著者:清水健一郎
Pocket
LINEで送る

私は20年間接客業に従事していますが、もちろん、プライベートで私自身がお客として接客していただく機会もたくさんあります。
そんな時、接客していただいているスタッフへの信用、信頼が、イッキになくなってしまい、ガッカリする瞬間があります。

人によって、このガッカリポイントは違うと思いますが、私の場合、「知ったかぶり」がそれに当てはまります。

知らないのに知っているふりをする。
それはつまり、嘘をついていると言うことだからです。

謙虚な姿勢があれば「知ったかぶり」にはならない

誤解のないようにお伝えしておくと、私はサービスにおいて時と場合によっては嘘も大切だと思います。
そういう意味では、私もよく嘘をつく方だと思う時があります。

例えば、いつも違う女性をお連れされる常連のお客様(男性)に「お久しぶりです。」と声を掛けたりするケース。

他にも、知っている事でも知らないフリをしてお客様のお話を聞いている事があります。
知らない事が恥ずかしいのではなく、知ったかぶりをしている事がバレてしまうのが、一番カッコ悪いのです。

かりに、知っていても「知らない」「わからない」と言う姿勢でお客様にお話をお伺いすれば、快く教えて頂けることがほとんど。
実際、「私が知っている。」と、思っていた事でもお客様のお話を聞くことで、実は私が知っていた事が6割くらいで、「知っている」というレベルに達していなかったこともありました。

人は、自分が知っている事を、「知らないでしょ?」と話されると、「自分は知っています。」とアピールしたがるものです。

しかし、先ほどの話のように、私も少しは知っていますが、全部知っているわけではなかったりします。
また、知らず知らずのうちに、「知ってるつもり」になっていることもあるでしょう。

つまり、「知りません」「分かりません」と言うのは、嘘をつくというより、「私の知識は、まだまだ未熟ですからお客様のお話をお聞かせください。」と、言う謙虚な姿勢だと思うのです。

林田さんも著書の中で、
「勉強する謙虚さを持つ人こそがプロなのです。」
と、仰っています。

リッツ在籍中、耳に胼胝ができるくらい先輩、上司に言われた事が、歳を取って、さらにしみじみ理解できる様になりました。

ただし、注意していただきたいのは、全て「知りません」「教えてください」でいい、というわけではないことです。

どういった時に、どういったおもてなしをするか。
それこそが大切であり、そして、日ごろからディスカッションし、実践し、フィードバックを得る事を継続してこそ、こういったセンスを磨くことができる、ということ。

そのためには、やはりクレドとラインナップが重要、ということですね。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加