著者:清水健一郎
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「総支配人」と聞いて、あなたはどんなイメージをするでしょうか。

近寄りがたい響き?それはそうかもしれません。ホテルの長ですもんね。
ナイスミドル?確かにそうかも。

当然のことながら、リッツにも総支配人や副総支配人がいます。
私がオープニングで入った時も、もちろんです。

しかし、リッツの支配人たちは、いわゆる支配人ぽくはない特徴を備えていました。

私の経験上、すごいな、と思ったこと。
それは、「支配人たちのフレンドリーさ」だったのです。

一緒に楽しむ支配人たち

ここのところ、何度か引用をさせていただいている四方氏ですが、氏は、リッツカールトン大阪の初代副総支配人です。

その四方氏が、こんなことを書かれています。

リッツ・カールトンの総支配人は、基本的に大変フレンドリーです。「おう、みんな元気かい」と、肩をたたきながら歩きます。
他のホテルにはなかった事です。
リッツ・カールトンのように、スタッフと近い場所で、ともに喜びを分かち合える。

四方氏は、そう思ってリッツ・カールトン大阪の日本人側のリーダー、初代、副総支配人になる決意をしたそうです。

この言葉、確かにその通りなんですよね。

私がリッツ在籍中に、リッツの大宴会場でリッツの従業員と従業員の家族を招いてのクリスマスパーティーが、盛大におこなわれました。
もちろん会費は会社持ちです。

なんと、その時、私にシャンパンを注いでサービスしていただいたのが、著者の四方氏。
屋台式のバーカウンターの中でカクテルを楽しそうに作っておられたあの時の顔は、今でもハッキリと覚えています。

さらに付け加えると、当時の総支配人のオクタビオ・ガマラ氏はというと、ハッピを着て鮨カウンター内で鮨を握り、スタッフ達に自身の握った鮨を振る舞っていました。
ガマラ氏の顔は、四方氏の楽しそうな笑顔と違って、完全な「どや!顔」。

リッツ・カールトンは世界有数のホテルです。
そして、当時のリッツ・カールトン大阪は、日本初のリッツです。

そこの総支配人・副総支配人は、こんな人たちだったんですね。
お二人の行動を見て「リーダーとは?」を、色々と学ばせていただきました。
とても感謝しています。

トップと二人きりの異例な環境も

他にも、当時、リッツでは総支配人と話がしたいと思えば、すぐに会って話をする事ができました。

リッツ大阪初代総支配人のジョン・ロルフス氏など、スタッフ達と混じって、喫煙所でタバコをふかし、缶コーヒーを飲んでいたほどです。
私も喫煙所で、私と総支配人の二人だけという場面に何度も遭遇しています。
私はタバコを吸わないのですが、自販機があるので何度も総支配人に缶コーヒーを奢っていただきました。

そして、彼はかならず笑顔で話しかけてくれました。
たいした話はしていません。

今考えると、なぜ質問攻めにしなかったのか、後悔先に立たずですが、このように、外に出て、直接スタッフと接して、という行動をとる方が支配人だったこともあり、リッツ大阪の一体感は非常に強かったように思います。

一般的なホテルマンなら、かならず羨ましがるような場面ですよね。
リッツの総支配人と二人きりでコーヒー飲むなんて。

まとめ

四方氏は言います。

リッツ・カールトンでは、総支配人と現場で働く人々が接し、トップができるだけ、現場からの声を聞きとれるような機会が豊富に設けられています。

総支配人ともなれば、非常に多忙です。
現場に出る時間も限られてくるはずです。

それでも、いかに現場の声を吸い上げるか。そして、さらに良いサービスを提供していく。

これもまた、クレドが浸透している素敵な例です。

クレド、導入してみませんか?

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