著者:清水健一郎
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ラテラルサービスの意図

はじめに
今回からクレド6ステップ導入マニュアルのステップ4のインタビューです。
ステップ3を導入することで、どんなメリットがあるのか。
そのあたりのことについて開発者の清水先生にインタビューしていきます。
クレド6ステップ導入マニュアルを購入後のクレド導入特に、組織の意識改革の参考にしてみてください。

【友松】:清水先生、今回もクレドインタビュー、よろしくお願いします。

 

【清水】:よろしくお願いします。

 

【友松】:今回はベーシック9番、ラテラルサービスについてです。

9.お客様や従業員同士のニーズを満たすよう、従業員一人一人には、チームワークとラテラルサービスを実践する職場環境を築く役目があります。

 

【清水】:ベーシック9番を説明するときには、まずラテラルサービスについて説明する必要があります。
ラテラルサービスというのは、ひとことで言うと部署間を超えたチームワークで実行できるサービスのことです。
すこしピンとこない方もいらっしゃるかもしれないので例をあげてみたいと思います。

宿泊しているお客様がいらっしゃるとします。
宿泊に関していえば宿泊の部門が担当ですが、お客様が「今日は記念日なのでお祝いのカクテルを作ってください」という要望があったとしたら、宿泊のスタッフではカクテルを作ることができませんよね。

バーテンダーに相談しなければいけませんが、バーテンダーにはルームサービスというスキルはありません。
だからルームサービスとフロントとバーテンダーがチームを組んでお客様の部屋でカクテルを作る方法を考えるわけですね。

 

【友松】:ラテラルサービスじゃないとムリですね。

 

【清水】:ラテラルサービスじゃないと、ちょっとムリなんです。
カクテルを作るのでも、できればお客様と会話をしながら、どんな記念日なのか、アルコールは大丈夫なのかとか、記念日にあわせてカクテルにメッセージ性を持たせたほうがいいのかなど、お客様と会話をしながらカクテルを作るんですね。

だからバーカウンターにきていただいているのと同じような状況にしたいのですが、お部屋の中では厳しいですよね。
そのような場合、バーテンダーはなるべくたくさんのお酒やジュース、そして道具を持ち込みたいわけです。
氷も持っていきたいし、ジュースも冷やしておきたい。

そういうのをルームサービスにお願いして、お部屋まで必要なものを持ってきてもらうように動いてもらうんです。裏方として。

ですから、お客様のニーズを満たすためには、従業員同士のニーズをまず満たすことからはじめないといけないんです。

 

【友松】:なるほどー! ベーシック9番には『従業員同士のニーズを満たす』って書いてありますね。

 

【清水】:だからバーテンダーが何を求めているのかっていうのをルームサービスのスタッフは考えるし、バーテンダーのニーズを満たすように動くんです。
ルームサービスのスタッフもできるだけバーテンダーにお客様の情報を伝えておく必要があります。

たとえば、
お酒は飲めるのか
強いお酒は大丈夫なのか
とかですね。

そしてバーテンダーも、自分の道具を運ぶためにエレベーターを占領したらいけないので、一回で運べるように計画をたてておかないとダメなんですよ。
ルームサービスもバーテンダーもお互いのニーズを満たすように考えないとラテラルサービスはうまくいかないですよね。

それにお互いがストレスをためてしまうと仕事がやりにくいじゃないですか。
お客様の情報が少ないとか道具運びを何度もさせられるなんてことになるとストレスがたまって、もうラテラルサービスなんてしたくないってことになりかねません。
でも、お互いのニーズを満たしてサービスがバシッと決まれば、またやってみたいと思うじゃないですか。

ラテラルサービスをおこなって、レポートを書いて提出をするのですが翌日みんなに共有されます。
ワオ・ストーリーとまではいきませんが、ちゃんとインフォメーションされるんです。

昨日はお客様にこんなサービスをしました。
みなさんもこんなときはこんなふうにしてください。とか。
ガンダムが戦えば戦うほど強くなるみたいな、そんな感じなんですよね。

 

【友松】:お客様のニーズは当然としても、従業員同士のニーズを満たすというのは私は盲点だったなと思います。
すごいな9番。

 

【清水】:日頃のコミュニケーションってとても大事なんです。
たとえばルームサービスのスタッフの友人と会話をしていると必ずお互いの部署の話になります。
そうするとお互いの状況がなんとなく分かるようになります。
ルームサービスはこの時間帯が忙しいのかとか、こういう仕事がたくさん入るのかとか、エレベーターはこういうふうに使っているんだなとか。

だから日頃のコミュニケーションもすごく大切です。
日頃から仲良くなっておくと、いざラテラルサービスのときには彼らのためにもがんばろうという気持ちにもなります。

 

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。
今回のステップ4のインタビューはいかがでしたか?

ベーシック9番のラテラルサービスですが、従業員のニーズを満たすって何?
と思っていましたが、今回のインタビューでそれがよくわかりました。

次回もお楽しみに!

《つづく》

 

 

出演/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。

リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

 

インタビュアー/友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。

本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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