「叱る」ときに大切なこと。「行動に」移す人間を一人でも多く育てるコツ
「100人のうちの99人は『気づいて』いました。たった1人がそれを『行動に』移しまし た。」
この言葉を聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょうか?
もし、この「たった1人」ばかりが働く職場だったら、
はたしてどんなことが起こるでしょうか?
今回は、
「また、あなたと仕事したい!」と言われる人の習慣
について、複数回形式でご紹介したいと思います。
「行動に移す」のは100人に1人
冒頭でご紹介した部分は、
【「また、あなたと仕事したい!」と言われる人の習慣】
にて、非常に気になった部分。
それと同時にリッツ・カールトンに対して、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
まぜ強く惹かれのか?
それは、誤解を恐れずに言うと、私が「行動に」移す100人のうちの1人だからです。
といっても、私だけではありません。
実は、リッツのスタッフ全員がその1人だったのです。
どういうことか、をご説明しましょう。
リッツ在籍中、私達はオープニングスタッフと言うこともありますが、若手スタッフか らベテランスタッフまで、いつも開拓者精神を持ち、様々なアイデアを提案しては改善 する日々を送っていました。
物の配置場所、発注の仕方や計算方法、仕事の引継ぎ方法など、もちろん、若手スタッ フが考えて行動すると、時に上司、先輩から注意、お叱りを受ける事もありましたが、それでもスタッフ達は「行動」する事を続けました。
一つ、私の思い出のエピソードを紹介させてください。
私が上司からこっぴどく叱られた思い出のエピソードは、私がまだ二十歳の時、洗い場で働く50代の女性に気をきかせたつもりで、オレンジジュースを持って行った時の話です。
洗い場は蒸気が立ちこもり汗だくで働いてらっしゃったので、私からの差し入は大層喜 ばれましたが、それを見ていいた福井シェフに
「なに勝手にレストランの商品飲ましてんだよ!そのオレンジジュースはお前個人の物じゃないだろ!」
と、すごい剣幕で怒鳴られてしまい、洗い場の女性も「ごめんね。私のせいで・・・」と申し訳なさそうな顔をされていました。
私も良かれと思って行動し、ひどく叱られてしまったので少し落ち込んでいたのですが、
数分後、厨房の先輩二人がニヤニヤしながら、私の両サイドに立ち
「清水、怒鳴られたな~」
私が叱られた事が実に楽しそう。と言う顔をして話しかけてこられました。
「でも、あんな事をする清水の事がシェフは大好きやから、次から気をつけろよ。」
と、言うと仕事に戻っていきました。
数時間後、「しょーがねーな」と言う顔をしたシェフから、
「お前は、やさしいね~」
と一言いただきました。
叱られるのは楽しいものではありません。
叱られたから、もう「行動」しない。と、なる人が殆どだと思いますが、私達リッツスタッフが、叱られても、叱られても「行動に」移すのは、間違った「行動」をした部下を叱っても、その心意の部分が正しければ褒めていたからです。
良い「行動」には賛辞を贈り、叱る際にも愛情を持っていたからだと確信しています。
上記の私のエピソードにあるように、上司、部下、両方の心の持ち方が職場の好循環を生みだします。
まとめ
若い人達に言いたい事は、若い間は叱られても当たり前で、それでいいのです。
将来、部下を持った時、叱られる部下の気持ちを理解してあげられますし、自分の過去のエピソードを含めて叱ってやれる事ができ、その方が説得力があります。
そして、上司の方に言いたい事は、上記のエピソードにあるように間違った「行動」をした部下を叱る事はもちろんありますが、その「行動」の心意が間違っていなければ、その心意は褒めてあげてください。
それらが、「行動に」うつす1人を多く育てるコツだと思います。