サービスのプロとそうでない人たちの間に横たわる差とは?
サービスのプロと言われる人たちと、そうでない人たちの間には、どういった差があるのでしょうか。
あなたはどう考えますか?
私の恩師、林田さんは、著書「心のこもったおもてなしを実現するサービスの手帳」の中で、「私たちは小さな仕事にこそ、心をこめなければならない」と仰っています。
私もその通りだと思いますし、リッツ・カールトンでの修業時代、何度も何度も先輩、上司から言っていただきました。
例えば、膨大な数のグラスやシルバー(ナイフ、フォーク、スプーンなど)を拭き上げていると、
「グラスを拭き上げていると思うな、自分の心を拭き上げていると思って拭き上げろ、だから妥協するな。」
と、よく言われたものです。
山積みにされた当時のグラスの数は膨大で、見ると、それだけで心が折れそうになる事が本当に多かったと思います。
まさに、自分との戦い。
妥協して手を抜く事もできました。
しかし、毎日のラインナップ(リッツ式朝礼)で、上司からクレドについて質問され、ディスカッションしている私には、それができませんでした。
お客様への心のこもったおもてなしと
快適さを提供することを
もっとも大切な使命とこころえています。私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだ
そして洗練された雰囲気を
常にお楽しみいただくために
最高のパーソナルサービスと施設を提供することをお約束します。
リッツ・カールトンでお客さまが経験されるもの、
それは、感覚を満たす心地よさ、
満ち足りた幸福感
そしてお客様が言葉にされない
願望やニーズをも先読みしておこたえする
サービスの心です。
今考えれば、私の心を支えて、本当に小さな仕事でさえも妥協せず実行させてくれたのは、クレドたったと実感しています。
そして、クレドを私に浸透させていただきプロのサービスマンに育ててくれたのは、当時の上司であり、ラインナップでのクエスチョンとディスカッションでした。
林田さんは著書の中でいいます。
仕事の大半は、小さいことの連続で、それをいとわず、コツコツと続けていく人だけが、どの様にすればお客様に喜んでいただけるかというポイントをつかめるのです。
そして、お客様もそのような人にこそ仕事をお願いしたいと感じるのです。大きな仕事はだれもが心を込めようとします。しかし、小さな仕事にこそ心を込めることがプロには求められているのです。
本当に良い経験をいただいていたのだと、著書を読んでいて嬉しくなりました。