著者:清水健一郎
Pocket
LINEで送る

ビジョンとミッション。
会社を育てていくには、この二つが欠かせません。

そして、それらを実際の価値観として浸透させるために、クレドが存在します。
リッツでは、ビジョンやミッションを、全員が共有し、具体的な行動にまで落とし込めるように、クレドが使われていました。

さて、前回の記事では、ビジョンについて触れました。
(クレドとビジョンはセットである理由)

そこで今回は、ミッションについて考えてみたいと思います。

ミッションとは?

そもそも、ミッションとは一体なんなのでしょうか?
会社や組織によって、多少違う解釈をされているようにも思います。

ですが、大きな枠としては、「果たすべき役割や使命」のことです。

ミッションを掲げる、ということは、会社が果たすべき役割や使命を表明する、ということに他なりません。

私も経営者ですから、困った時、苦しい時にミッションを思い出し、困難を乗り越えてきました。

では、さらにもう一歩踏み込んで、「ミッションとビジョンのつながり」はいったいどのようなものなのか、も考えてみましょう。

ミッションはビジョン達成の理由である

私にとってミッションは、「なぜビジョンを達成したいのか?」ということの理由そのものです。

会社経営を航海にたとえると、ビジョンは目的地、ゴールですね。
ミッションは、なぜ、その目的地に行きたいのか?と言う理由です。

会社経営も航海も苦労、リスクを伴いますが、それでも会社経営をする理由。航海をする理由を文章化することで、賛同してくれる仲間が集まります。

宝島を目的地(ビジョン)に航海する船、その理由(ミッション)は、
「宝を仲間と山分けし全員が幸せになる。」
その、ミッションに賛同して乗組員が集まります。
そのため、キャプテンが途中で、宝を独り占めしようと企みだした事が船中に気づかれたら大変な事になります。

つまり、ミッションがブレ始めると、組織は機能しなくなってしまうのです。
その為、文章化して社内全員に発表することで、社長だけでなく従業員もミッションにぶれない行動が取れるようになるのです。

私の経営するバスティアンのビジョンは、今、地元滋賀県を離れて、ヨーロッパ系飲食業で修行している若い世代が「紳士淑女の大勢いる地元に帰って店をしたい。」と思ってくれるような地元に変革していく事です。

なぜ、そうしたいのか?

それは、
「地元にワイン、ヨーロッパの料理文化、レディース&ジェントルメン文化を少しでも広げるため」
です。
私はもともと、そう決意しバスティアンをオープンさせました。

これが、私のミッションであり、バスティアンのミッションです。
「小さな会社のビジョンのつくり方、浸透のさせ方」の著者、村尾氏は、ミッションについてこう書いています。

自分たちの会社が誕生した理由。
自分たちが事業をやっている訳。
自分たちの会社が成し遂げようとしていること。
自分たちの会社が社会から託された任された事。
つまり、自分たちの会社のレゾンデートル(存在理由)
こんなことを、私は「小さな会社のミッション」と捉えている。

バスティアンの誕生理由は?
地元(清水の)に、ワイン、ヨーロッパの料理文化、レディース&ジェントルメン文化を広げるため。

バスティアンが事業をやっている訳?
地元に、ワイン、ヨーロッパの料理文化、レディース&ジェントルメン文化を広げるため。

バスティアンが成し遂げようとしていることは?
地元に、ワイン、ヨーロッパの料理文化、レディース&ジェントルメン文化を広げるため。

バスティアンが世間から託された事は?
地元に、ワイン、ヨーロッパの料理文化、レディース&ジェントルメン文化を広げるため。

つまり、バスティアンのレゾンデートル(存在理由)は?
地元に、ワイン、ヨーロッパの料理文化、レディース&ジェントルメン文化を広げるため。

なのです。

もちろん、私の在籍当時のリッツ・カールトン大阪もミッションを持っていて、総支配人からアルバイトまでもミッションを確認できるように各部署のバックヤードに大きな紙に書かれ壁に貼り付けてありました。

そのおかげで、リーダーから末端のスタッフまでミッションに毎日コミットできていたと確信しています。
そしてまた、クレドとラインナップが、知らず知らずのうちに、完全に血肉となるようにしてくれていたからこそ、リッツは最高のサービスを提供できていました。

ミッション、ビジョン。
そして、それを浸透させるためのクレド、ラインナップ。

ぜひ、まだ導入されていない方は、すぐにでも導入していただくことをオススメします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加