サービスを超えたホスピタリティを実践する リッツ・カールトン、クレドのお話し
心のこもったおもてなしを実現するサービスの手帳
元ザ・リッツ・カールトン大阪営業統括支配人/林田正光
第4章 サービスを超えたホスピタリティを実践する
「お客様のもう一つの目標を満たす、それがホスピタリティ」
著書の中で林田さんは
「心」を満たしたいと感じている人が増えています。
と言います。
そのため人は、わざわざ高い値段を払ってでもホテルで食事をしたりする。
そこで、「お客様のもう一つの目標を満たす、それがホスピタリティ」を私の場合はどう実践しているか?具体的にどう実践すればよいのか?を、ご紹介させていただきます。
もちろん、お出しするお酒も酒屋さんで買って飲んでいただければ、安く飲めます。
でも、少し高くても飲みに来て下さるお客様は、私が目的です。私との会話、心の交流を求めてご来店されるのです。
特に心の交流を求めていらっしゃるお客様の場合は、悩み事を抱えてらっしゃる場合が多くみられます。
そんな時どうするか?
まずお客様のお話を親身になって聞く事です。
- お客様を理解しようと努力する。
- お客様の立場に立って考えてみる。
- お客様の身になって心を寄り添ってみる。
その結果、さほど理解できていなくても、心に寄り添ってみたもののズレていたりしても私は構わないと思います。
理解しようとする。親身になって心を寄り添う。
それが、ホスピタリティであり、そんな経験を積むことで、理解するスキルも、心を寄り添うスキルも上がります。
場合によっては、私が話を聞くだけで、お客様の悩みが解決する場合があります。
特に女性がそうですね。話を聞いて共感して欲しい。と考える女性は多く存在します。
人は悩んでいる時、
「どうすれば?」
「どっちを、何を選択すればいいの?」
「これでいいのか?」など、
心が決まっていない時、決断できない時に人は悩んでいる事が多いのです。
ですから、話を聞いて共感すると答えを決める事ができる場合があります。
「自信はないけど答えはコレかな?」と、考えてらっしゃるお客様には、共感する事で、背中を押すことになって自信につながることがあるからです。
ですから、まずお客様のお話を親身になって聞く事です。そして、お客様を理解しようと努力する。
お客様の立場に立って考えてみる。
これだけでも効果があるのです。
著書の中で林田さんは、
多くのお客様は、「物による満足」はもう手に入れられています。物欲だけを満たせばよいという時代はもう終わっているのです。
私たちが目指すべきは「心の交流による満足」という、お客様が求めてやまない、もう一つの目標です。
それを満たして差し上げる手段が、ホスピタリティ、心のこもったおもてなし、なのです。
もちろん、悩みが解決したとたんにお店に来なくなった。来店する数が極端に減ったお客様は沢山おられます。
特に女性の恋愛の悩みなどですね。
私は経営者ですが、それでいいのです。
私もお客様との心のやり取りをしたいがためにお店を開いたのですから。
著者/清水健一郎
清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。
2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。