著者:清水健一郎
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今回のクレドコラムは、読書コラムから少し離れてお話したいと思います。

前回と前々回で、ビジョンミッションのお話をさせていただきました。

その時、おそらく多くの経営者の皆様が、自社のビジョンミッションについて考えられたのではないでしょうか?

 

そこで、これからクレドを作ろうクレドを導入しようと考えてらっしゃる経営者の皆様に一つの質問をしたいと思います。

この質問を30秒以内に答えていただければ、いや30秒以内に答えていただく事に意味があります。

 

つまり、質問をして30秒以内に答えていただく事がでなければ、

今回の「超簡単なクレド作り」の意味が無くなりますので、肝に銘じて質問に答えてください。

始める前にあなたの声を録音できるレコーダーを用意してください。

 

超簡単なクレド作り。

では、始めます。

いきなりテレビ取材がやってきました。

レポーターが社長のあなたに質問します。

 

タダでテレビ番組に取り上げられ、あなたの会社を宣伝できる千載一遇のチャンスです。

日頃、いくつかの問題を抱えているかもしれませんが、それは今だけ忘れてインタビューに答えてください。

テレビ放送される前にその問題は何とかできます。

 

「御社を30秒で、テレビの視聴者(まだ見ぬお客様)に、どのような会社か説明しアピールしてください。」

 

どうですか?

30秒で出てきましたか?

録音したあなたの声を紙に書いてください。

 

リッツ・カールトンのクレドをまずご覧ください。(以下抜粋)

リッツ・カールトン・ホテルは、

お客様への心のこもったおもてなしと、

快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。

 

私たちは、お客様に心あたたまる、

くつろいだ、そして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために

最高のパーソナルサービスと施設を提供することをお約束します。

 

リッツ・カールトンでお客さまが経験されるもの、

それは、感覚を満たす心地よさ、満ち足りた幸福感、

そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえする

サービスの心です

 

もし、あなたがリッツ・カールトンの社長だったとしたら、テレビカメラに向かってこの様に答えませんか?

 

もう一つわかりやすくするために、私が以前クレド作りをお手伝いさせていただいた

マッサージのお店の社長に同じ質問をした際の返答です。

『〇〇(お店名)はお客様お一人お一人のお体からカウンセリングして、

健康キレイをとりもどすお手伝いをする店です!

 

辛い肩や腰や全身の疲労感などの体が楽になれば、心も軽くなり、あなたの笑顔が輝きます。

老化や環境のせいにしないでください!

 

まだまだ大丈夫です!!

あきらめる前に、どうぞ〇〇にお越しくださいませ。

あなたの夢が叶うお手伝いをさせていただきます!!』

 

リッツのクレドもこちらのマッサージ屋さんの返答もお互いの信条、信じて疑わない行動です。

クレドとは信条、信じて疑わない行動です。

 

以前、リッツ・カールトングループの幹部の一人が、

ある経営者にクレド作りの相談をされた際に

「リッツのクレドは、シュルツ(リッツ初代社長)の内からあふれだす情熱が文章になったものです。」

と答えたそうです。

 

つまりは、経営者であるあなたの中、心の中にすでにクレドが存在しているのです。

それを社員に語っても忘れられたり、伝わらなかったりします。

その為に文章化して、毎日、社員の皆様に向き合っていただく必要があるのです。

 

そのためにクレドの文章化が先ず必要なのです。

そして、社員の皆様に毎日向き合っていただくための仕組みを導入することで、

無意識にクレドを実践できるようになるのです。

 

どうですか?

この質問の答えが30秒以内に出ていれば、クレド作りの支柱が出来上がったようなものです。

あとは手直ししていけばいいのですから。

 

 

著者/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

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