「ホスピタリティ」「心のこもったおもてなし」 リッツ・カールトン、クレドの実際
心のこもったおもてなしを実現するサービスの手帳
元ザ・リッツ・カールトン大阪営業統括支配人/林田正光
第4章 サービスを超えたホスピタリティを実践する
「もし、お客様が自分の家族だったら」と考えているか
私も駆け出しの頃、そうだったのですが、実際に何をどうすれば?「心のこもったおもてなし」を身につけていけるのだろうか?
と、疑問に思い考える時がたびたびありました。
やはり、ラインナップの際、先輩や上司から「心のこもったおもてなし」とは?と、質問されていたからです。
そのおかげで、仕事中時間以外でも「心のこもったおもてなし」とは?と考える癖が付いていました。
ホテリエとして、とても大切で重要な癖を付けていただいたと、当時の上司、先輩、そして、クレド、ラインナップに感謝しております。
では、具体的にどのような焦点、自分への質問を持って、
行動すれば「ホスピタリティ」「心のこもったおもてなし」が身についていくのでしょうか?
それは、今回の林田さんの教え、
「もし、お客様が自分の家族だったら」と考えているか
です。
本当にこれこそが、「ホスピタリティ」「心のこもったおもてなし」を身につける基本だと確信しています。
なぜなら、誰にでも家族がいます。ですから、すぐに理解でき、すぐ実践できる事だからです。
(何らかの事情でご家族がおられない方は、申し訳ございません。)
そして、家族に接しているかのように愛情がお客様に伝われば、仮に接客の際に失敗しても、お客様は厳しく攻めたりする事はありません。
場合によっては、その失敗がチャンスになる事だってあります。
「ピンチはチャンス」と言う言葉がありますが、サービス業の場合、サービスの根本にこの様な愛情がなければ、チャンスに変える事は、なかなかできません。
林田さんも著書のなかで、
お客様に対して、愛情を持って接していれば、そのような対応は、おのずと「ホスピタリティ」「心のこもったおもてなし」になるでしょう。
ですから、若いサービスパーソンの皆さんに言いたいことは、「もし、お客様が自分の家族だったら」と考えてサービスを実践していきましょう。
きっと、お客様もサービスパーソン自身も一生の思い出になるサービスエピソードが生まれてくるはずです。
著者/清水健一郎
清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。
2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。