クレド導入で感じられるいちばんの変化とは?/清水健一郎 クレドインタビュー 第5回
クレド、リッツ・カールトン関連のビジネス書で3万部突破のヒット
『社会人として大切なことはすべてリッツ・カールトンで学んだ(彩図社)』の作者、
清水健一郎氏に、クレドの作成、導入、また実際の運用や、会社、従業員、取引先、
そしてお客様や自分自身のプラスの変化など、クレドについて様々な視点からインタビューを行いました。
本からは得られない貴重なお話しをどうぞお楽しみください。
クレド導入と一貫性
友松:クレドを導入した時に、いちばん変化を感じるところは、ズバリ何でしょうか?
清水:それは、一貫性です。仕事に一貫性が出ます。クレドがあると。
クレドを導入してクレドが機能し始めたら、まずそれ(一貫性)を強く実感するでしょうね。
もしも、クレドが無いと、チグハグというか、一本スジが通っていないというか、そんな感じになります。
友松:社員がバラバラで悩んでいる中小企業の社長さんは多いですよ。私も実際、何人か知っています。チグハグになっていると感じたら、クレドを導入するというのは解決策のひとつですね。
清水:一貫性について、例えば、料理にこだわっているコックの人と話していて、ぜひお店に行ってみたいと思った方がいたんです。
しかし、その人のお店に行ってみたら、お店がものすごく汚い。
そこまでこだわってスゴイ料理をお客様に食べさせようとしているのに、なぜお店は汚いのだろう?料理のクオリティとお店の清潔のクオリティのバランスと言いますか、一貫性が無いんですね。イコールになっていない。
友松:では、クレド導入で、現場で働くスタッフの変化は?
清水:迷いが無くなります。
例えば、おしぼりひとつ出すにしても、シワがよっているのにお客様に出してしまうなど。クレドの導入で、これくらいなら良いだろう、これはダメだろうという基準ができるので、スタッフに迷いが無くなるんです。
迷いが無いということは無駄な事が無い、効率が良くなるので、いろいろとお店にとって良いことが起こりますよね。売上げアップなど。
クレド導入と臨機応変の対応
友松:スタッフがそうやって動くなら、上司、リーダーは嬉しいですよね?
清水:んー。善し悪しはありますよ。(笑)
私がまだ駆け出しのころ、カプチーノを提供するとき、お客様に楽しく飲んで欲しいので、しっかりと泡を作っていました。
でも、もし本当に忙しくなった時に対応できないようなら、逆にお客様をガッカリさせることにもなりかねないと先輩が心配したんでしょう。
ある日、
「そのカプチーノ、忙しいときにも対応できるの?」
「自身が無いなら、もうやるな。」
と注意されたんです。
先輩の言うことは理解できます。クオリティにこだわって、逆にお客様の期待を裏切ることになってしまってはいけません。
ただ、先輩からの注意は、もちろん真摯に受けとめたあと、やり方次第で解決できるのではないかと思い、いろいろと工夫してみると、忙しい時でも、いつものカプチーノが出せるようになったんです。
ただ、見ている先輩は心配ですよね。
そういった面で善し悪しですね。(笑)
友松:(笑)先輩のおっしゃることもよく分かるし、清水先生が工夫して美味しいカプチーノを出せるようにしたというのも分かります。
でも、普通の会社だったら、先輩に注意されたら、止めちゃうんじゃないかなと思います。
クレドが機能していると、そんな日常の仕事の中でもプラスの改善が生まれるんですね。
友松:では、臨機応変の対応が出来るようになるには、何が必要ですか?
清水:明確な答えを持っているかどうかでしょう。臨機応変の対応をするには、いろんな方法をもっていないと対応できないじゃないですか?
あと、たくさんの経験から導かれる答えをどれだけ持っているか?になりますね。
ですから、中堅のスタッフなんかは、方法も経験も積んでいますから、臨機応変の対応が意識しなくても出来るわけですよ。
でも、新人がそこまで育つまで待っていられないじゃないですか?
じゃあ、どうするのか?
次号につづく
出演/清水健一郎
清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。
2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。
インタビュアー/友松はじめ
クレド勉強会 友松はじめ
勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる
現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中