著者:友松はじめ
Pocket
LINEで送る

クレドを研究している友松です。

リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと/林田正光(著)

第2章 なぜリッツ・マンはお客様の心をつかめるのか を読んでいます。

 

■マニュアルを超えた仕事を実現するのがクレドの仕組み

リッツ・カールトンのサービスが神秘的、

リッツ・カールトンミスティークと言われていることは、本書でも度々紹介されています。

 

前回、そのリッツ・カールトンミスティークについて少し取り上げました。

  • ホテルに入った瞬間に、○○様いらっしゃいませ。と名前で呼んでくれた。
  • ホテルに入った瞬間に、『奥様は先ほどチェックインされました。』と言われた。なぜ妻の名前を知っていたの?
  • レストランで、いきなり赤ワインを勧められた。私が赤ワインしか飲まないのをなぜ知っていたのだろう?
  • 部屋の冷蔵庫を開けたらコーラがいっぱい入っていた。どうして私がコーラ好きって知っているのだろう?

 

今読み返しても、細かいなーと思うのですが、なかなか出来るものではありませんし、

お客様はうれしいし、ずっと覚えてくれると思います。

 

こういったサービスができるためには、スタッフ一人ひとりの心くばりがないと実現しないと、

著者の林田さんは言っています。

これって、「お客様に、心くばりしなさい。」ってスタッフに言い聞かせたって、

それは言葉遊びだと思うんですよね。

 

リッツ・カールトンではある程度社歴を積めば、ほぼ全員が心くばりをできるようになります。

なぜリッツ・カールトンの従業員は心くばりができるのでしょうか。

その秘密は「クレド」に基づく経営にあります。クレド(credo)とは信条とも哲学とも訳されます。(52pより引用)

 

言い聞かせただけでは、なぜ心くばりをしなければならないのかが分からない。

出来る人もいるでしょうけれど、それは個人の能力にたよることになるので、

本当の意味で会社やお店の資産にはなりません。

 

スタッフが全員、リッツ・カールトンのようなサービスができるようになるには、

やっぱりクレドが必要なんですね!

 

■当たり前のことしか書いていないクレドカード

著者の林田さんは、入社と同時にクレドカードを渡されました。

クレドカードは、リッツ・カールトンの理念や行動指針が書かれているわけですが、

林田さんは、社是・社訓のたぐいと思ったそうです。

 

外国の一流ホテルかなんだか知らないが、日本も大阪も知らないホテルがうまくいくはずない。

日本流が役に立つ。

 

と思って、クレドを軽く見ていたそうですが、

開業間近のゼネラルマネージャーとの研修でクレドを理解します。

 

「ミスター・ハヤシダ、あなたはクレドをどうやって部下に指導していますか?」(54pより引用)

「ミスター・ハヤシダ、では『心のこもったおもてなし』について、あなたは具体的にはどのように部下に指導していますか」(55pより引用)

 

林田さんは、ゼネラルマネージャーの「具体的」と言う言葉で、

自分がクレドについて何も分かっていなかったことを思い知ったそうです。

 

クレドには、あーしなさい、こーしなさい、と事細かく指示は書かれていないのですが、

 

リッツ・カールトンのクレドの一文に、

リッツ・カールトン・ホテルはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを

提供することをもっとも大切な使命とこころえています。

 

という一文がありますが、この中の『心のこもったおもてなし』や『快適さ』は、

お客様それぞれで違うということを理解して、クレドを基本にして自分たちで知恵を絞って

変幻自在のサービスを行っていく。というのが大切だし、

クレドがあることでミスティークなサービスが生まれるんですね。

 

 

そして、クレドを基本に知恵を絞って考えますから、心くばりのできるスタッフが育つのだと思います。

まだまだ、クレドにはいろんな仕組みがありますけど、これだけでも素晴らしいと思います。

 

■日々の行動はクレドを読んで考える

クレドカードは、クレドの他に、ゴールドスタンダードと呼ばれるものが書かれています。

細かくは、

  • サービスの3ステップ
  • 従業員への約束
  • モットー
  • ザ・リッツ・カールトン・ベーシック

です。

 

クレドカードには、経営の中心になることが書かれていて、経営者スタッフもクレドを中心に仕事をするので、

リーダーが変わっても社長が替わっても、リッツ・カールトンは変わらない。クレドがあるから。

リッツ・カールトンのスタッフは、クレドカードをいつも携帯して、わからないことがあったらいつもクレドを見るそうです。

 

信条や哲学というものは、ただ知っているだけではなく、

理解して行動に応用できるようにならなければ意味がないのです。(58pより引用)

 

なぜ、毎日朝礼で社是や社訓を唱和しても何も変わらないのか、わかる気がしますね。

 

つづく

 

 

記事/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

  • このエントリーをはてなブックマークに追加