著者:友松はじめ
Pocket
LINEで送る

クレド、リッツ・カールトン関連のビジネス書で3万部突破のヒット

社会人として大切なことはすべてリッツ・カールトンで学んだ(彩図社)』の作者、

清水健一郎氏に、クレドの作成、導入、また実際の運用や、会社、従業員、取引先、

そしてお客様や自分自身のプラスの変化など、クレドについて様々な視点からインタビューを行いました。

本からは得られない貴重なお話しをどうぞお楽しみください。

 

新人が短期間でベテランスタッフになるラインナップというクレドの仕組み

清水:明確な答えを持っているかどうかでしょう。臨機応変の対応をするには、いろんな方法をもっていないと対応できないじゃないですか?

あと、たくさんの経験から導かれる答えをどれだけ持っているか?になりますね。

ですから、中堅のスタッフなんかは、方法も経験も積んでいますから、臨機応変の対応が意識しなくても出来るわけですよ。

でも、新人がそこまで育つまで待っていられないじゃないですか?

 

じゃあ、どうするのか?

その現場をイメージするんです。その場所はラインナップです。

○○部の○○さんが、先日お客様にこのような対応をしました。大変すばらしいですね!

私たちの部署でも、これから同じような対応をしていきましょう。

 

ただ、○○部は○○な部署ですから、私たちの部署ではどうやったらできますか?と

ラインナップで話し合うんです。

 

では、こうしましょう。で、1つ対応方法ができました。

ホテルなので、1日、ちがうメンバーで3回はラインナップするんですね。

ですから、各グループで対応方法の答えを出すんです。

 

最後に、各グループの一番良い答えを引き帳に書いて、次のグループにまわすんです。

引き続き帳を読んで、理解しました、実践しますという確認のためにハンコを押すんです。

 

ハンコを押していない場合は、読んでいないのか、反対意見があるのかという意味になります。

 

ハンコを押すということは、読みました、という意味の他に、

実践しますという意思表示なんです。

こんなシステムをとっていました。

 

友松:経験をしなくても、いくつものシュミレーションができるということですね?

 

清水:そうです、そうです。だからいきなり、未経験の場面に遭遇しても、

ラインナップでたくさんの対応方法を教えてもらえているので、新人でも慌てずにすぐ実践が可能なんです。

 

友松:レストランのマネージャーが主人公のクレド本を読んだことがあって、スタッフがいちいちマネージャーに聞いてくるというレストランなんですが・・・。

 

清水:もちろん新人のスタッフは聞いてきます。それは仕方ないです。

経験のある中堅スタッフは、自分で判断して仕事をします。

新人スタッフへは、聞いてくる前にすべての指示を出しています。

 

新人スタッフも慣れてきたら、

「Aさん、アレ!アレ!アレ!」

「分かりました!アレですね!」と意思疎通もできるようになります。

 

まぁ、ゼロではないですが、先ほども触れましたが、クレドを導入ラインナップを導入しますからね。

新人スタッフの成長も早いですし、いちいち聞いてくることは少なくなっていきます。

 

テーブルクロスひとつとっても、自分たちで工夫もしますし、スタッフそれぞれでバラバラなことを考えている場合もあります。

そこでは、あいつのやり方はこうだけど、ちゃんとやっているからそれでいい。

そして、自分のやり方はこうだけど、これはこれでちゃんとできている。これで行こう。とかですね。

 

ですから、よっぽどおかしいことをしていない限りは、否定はしません。認めます。

クレドがあって、クレドの浸透、仕事への取り組みもラインナップでディスカッションしていますから、やり方はそれぞれバラバラであっても、ゴールはぶれない。

つまり、結果は一緒になるわけです。

 

また、新人スタッフは、この先輩は、こういう方法で、こういう結果を出している。

あの先輩は、こういう方法で、こういう結果を出して、お客様によろこんでもらっている。

方法はひとつじゃない、結果もひとつじゃない。

ただひとつの結果は、お客様がよろこんでくれるという結果につながっています。

 

ですから、『これ』と決めてしまうと、できる方法は少なくなってきますよね。

だから、ゴールはどこか?と明確に持っているので、A・B・Cと方法はいろいろあるけれど、結果はお客様によろこんでいただける。

 

A・B・C・D・E・F・Gと、どれだけたくさんのアイデアを持っているかで、臨機応変の対応が可能になってきます。

『うちの店は、Aはだめだ!Bもだめだ! Cの対応をする』

となると、臨機応変な対応は、なかなか難しくなってきますし、なによりもスタッフが育っていきませんから。

 

友松:ゴールがブレないなら、方法は何でもいい。これなら、引き出しの多いスタッフが育ちますね!今お話しいただいたことは、エンパワーメントですね?

 

清水:はい。エンパワーメントです。自分で考えて、自分で行動することですね。

 

次号につづく

 

 

出演/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。

リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

インタビュアー/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

  • このエントリーをはてなブックマークに追加