に扱う姿をみれば、もし、他に荷物、自身の大切なものを預けたとしても大切にしてくれる。と思っていただける。
つまり、信頼が自然と生まれてくる、とあります。
実際、私も修業時代にそう教えていただきました。
他にもあります。
私の中で一番印象に残っているエピソードは、お客様にオーダーされたワインをお持ちする際、その持ち方を見た先輩にこっぴどく叱られた経験です。
私はボトルの首(ボトルの口の近くでボトルを握れる細さになっている部分)を握って、片手でお客様の所に持って行った後、すぐに先輩にバックエリアに呼び出され叱られました。
「オーダーしていただいたワインは、もうお客様の物、もっと大切にあつかえ!」
「お客様の物と意識したら、大事そうに持つだろ!」
と、持ち方は両手で赤ちゃんを抱っこするような持ち方で、お客様の所に持っていくように教えられました。
そして、言い方は悪いですが、
「安いワインも両手で大切に持っていけば、高いワインのように見える。お客様は一層、リッツの雰囲気に酔い。ワインもさらに美味しく感じて頂ける」
と教えていただきました。
納得のいく考え方だと思います。
さらに、読んでいて嬉しくなるのは、当時の支社長の高野氏の考え方が、当時、末端の従業員だった私にも伝わっていたことです。
その他にも、日々の小さな声かけの習慣、プロとしてのプライド、リッツがクレドに記載しているサービスの3ステップの、お御見送りの大切さなど、第一章を読んだだけで小さくても大切な学びが多く書かれた本だと思います。
今回は、「リッツ・カールトン たった一言からはじまる「信頼」の物語」の中から、第一章の「信頼を作るための小さな習慣」についてお伝えしました。
ぜひ、あなたのお仕事にも、この小さな習慣を活かしてみてください。