著者:友松はじめ
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クレド、リッツ・カールトン関連のビジネス書で3万部突破のヒット

社会人として大切なことはすべてリッツ・カールトンで学んだ(彩図社)』の作者、

清水健一郎氏に、クレドの作成、導入、また実際の運用や、会社、従業員、取引先、

そしてお客様や自分自身のプラスの変化など、クレドについて様々な視点からインタビューを行いました。

本からは得られない貴重なお話しをどうぞお楽しみください。

 

ザ・リッツ・カールトン・ミスティーク

友松:清水先生、クロストレーニングについての興味深いお話しをありがとうございました。

では、私が個人的にも興味のある『ザ・リッツ・カールトン・ミスティーク』について、清水先生にお話しを伺っていきたいと思います。

 

サービスに携わっている者なら、お客様によろこんでもらいたい、良い関係を作りたいと考えているはずです。私も通信販売の会社ではずっと、どうしたらお客様がよろこんでくれるか、繰り返し利用してくれるかと考えていました。

 

そういったお客様に感動をあたえ、絆を深めることができる、『ザ・リッツ・カールトン・ミスティーク』は、私もふくめ、みんなが憧れるサービスのシステムだと思います。

清水先生は実際にリッツ・カールトンの現場で、『ザ・リッツ・カールトン・ミスティーク』を実践してきていますので、書籍ではうかがい知れない深いお話しが聞けると思ってとても楽しみにしていました。

 

清水:言葉だけで説明すると、ザ・リッツ・カールトン・ミスティークは、お客様も気づいていなかったニーズを叶えることです。

私は甘いものが好きで、一緒にアイスコーヒーを一緒に飲むんです。

例えば妻に、「アイスコーヒーちょうだい」と言うと、アイスクリームを一緒に持ってきてくれるとか。(笑)

 

友松:(笑)

林田さんの本(リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと/林田正光(著))に、

  • 客室に入って、冷蔵庫を開けたら、最前列にコーラが並べられていた。うれしいけど、私がコーラ好きというのを何故知っているんだ?
  • 夫婦で宿泊する予定で妻と別々にチェックインになってしまって、急いでロビーに入るとドアマンが「奥様は先にチェックインなさっておられます」と教えてくれて、すごく気がきいているなと思ったが、後から考えてみるとなぜ私の妻を知っているんだ?

なんてザ・リッツ・カールトン・ミスティークのエピソードが書かれていました。

 

清水:うん。それです。それです。

なぜだろう?という気持ちを持つと記憶に残りますよね。

 

友松:残りますよね。

では、その『なぜだろう?』と思わせる情報って、どうやって得ているんですか?

また、どんな気持ちで『ザ・リッツ・カールトン・ミスティーク』をやっていたのですか?

 

清水:どんな気持ちでですか・・・。

先ほどクロストレーニングのときにも言いましたが、何というか普通すぎて、特別に想いをもってやっていた気がしないんですよね。

当たり前すぎて。

 

友松:ザ・リッツ・カールトン・ミスティークをやることが当たり前ということですか?

 

清水:そうです。そうです。

ですから、ミスティークな情報はずっとアンテナを張っていました。自然に。意識せずに。

 

ベルボーイがよく言っていたのは、ベルボーイがお客様をお部屋までご案内するときに、ずっと会話をし続けるんです。

そして、他のスタッフがとにかくベルボーイから情報を聞き出そうとします。

お客様の情報を一番引き出せるのはベルボーイです。

ベルボーイが得た情報は、スタッフ全体に拡散します。

 

友松:どんなふうに?

 

清水:たとえば、そのお客様が今日お誕生日なら、その情報がマネージャーに伝わり、マネージャーから厨房のスタッフに情報が伝わります。

今日このお客様がお誕生日です。

お客様からは直接ご連絡はいただいておりませんけれども、ホテルからお祝いをするのでご協力お願いしますね。という感じですね。

 

友松:情報共有のためにレシーバーを使い始めたというお話しを以前伺いましたが、あのレシーバーもザ・リッツ・カールトン・ミスティークの重要なツールのように思います。

レシーバーの活用はどのようにされていたのですか?

 

清水:これは、ドアマンがお客様を出迎え、荷物を取り扱うときに荷物に名前のタグがついていたら、ドアマンがレシーバーで「今から●●様が入られます。ご夫婦です。よろしくお願いします。」とこういう風に言うと、待ってましたとばかりに「●●様、●●様」とお名前でお呼びするわけです。

 

お荷物にお名前が無い時は、スタッフから自己紹介して聞き出します。

「いらっしゃいませ。本日はお越しいただきありがとうございます。ドアマンの●●でございます。」

と、こちらから自己紹介するとお客様がお名前をおっしゃってくれることが多いです。

 

友松:では、リッツ・カールトンではみなさん、そういうことが自然にできてしまうわけですね?

 

清水:でもですね、無意識なんですよ。みんなそんなに意識していないんですよ。

これをしないといけないとか、これをしたら良いサービスになるだろうとかですね。

 

友松:息を吸うように自然にやれている?

 

清水:そうそう。

 

どうしてみんなお客様にたいして無関心なんだろう?

友松:やっていることと結果の落差がすごいですね。

スタッフは自然に、当たり前に、たんたんとサービスしていても、そのサービスを受けるお客様の喜び方がスゴイと感じました。

 

清水:確かにそうですね。

当たり前にやっていたザ・リッツ・カールトン・ミスティークなのですが、リッツを卒業して、ホテルや飲食店に関わらせてもらうようになってから、どうしてみんなお客様にたいして無関心なんだろう?と思いましたね。

友松:そこは、とても大切なポイントのような気がしますね。

 

次号につづく

 

 

出演/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。

リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

 

インタビュアー/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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