著者:清水健一郎
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今回も、

を元に、そのエッセンスをひも解いていきます。

今回は、第5章。

言いづらい言葉をかける時 ~相手に気持ちよく動いてもらうために~

を元に、私、清水の目線でお伝えしたいと思います。

5章の中に、

「海外から大変なお電話が入っています!」 お客様の話をスマートに切り上げるチームの力

という項目があるんですが、この部分を読んでいて、私は思わず思い出し笑いをしてしまいました。

高野氏が著書で紹介しているスマートな例ではなく、目的は同じなのですが、とても未熟な私がリッツ在籍時に経験したエピソードと、ほとんど同じだったからです。

高野氏の紹介するエピソードは、ファンの多いスタッフとお客様との会話を、スマートにお客様の気持ちを傷つけてしまわないように切り上げるやり方です。

お客様との会話が長引きそうであれば、お客様には見えないように背中のほうで他のスタッフへサイン、例えば、指を広げて「5」を作ったら「あと5分お話をして、切り上げます」の合図です。

すると、事前に打ち合わせをしていた仲間がやってきて、
「○○さん、海外から大変なお電話が入っています!」
と、会話から連れ出す仕組みで、しかも、海外というのがミソ。

そして、さらに良いのは、連れ出すのは「違う征服を着た」責任者がベスト。

そうすれば、お客様の気分を損ねることなく、「大事な用件なんだな」と理解していただけます。

どうしてもお客様とのお話を切り上げなければならない場合は、チームでサインを決めて、助け船を出してもらいましょう。

と高野氏は紹介しています。
実にスマートですね。

業務上、どうしてもお一人のお客様に対して全ての時間を割くことができないケースもあります。
だからといって、会話を無下に中断する、というのはもってのほか。

そういった場合に、お客様に対して失礼のないように退席する方法です。

さて、なぜ私が思い出し笑いをしてしまったのか。

それは、私がロビーラウンジに勤務していた時、バータイムに私を指定し、お話をされるお客様との対応を後輩がしてくれた時の話しです。

高野氏の紹介と同じ様に背中で立てた指の数で、「あと○分後に頼む」と言う合図を私が出しました。
合図を見て私とお客様の前に現れる後輩。

後輩:「お話し中恐れ入ります。清水さん、総料理長から内線繋がっています。お願いします。」

私:「ああ、わかった。少し待つか、こちらからかけなおす。と、伝えてくれるかな?」

後輩:「はい、かしこまりました。」

そう言うと後輩は、少し早歩きでバックエリアに帰っていきます。
そして、お客様に「お話中すいません。」と、その日一番の笑顔。

お客様:「清水君、いいよ、いいよ、用事すませてきて」

私:「しかし、料理長に捕まると長いので・・・」

お客様:「いい、いい、やっといで」

と、お客様もこんな若者に総料理長が、名指しで「つないでくれ」と言っているのだから、と思っていただけたようで、私は「失礼します。」と言って、バックエリアに入りました。

私も高野氏の話ほどスマートではないですが、同じ様な経験をリッツでしました。

もちろん、今、経営している飲食店でも、リッツを退職した職場でも同じようなことは実行していましたが、大切なのは、スマートでもスマートでなくても、高野氏の言う

「言いづらい言葉をかける時こそ、相手に気持ちよく動いてもらうために言葉に工夫が必要」

なのではないでしょうか?

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