著者:友松はじめ
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THE NEW GOLD STANDARD
ゴールド・スタンダード/ジョセフ・ミケーリ(著)

こんにちは。
クレドを研究している友松です。
今、ゴールド・スタンダードという本を読んでいます。

この本は翻訳本です。
そしてリッツ・カールトン本社を中心にキーマンになっている人たちにもインタビューした、まさにリッツの舞台裏を教えてくれる、とても楽しい本です。

5章の「信頼の問題」を読み終わりました。
今回は信頼をもたらすものについて学びました。

会社あるある

今回は『信頼をもたらすもの』について学びました。
信頼をもたらすものは何? ということがテーマですが対象は、

  • お客様
  • 従業員
  • 会社

の3者に対してでした。
私がいままで勤務した会社、いままでかかわった会社の経験から考えてみると、お客様の信頼を勝ち取ることだけが中心だったように思います。

今から言うことは批判じゃないですよ。
会社あるあるとして、私の経験で傍観者てきに書いていくと…

従業員はそこまで会社を信頼していないし会社もそこまで従業員を信頼していない。
従業員がお客様がよろこんでくれて会社のロイヤリティも高まると思って企画した商品やサービスにたいして、会社はそれを理解ぜず会社都合で改変、もしくは中止させる。

会社はいつもお客様のためにと言うし、お客様との関係を作っていこうと言う。
だから考えたのに、会社からはダメ出しをもらってしまう。信頼も志気も落ちる。

お客様の要望、クレームの矢面に立つのは末端の従業員。
お客様の要望やクレームに即対応したくても従業員にそこまでの権限がないので上司に相談しなければならず、対応が遅れてお客様の信頼を失ったり、クレームを悪化させてしまう。

つらつらと書きましたが、けっこう会社あるあるじゃないでしょうか?

「お客を感動させたら売上につながる?」
「そんな非効率なことはするな、お客は数字と思え」
と言っていた経営者もいました。(この会社は設立3年でなくなりました)

今回読んでいて、点と点で語られがちなひとつひとつの施策が線になっていることをとてもよく理解できました。

信頼をもたらすものとは?

リッツ・カールトンでは従業員は紳士淑女です。
この紳士淑女を信じることが、リッツ・カールトンのあのサービスを生み出している要因のひとつだと書かれていました。

従業員を信頼している、と言うのはカンタンですが、リッツ・カールトンでは従業員を信頼しているひとつの証拠としてエンパワーメントがあげられると思います。
エンパワーメントとは従業員に1日2,000ドルの裁量をあたえるという有名な制度です。
日本のリッツ・カールトンでは1日20万円まで従業員の判断でつかっていいことになっているそうです。

従業員を信頼して裁量があたえられているので、お客様の要望に即応えることができます。
エンパワーメントがあったから生まれた感動のサービスもたくさんあるはずです。
実際、即対応ができたことで従業員とお客様のつながりが強くなっているといいます。

そしてリッツ・カールトンでは従業員と強いかかわりのあるお客様はそうでないお客様よりも23%も多くお金を使ってくれるという調査結果もあります。
エンパワーメントがそれに一役も二役もかっているんですね。

クレドコンサルタントの清水先生から聞いた、リッツ・カールトン大阪で最初にエンパワーメントが使われたお話は、高野登さんの著書にも登場していますのでご存知の方もいるかもしれません。小さな女の子にクマのぬいぐるみをプレゼントしたという話です。
今からお話するのは、そのエピソードの後日談です。

リッツ・カールトン大阪初のエンパワーメントをつかった従業員さんは、お客様のためにおこなった行動であったけれど、自分の判断で勝手に会社のお金をつかってぬいぐるみを買い、レストランに来ていた小さな女の子にぬいぐるみをプレゼントした。
だからあとから不安に襲われたそうです。
なぜならあとで怒られるんじゃないかと。

実際、1日20万円もの大金を自分の判断でつかっていいなんてルールには日本の会社にはなかったですから、つかっていいとは言われていたけど本当なのかと心配になったそうです。
そして従業員をあつめたミーティングのとき、当時の総支配人が、エンパワーメントしたその従業員の前にツカツカと歩み寄ってきたとき、怒られる! と彼は覚悟したそうです。

すると総支配人は満面の笑顔で彼を抱き寄せ、頭をぐしゃぐしゃにナデながら彼をみんなの前で称賛したそうです。
エンパワーメントした彼はコレでよかったんだと思うことができ、周りの従業員もエンパワーメントは本当にやってもいいんだということが理解できた瞬間だったそうです。

その数年後、リッツ・カールトン大阪は日本にその名を轟かせるわけです。

まとめ

エンゲージメントという言葉が流行っています。
エンゲージメントが高いとお客様に好かれているということですが、リッツ・カールトンのように成功する会社は従業員を信頼しているし、信頼している証拠となるようなルールもつくっています。

そして会社に信頼された従業員はあたえられた裁量でお客様との関係をつくっていく。
従業員を信頼することでリッツ・カールトンは大きな利益と顧客ロイヤリティをえているんですね。

5章の最後に、今回読んだ内容をあわらす文章がありましたので引用させていただきました。

ニュー・ゴールド・スタンダードを実践する

 

  • 志の高い目標設定し従業員にその目標を達成するために必要な権限を与える。
    つまり、研修、ツール、信頼できるリーダー、雇用の保障、必要な支出の決裁権を与えるのである。
  • リーダーが従業員の話やニーズに耳を傾けると、それが手本となって従業員の間に信頼が生まれる。
  • 信頼され、財政的な権限を与えられた従業員は、賢い決定を行い、素早い職場環境を作り上げる。反対に、従業員を否定し、信じなければ、彼らの仕事に対する志気やサービスの情熱を奪ってしまう。
  • 従業員に財政的な裁量を与えることは、必ずしも、多額の資金を費やすことにはならない。むしろ、問題が悪化せずに早期に解決されるので、結果的には費用の節約になり、お客様を失うのを防ぐことができる。
  • 「信頼して権限を与える」と、従業員の自負心が強くなり、会社全体のサービスの水準が向上する。
  • 従業員の業務の妨げになっている障害を取り除けば、従業員はただ仕事をするのではなく、仕事を楽しむことができるようになる。
  • リッツ・カールトンでは、他人のために特別な努力をすることが社内文化の水準である。

(148ページより引用)

サービスに興味のある方は、よかったら今私が読んでいる『ゴールド・スタンダード』を読んでみてください。
クレドコンサルタントの清水先生もオススメの本です。

 

ゴールド・スタンダード/ジョゼフ・ミケーリ(著)

 

 

記事/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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