著者:清水健一郎
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サービスの基礎をつくる20のベーシック/クレド6ステップ導入マニュアルステップ4

はじめに
クレド6ステップ導入マニュアルのステップ4のインタビュー記事を掲載しています。
ステップ3を導入することで、どんなメリットがあるのか。
そのあたりのことについて開発者の清水先生にインタビューしていきます。
クレド6ステップ導入マニュアルを購入後のクレド導入特に、組織の意識改革の参考にしてみてください。

今回から以前リッツ・カールトンのゴールド・スタンダードに掲載されていた20のベーシックについてインタビューを開始しました。
ベーシックの内容は従業員教育、特に新人教育にすばらしい効果を発揮する内容ばかりです。
清水先生は新卒でリッツ・カールトンに入社して身を持ってベーシックを体験、身につけた人なので、これからどんな内容がインタビューで引き出せるのかが楽しみです。

 

【友松】:清水先生今回もよろしくお願いいたします。

 

【清水】:こちらこそよろしくお願いいたします。

 

【友松】:今回からのインタビューは「20のベーシック」についてです。
私も20冊以上クレドやリッツ・カールトン関係の本を読ませていただきましたが、かならずといってもいいほど紹介されていたのが「ベーシック」でした。
今私たちが販売しているクレド6ステップ導入マニュアルのステップ4の中で作り方を解説しているベーシックについて、ベーシックの意図や導入の効果などについて深堀りして伺っていきたいとおもいますのでどうぞよろしくお願いします。

 

【清水】:こちらこそ。

 

【友松】:さっそく冒頭、私から清水先生に質問があるんですが、クレドを作りますよね。
それで普通は終わりだと思うんですがベーシックというものを20個もつくる、つくっていることに疑問を感じる人も多いと思います。

クレドをつくったらすべてうまくいくと思いがちなのですが、なぜここでベーシックというわけのわからないものを作る必要があるのか?

「クレドだけでいいじゃないか、なんだこのベーシックというのは?」
と感じている人たちのためにベーシックが必要な理由をまず最初にカンタンに教えていただけますか?

 

【清水】:はい。わかりました。
クレドに書いてあることを実現しようとしたときに、具体的になにをすればクレドに書いてあることが実現できるのか、それをサポートするものがベーシックだと私は思っていたのですが…。
クレドってあらためて読み返してみると、すごくザックリとしていませんか?

もちろんザックリでいいんです。
そしてザックリとした内容にたいして何をしたらいいのか、これを従業員一人ひとり考えてもなかなか出てくるものではないんですね。

例えばクレドを完璧に実現するというゴールがあったとします。
そして途中で道に迷わないための道標、といいますか案内が必要だと思っていてベーシックはまさにそれだなと思っています。

 

【友松】:クレドは中小企業や個人店がクレドをつくる場合、社是・社訓・経営理念はむずかしすぎて従業員が活かせない。
社是・社訓・経営理念を活かせるようにするのがクレドだと以前清水先生がおっしゃっていたと記憶しています。

そのクレドをさらに理解しやすく使いやすくするためのものがベーシックということでいいんでしょうか?

 

【清水】:はい。
例えばリッツ・カールトンのクレドの中に

私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだ、そして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。
(リッツ・カールトンの公式サイトより引用)

と書いています。
では最高のパーソナル・サービスや施設というのはどういうものかという話になると思考がストップしてしまうところがあると思うんですね。

たとえば「施設」と書いてあるので、ベーシックの11番、
《 妥協のない清潔さを保つのは、従業員一人一人の役目です 》
というのがクレドの「施設」をサポートしていると思うんですね。

だからその前に書いてあった「最高のパーソナル・サービス」の場合はベーシックの9番、
《 お客様や従業員同士のニーズを満たすよう、従業員一人一人には、チームワークとラテラルサービスを実践する職場環境を築く役目があります 》

ラテラルサービスとは、部署間を超えたチームワークによって生み出されるサービスですね。
つまりクレドに書いてある最高のパーソナル・サービスというのがベーシックの9番に書いてあるラテラルサービスなんですよ。

ラテラルサービスはどうやったらできるんですか?
ということで従業員に考えさせる、ディスカッションさせるというのがベーシックです。

 

【友松】:そうなんですね。

 

【清水】:ベーシックは働くための土台にをつくるものです。
当時のリッツ・カールトンは若い子が多かったですから、従業員のレベルの底上げを考えたときに、大切なのがいかにわかりやすく若い子たちを教育するかなんですね。
理解できたと思っていても理解できていないことのほうが多いですから。

 

【友松】:若い子は経験が足りない…語彙力や経験の問題もあるかもしれませんね。
たとえばリッツ・カールトンのクレドに「満ち足りた幸福感」という一文があります。
サービス業の経験が長い方であれば満ち足りた幸福感についていくつも考えられると思うんですが、若い従業員に満ち足りた幸福感を考えさせるのは少しむずかしいのかもしれないなと感じました。

 

【清水】:「満ち足りた幸福感」を自分たちが経験していないと…、お客様に経験させることができたとしても、自分たちが経験してみないとわからないですからね。

 

【友松】:ただ、経験できている人と経験できていない人がいるわけですから、20のベーシックがあることによって、体験していなくても再現できるというのがベーシックなのかなと私は思いました。
そしてベーシックを取り上げながらラインナップでディスカッションすることによって自分の中で理解できるようになる。

 

【清水】:そうですね。

 

【友松】:実は私は混乱していたことがありまして。
それは企業の行動指針なんです。
行動指針ってどうかんがえても「ベーシック」なんですよ。

【清水】:あー、なるほど。でもその理解でいいと思いますよ。

 

【友松】:創業者の想いをわかりやすく表現したものがクレドだといわれれば、そうだよねって思うんですよ。
でも例えば「最高のパーソナル・サービス」といわれると、最高のパーソナル・サービスをしよう! と気持ちでは思うんですよ。でも具体的な方法を持っていないことに気づく。
もともとホスピタリティ力はあったとしてもサービスの引き出しがないと空回りしちゃうと思います。

ですから今回の清水先生のお話をきいて、ベーシックが行動指針だと理解できました。

 

【清水】:考え方の「ベーシック」と思っていました。
いろんなとらえかたのベーシックです。基本的なこと、初歩的なことだからベーシックです。
20のベーシックがあったことでいろいろなモノが作られてきたという歴史があります。

モノというのは、サービス、施設、職場環境などいろいろなモノがつくり上げられてきましたね。
ですから行動指針はベーシックにあてはまると私は思います。

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。
今回のステップ4のインタビューはいかがでしたか?

今回から以前、リッツ・カールトンのクレドカードに記載されていた20のベーシックについてのお話がつづきます。
今回のインタビューでベーシックの必要性について理解が深まったのではないかなと思います。

次回もお楽しみに。

 

《つづく》

 

 

出演/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。

リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

 

インタビュアー/友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。

本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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