著者:友松はじめ
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クレド、リッツ・カールトン関連のビジネス書で3万部突破のヒット

社会人として大切なことはすべてリッツ・カールトンで学んだ(彩図社)』の作者、

清水健一郎氏に、クレドの作成、導入、また実際の運用や、会社、従業員、取引先、

そしてお客様や自分自身のプラスの変化など、クレドについて様々な視点からインタビューを行いました。

本からは得られない貴重なお話しをどうぞお楽しみください。

 

効率化の他、問題発見と問題改善の効果があるメソッドMR.BIV(ミスタービブ)

 

友松:MR.BIV(ミスタービブ)について教えて下さい。

 

清水:MR.BIV(ミスタービブ)の言葉の意味ですが、まずは、

スタッフ一人一人が無意識のうちに意識していること、もっと突っ込んだ言い方をすると

職業病のように意識しているものだと思います。

 

MR.BIV(ミスタービブ)とは、効率化の他、問題発見と問題改善の効果があるメソッドです。

 

常日頃から意識していれば、改善点は見つけられると思うのですが、

その改善点を細かく具体的に意識できるようにするメソッドがMR.BIV(ミスタービブ)なのです。

 

MR.BIV(ミスタービブ)

M=ミス(Mistakes)

R=リバーク・やり直し(Rework)

B=ブロークンダウン・破損(Breakdowns)

I=インフィデンス・非効率(Inefficiencies)

V=バリエーション・ばらつき(Variation)

 

友松:MR.BIV(ミスタービブ)は、問題発見や問題解決のためのキーワードの頭文字だったんですね。

 

清水:そうです。そうです。(^-^)

MR.BIVは、私のセミナーでもよく紹介するものなんです。

 

友松:では、リッツのスタッフは、このMR.BIVの意味を頭に入れて、

失敗したときにMR.BIVを思い出して改善しているのですね?

 

清水:いえ、違います。むしろ、失敗する前ですね。

ラインナップ中のやりとりを例に説明すると、

 

「今日読み上げるゴールドスタンダードはミスタービブです」

「では清水さん、ミスタービブの頭文字を全部説明して下さい。」

指名されたスタッフは、

 

M=ミス(Mistakes)

R=リバーク・やり直し(Rework)

B=ブロークンダウン・破損(Breakdowns)

I=インフィデンス・非効率(Inefficiencies)

V=バリエーション・ばらつき(Variation)

と、MR.BIV(ミスタービブ)の意味を読み上げていきます。

 

そして、ラインナップリーダーは、

「ホテル内に問題点、つまりMR.BIV(ミスタービブ)はないか、

つねにホテルの隅々まで注意を払いましょう。」

 

「ミスをしないか、やり直しをしなくて済むのか、非効率や破損やばらつきが無いのか、

ホテル内に問題は無いのか注意を向けて、あなたたちは仕事をしていますか?」

 

という質問を、指名されたラインナップの発表者はされるわけです。

 

そして、

具体的に、どんなMR.BIV(ミスタービブ)をしているかを発表します。

 

すると、ラインナップリーダーから、

「では、具体的に何をしましたか?教えて下さい。」

と言われ。

この時点で、けっこうやり直しが多い場合があるんですけどね。

 

例えば、(スタッフ=以下ス、リーダー=以下リ)

ス:「グラスが汚れています。」

リ:「はい、拭き直し。」

 

ス:「掃除ができていません。やったつもりでいました。」

リ:「はい、やり直し。」

 

リ:「これって、リバークですよね?」

リ:「では、グラスが汚れたままというのは何が原因だとあなたは思いますか?」

 

ス:「それは、グラスを拭く布が汚れていたので、たぶん拭いても意味が無かったのだと思います。」

リ:「では、それをどうしたらいいですか?」

ス:「それは、ランドリーに新しい布に取り替えてもらいます。」

 

リ:「では、今言ったことを、引き継ぎ帳に、もし汚れているトーション(グラスを拭く布)が

汚れていたらランドリーに交換してもらうように、その日のグラスを拭く担当の人は、

グラスを拭く前にトーションをチェックして下さい。」

 

という内容を引き継ぎ帳に記入します。

これを行うことで、リバーク・やり直し(Rework)がなくなりますよね。

 

このようなことを一つひとつ解決するまで質問して、

もしみんなで共有しなければいけないのであれば、引き継ぎ帳に記入する。

というようにしていました。

 

ですから、いつのまにか、

みんなで非効率な事は無いか、ばらつきは無いか、破損を減らすにはどうしたらいいか、

やり直しを無くすにはどうしたらいいか、というところに意識を向けられますし、

ずっと効率化の他、問題発見と問題改善に意識を向けることができます。

 

これはもう、本当に真剣に追求していきますから、

つまるところ、これは職業病ですね。^^;

 

次号につづく

 

 

出演/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。

リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

インタビュアー/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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