ラインナップは、他人の経験が自分の経験としてフィードバックされる仕組み/清水健一郎 クレドインタビュー 第8回
クレド、リッツ・カールトン関連のビジネス書で3万部突破のヒット
『社会人として大切なことはすべてリッツ・カールトンで学んだ(彩図社)』の作者、
清水健一郎氏に、クレドの作成、導入、また実際の運用や、会社、従業員、取引先、
そしてお客様や自分自身のプラスの変化など、クレドについて様々な視点からインタビューを行いました。
本からは得られない貴重なお話しをどうぞお楽しみください。
ラインナップは、他人の経験が自分の経験としてフィードバックされる仕組み
友松:トラブルについてはどう考えますか?
清水:トラブルは、レベルアップのための糧だとは考えていますが、
日々のトラブルやクレームは、できれば遭遇したくないと言うのが本音ですね。
友松:みんなそうですよね。
清水:ただ、クレドが機能しているリッツでは、ラインナップがありますから、
私以外にも、上司、同僚、後輩が、日々何らかのトラブルやクレームの対応をしているわけで、
翌日にはトラブルの内容や対応方法が共有されます。
つまり、ラインナップがあることで、他人の経験が自分の経験としてフィードバックされるわけです。
ですから、トラブルやクレームがイヤだなと思うことはあっても、次からは他のスタッフも対応できるし、
お客様を含め、イヤな思いをする人が減ると思えば、
トラブルによってモチベーションが下がることは無いですね。
友松:それは素晴らしいですね!
では、『ノー』と言わないサービスについても聞かせていただけますか?
清水:もちろん、無理なことは『ノー』と言いますよ。
でも、それもやり方なんですよ。
『ノー』と言わないサービスについて、おもしろいエピソードがあるのでお話ししますね。
私の同期が、お客様から『明石焼きが食べたい』と言われ、
その同僚は、大阪・新地まで行きまして、明石焼きを探して、探して、探して、
探し歩いたんですが、どうしても明石焼きを見つけることが出来なかったんですね。
そこで、同僚はお客様に、『たこ焼きならあります!!』とお伝えしたんです。
『ノー』とは言わずに、たこ焼きならと。
つまり、見つけられなかったという事実はあるのですが、それだけではなく代案をお客様にお伝えしたんです。
友松:それはいいですね!
ありませんでした、では終わらせない。いいですね!一生懸命に明石焼きを探したこともお客様に伝わったことでしょう。
明石焼きを頼んだお客様は、どうでした?
清水:よろこんでおられましたよ。
それから、もちろん『ノー』と言うこともあります。
どういうことかと言うと・・・。
リッツのモットーである、
紳士淑女をもてなす私達も紳士淑女です。というところ。
なかには、無理難題を言い、困らせようとする方もたまにいらっしゃるわけです。
ですから、そういった方には毅然とした態度で臨む場合もあります。
次号につづく
出演/清水健一郎
清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。
2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。
インタビュアー/友松はじめ
クレド勉強会 友松はじめ
勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる
現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中