効率化の他、問題発見と問題改善の効果があるメソッドMR.BIV(ミスタービブ)/清水健一郎 クレドインタビュー 第13回
クレド、リッツ・カールトン関連のビジネス書で3万部突破のヒット
『社会人として大切なことはすべてリッツ・カールトンで学んだ(彩図社)』の作者、
清水健一郎氏に、クレドの作成、導入、また実際の運用や、会社、従業員、取引先、
そしてお客様や自分自身のプラスの変化など、クレドについて様々な視点からインタビューを行いました。
本からは得られない貴重なお話しをどうぞお楽しみください。
効率化の他、問題発見と問題改善の効果があるメソッドMR.BIV(ミスタービブ)
友松:MR.BIV(ミスタービブ)について教えて下さい。
清水:MR.BIV(ミスタービブ)の言葉の意味ですが、まずは、
スタッフ一人一人が無意識のうちに意識していること、もっと突っ込んだ言い方をすると
職業病のように意識しているものだと思います。
MR.BIV(ミスタービブ)とは、効率化の他、問題発見と問題改善の効果があるメソッドです。
常日頃から意識していれば、改善点は見つけられると思うのですが、
その改善点を細かく具体的に意識できるようにするメソッドがMR.BIV(ミスタービブ)なのです。
MR.BIV(ミスタービブ)
M=ミス(Mistakes)
R=リバーク・やり直し(Rework)
B=ブロークンダウン・破損(Breakdowns)
I=インフィデンス・非効率(Inefficiencies)
V=バリエーション・ばらつき(Variation)
友松:MR.BIV(ミスタービブ)は、問題発見や問題解決のためのキーワードの頭文字だったんですね。
清水:そうです。そうです。(^-^)
MR.BIVは、私のセミナーでもよく紹介するものなんです。
友松:では、リッツのスタッフは、このMR.BIVの意味を頭に入れて、
失敗したときにMR.BIVを思い出して改善しているのですね?
清水:いえ、違います。むしろ、失敗する前ですね。
ラインナップ中のやりとりを例に説明すると、
「今日読み上げるゴールドスタンダードはミスタービブです」
「では清水さん、ミスタービブの頭文字を全部説明して下さい。」
指名されたスタッフは、
M=ミス(Mistakes)
R=リバーク・やり直し(Rework)
B=ブロークンダウン・破損(Breakdowns)
I=インフィデンス・非効率(Inefficiencies)
V=バリエーション・ばらつき(Variation)
と、MR.BIV(ミスタービブ)の意味を読み上げていきます。
そして、ラインナップリーダーは、
「ホテル内に問題点、つまりMR.BIV(ミスタービブ)はないか、
つねにホテルの隅々まで注意を払いましょう。」
「ミスをしないか、やり直しをしなくて済むのか、非効率や破損やばらつきが無いのか、
ホテル内に問題は無いのか注意を向けて、あなたたちは仕事をしていますか?」
という質問を、指名されたラインナップの発表者はされるわけです。
そして、
具体的に、どんなMR.BIV(ミスタービブ)をしているかを発表します。
すると、ラインナップリーダーから、
「では、具体的に何をしましたか?教えて下さい。」
と言われ。
この時点で、けっこうやり直しが多い場合があるんですけどね。
例えば、(スタッフ=以下ス、リーダー=以下リ)
ス:「グラスが汚れています。」
リ:「はい、拭き直し。」
ス:「掃除ができていません。やったつもりでいました。」
リ:「はい、やり直し。」
リ:「これって、リバークですよね?」
リ:「では、グラスが汚れたままというのは何が原因だとあなたは思いますか?」
ス:「それは、グラスを拭く布が汚れていたので、たぶん拭いても意味が無かったのだと思います。」
リ:「では、それをどうしたらいいですか?」
ス:「それは、ランドリーに新しい布に取り替えてもらいます。」
リ:「では、今言ったことを、引き継ぎ帳に、もし汚れているトーション(グラスを拭く布)が
汚れていたらランドリーに交換してもらうように、その日のグラスを拭く担当の人は、
グラスを拭く前にトーションをチェックして下さい。」
という内容を引き継ぎ帳に記入します。
これを行うことで、リバーク・やり直し(Rework)がなくなりますよね。
このようなことを一つひとつ解決するまで質問して、
もしみんなで共有しなければいけないのであれば、引き継ぎ帳に記入する。
というようにしていました。
ですから、いつのまにか、
みんなで非効率な事は無いか、ばらつきは無いか、破損を減らすにはどうしたらいいか、
やり直しを無くすにはどうしたらいいか、というところに意識を向けられますし、
ずっと効率化の他、問題発見と問題改善に意識を向けることができます。
これはもう、本当に真剣に追求していきますから、
つまるところ、これは職業病ですね。^^;
次号につづく
出演/清水健一郎
清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。
2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。
インタビュアー/友松はじめ
クレド勉強会 友松はじめ
勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる
現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中