ベーシック1はどんな内容にしたらいいのか?/ クレドサクセス実践ブログ(インタビュー)
クレドサクセス実践会のベーシック作成を行った時の清水先生とのディスカッションを記事にしました。ライブ感覚で、クレドやベーシックが出来上がっていく様子を体感してください!
清水:クレドが出来たところで、宿題です。
ベーシックを作ってください。いくつでもかまいません。
たとえば、どんなベーシックが出てきます?
友松:うーん。ベーシックって言ったら…
こういうことやります、ああいうことやります、という…
清水:具体的なものが出てくるでしょう?
では、リッツ・カールトンのベーシックを送りますので見てください。
ザ・リッツ・カールトン・ベーシック
1.クレドは、リッツ・カールトンの基本的な信念です。全員がこれを理解し、自分のものとして受けとめ、常に活力を与えます。
2.私たちのモットーは、「We are Ladies and Gentlmen Serving Ladies and Gentlmen」です。私たちはサービスのプロフェッショナルとして、お客様や従業員を尊敬し、品位を持って接します。
3.サービスの3ステップは、リッツ・カールトンのおもてなしの基本です。お客様と接するたびに、必ず3ステップを実践し、お客様に満足していただき、常にご利用いただき、ロイヤリティを高めましょう。
4.「従業員への約束」は、リッツ・カールトンの職場環境の基盤です。すべての従業員がコレを尊重します。
5.すべての従業員は、自分のポジションに対するトレーニング修了認定を受け、毎年、再認定を受けます。
6.カンパニーの目標は、すべての従業員に伝えられます。これをサポートするのは、従業員一人一人の役目です。
7.誇りと喜びに満ちた職場を作るために、すべての従業員は、自分が関係する仕事のプランニングに関わる権利があります。
8.ホテル内に問題点(MR BIV)がないか、従業員一人一人が、いつもすみずみまで注意を払いましょう。M(mistake)ミス R(rewark)やり直し B(broken-down)破損 I(inefficiently)非効率 V(variety)ばらつき
9.お客様や従業員同士のニーズを満たすよう、従業員一人一人には、チームワークとラテラルサービスを実践する職場環境を築く役目があります。
10.従業員一人一人には、自分で判断し行動する力が与えられています。(エンパワーメント)。お客様の特別な問題やニーズへの対応に自分の通常業務を離れなければならない場合には、必ずそれを受けとめ、解決します。
11.妥協のない清潔さを保つのは、従業員一人一人の役目です。
12.最高のパーソナル・サービスを提供するため、従業員には、お客様それぞれのお好みを見つけ、それを記録する役目があります。
13.お客様を一人として失ってはいけません。すぐにその場でお客様の気持ちを解きほぐすのは、従業員一人一人の役目です。苦情を受けた人は、それを自分のものとして受けとめ、お客様が満足されるよう解決し、そして記録します。
14.いつも笑顔で。私たちはステージの上にいるのですから。」いつも積極的にお客様の目を見て応対しましょう。お客様の目をみて応対しましょう。お客様にも、従業員同士でも、必ずきちんとした言葉づかいを守ります。(「おはようございます。」「かしこまりました。」「ありがとうございます。」など)
15.職場にいる時も出た時も、ホテルの大使であるという意識を持ちましょう。いつも肯定的な話し方をするよう、心がけます。何か気になることがあれば、それを解決できる人に伝えましょう。
16.お客様にホテル内の場所をご案内する時には、ただ指さすのではなく、その場所までお客様をエスコートします。
17.リッツ・カールトンの電話対応エチケットを守りましょう。呼び出し音3回以内に、「笑顔で」電話を取ります。お客様のお名前を出来るだけお呼びしましょう。保留にする場合は、「少しお待ちいただいてよろしいでしょうか?」とおたずねしてからにします。電話の相手の名前をたずねて、接し方を変えてはいけません。電話の転送はなるべく避けましょう。
18.自分の身だしなみには誇りを持ち、細心の注意を払います。従業員一人一人には、リッツ・カールトンの身だしなみ基準に従い、プロフェッショナルなイメージを表す役目があります。
19.安全を第一に考えます。従業員一人一人には、すべてのお客様と従業員に対し、安全で、事故のない職場を作る役目があります。避難、救助方法や非常時の対応すべてを認識します。セキュリティに関するあらゆる危険な状況は、ただちに連絡します。
20.リッツ・カールトン・ホテルの資産を守るのは、従業員一人一人の役目です。エネルギーを節約し、ホテルを良い状態に維持し、環境安全につとめます。
これを見ていただくと分かるんですが、
クレドは、リッツ・カールトンの基本的な信念です。全員がこれを理解し、自分のものとして受けとめ、常に活力を与えます。
ベーシックの第1条として、私はこのような項目を入れたほうがいいと思っているんです。
どういうことかと言うと、リッツ・カールトンベーシック1番といっしょです。
例えば、『毎日1回、クレドを読み返します』とか。
そして、『悩んだ時、迷った時は、必ずクレドに立ち返って、考えて判断します』とか。
こういうことをベーシックの1番には書いたほうがいいと。
それは、作ったクレドやビジョンやミッションを絶えず意識して、ずっとコミットしますよ。ということをベーシックの1番にまず、持ってくることがいいと私は思います。
友松:私もそう思いました。
《つづく》
【編集後記】
クレドを研究している友松です。
本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?
ベーシックの具体的な作成の話に入っています。
今回は、ベーシック1です。
清水先生が在籍していた当時のリッツ・カールトンのベーシックは全部で20番まであります。
リッツ・カールトンのように20番まで作る必要は、もちろんありません。
ただ、1番から20番まで、どんな意味があって、どんな使われ方をしていて、スタッフの教育や日々の業務にどんな影響があったかなど、今からインタビューの中で明らかになってくるのですが、これがまた、書かれていることだけを読んでも、理解できるのは表面だけなんですよね。
リッツ・カールトンのクレドは、どんなにも素晴らしいものかと思ったら、
ぜんぜん、たいした事ないじゃないか。
こんなの、あたりまえの事だ。ガッカリした。
と感じる人もいますが、これが大きなポイントですね。
クレドが活かせるか、活かせないかの大きな分かれ道です。
ランチェスター戦略の竹田陽一先生の講義を受講して、
受講後食事に誘ってもらった時に、
「戦略ってのはね、見えないものなんだよ」
と教えていただきました。
見えないんですよ。本当に。
私は、それが分かっているから、リッツ・カールトンは、希望者に、その人が競合のホテル関係者であっても、クレドカードをあげていたのだろうなと思いました。
もちろん、理由は他にもあるでしょうけど。
出演/清水健一郎
清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。
2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。
インタビュアー/友松はじめ
クレド勉強会 友松はじめ
勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる
現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中