著者:清水健一郎
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ベーシックの裏にかくれている意図を知る

クレド6ステップ導入マニュアルのステップ4のインタビュー記事を掲載しています。
ステップ3を導入することで、どんなメリットがあるのか。
そのあたりのことについて開発者の清水先生にインタビューしていきます。
クレド6ステップ導入マニュアルを購入後のクレド導入特に、組織の意識改革の参考にしてみてください。

今回から以前リッツ・カールトンのゴールド・スタンダードに掲載されていた20のベーシックについてインタビューを開始しました。

ベーシックの内容は従業員教育、特に新人教育にすばらしい効果を発揮する内容ばかりです。
清水先生は新卒でリッツ・カールトンに入社して身を持ってベーシックを体験、身につけた人なので、これからどんな内容がインタビューで引き出せるのかが楽しみです。

 

【友松】:さっそくですがベーシック3番です。

 

【清水】:ベーシック3番はリッツの3ステップです。

3.サービスの3ステップは、リッツ・カールトンのおもてなしの基本です。お客様と接するたびに、必ず3ステップを実践し、お客様に満足していただき、常にご利用いただき、ロイヤリティを高めましょう。

結論から言うと…
『どのようなサービスをお客様に提供したいですか?』
『その基本は何ですか?』

 

【友松】:これは、その意味で言うとベーシック3は普通の会社でもはずせないですよね。

 

【清水】:そうですね、はずせるベーシック、はずせないベーシックは経営者の方が後で選んだらいいと思います。

 

【友松】:そうか、だから意図を理解しておくことは大切ですね。

 

【清水】:その意図を理解した上でベーシックを作っていくときにはクレドと照らし合わせて作っていくといいですね。

 

【友松】:そうですね、ベーシックにだけに焦点をあてているとクレドを実現するためにベーシックがあることを忘れそうになります。
ではベーシック4番、従業員への約束です。
従業員への約束も有名ですね。

 

【清水】:ベーシック4番は従業員をどのように育てたいかという意図もありますが、WIN-WINの関係も表していると私は思っています。
従業員を育てて、最大限に能力を伸ばす、私の経験の話ですが…

ホテル業界は転職が多いんです。
しかしリッツの従業員は辞めない、リッツ大阪のオープニングスタッフだった仲間は順調に出世しています。

あの…、何が言いたいかといいますと、リッツにそういう人材に育成してもらったと私たちは思っているんです。
辞めない、出世する…リッツにいなくてもです。
つまりリッツに感謝しているということです。
ベーシック4番は、会社と従業員のWIN-WINの関係はどんなものなのか? ということを考えるキッカケになるものですね。

 

【友松】:出世できる従業員。育ててますよね。そういうことですね。

 

【清水】:そういう人に従業員を育てていますよね。

 

【友松】:ホテルにとって重要な人材に育てている。
ホテルもWINだし、出世してお給料も上がりますし、地位も名誉もついてきて従業員個人としてもWINですね。

 

【清水】:会社と従業員の関係でWIN-WINの関係とはどんな関係ですか? ということですね。

 

【友松】:ベーシックを作る会社の経営者がそれぞれの会社と従業員のWIN-WINを考えるキッカケになるのがベーシック4番ということですね。

 

【清水】:続いてベーシック5番です。

5.すべての従業員は、自分のポジションに対するトレーニング修了認定を受け、毎年、再認定を受けます。

慣れたころに失敗ってしませんか?
慣れてきたときに定期的にチェックをしたり修正したりする必要があるんですが、いきなり『おい、チェックするぞ』となってしまうと、いわれた従業員は『え?私の仕事の仕方に問題があるんですか?』ってなりますよね。

でも『定期チェックするよ』と最初から伝えておくと、『おい、チェックするぞ』といわれても『はい、チェックですね』と素直に応じられるじゃないですか。
ですから最初から定期チェックを決めておくといいんですね。

やはりブレてくるのが人間ですから、それを修正することも必要です。
会社の従業員の仕事の慣れとか、そこから生じてくる誤差とか、それを修正するためにこのベーシック5番の導入はいかがですか? ということなんですね。

 

【友松】:ありがとうございます。
ではベーシック6番をお願いします。

6.カンパニーの目標は、すべての従業員に伝えられます。これをサポートするのは、従業員一人一人の役目です。

 

【清水】:これはですね、経営者の方に質問するんですが…
「あなたの会社の目標は従業員全員に伝わっていますか?」
「その目標を達成するために従業員は全員サポートしてくれていますか?」
これを実現していくのがベーシック6番の役目で、目標を従業員全員に伝えて全員がサポートしてくれるようにするのがベーシック6番です。

たとえば、入社1ヶ月くらいの従業員に『この会社の目標はなに?』と聞いたときに、私の場合ですとリッツ入社1ヶ月目のときには頻繁に聞かれました。
それで『この会社の目標は?』と質問して、入社1ヶ月目の従業員が『日本一のホテルになることです』と胸をはって言う。
そして『このホテルは日本一になるためにどんなことをしているの?』と聞かれた場合でも、会社は日本一になるために様々な取り組みをしている。

その取組の中で…
「入社1ヶ月ですから仕事が終わった後に先輩から仕事を教わっています」
「お客様が使うグラスはキレイに磨き上げています」
「小さな仕事ですがこれも日本一になるための仕事だと思っています」

なんて言われたら、いい会社だなって思うじゃないですか。
入社1ヶ月の従業員も会社の目標をになっているんだと意識させるためにベーシック6番は必要だと私は思います。

 

【友松】:ありがとうございます。

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。
今回のステップ4のインタビューはいかがでしたか?

目に見えている、読める部分だけだとわからないことも実際に体験して意図を理解している人から意図を含め経験もあわせて聞けると理解も進みますね。

次回からはベーシック7番です。
お楽しみに!

 

《つづく》

 

 

出演/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。

リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

 

インタビュアー/友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。

本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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