リッツ・カールトンでの早朝の思い出 / クレドサクセス実践ブログ
リッツ・カールトン元支配人が学んだ一流のホスピタリティ心得
職場の後押しで営業にまい進できた
早朝出勤をゼネラルマネージャーが称賛
上記の抜粋ですが、私も当時のゼネラルマネージャー、ジョン・ロルフス氏の思い出があります。
著書の中で、ゼネラルマネージャーは、月に2回朝7時前に出勤する習慣があり朝一番に出社して、職場の様子をつぶさに観察しながら部下の出勤状況を把握されていたようです。
そして、毎日7時に出勤されていた林田さんの行動に気づき全体ミーティングで、林田さんを称賛されたそうです。
そのことで、林田さんはそれまで以上に気合を入れて取り組まなければと決意をしたそうです。
私の思い出なのですが、始発出勤の際、出勤途中のロルフス氏と何度か一緒になりました。
暴露するみたいで、怒られるかもしれませんが、当時のロルフス氏の出勤の姿は、これからゴルフに行くような恰好。
キャリーバッグを担ぎ、ゴルフ帽子をかぶり、ゴルフウエア、誰がどうみてもこれからゴルフに行く外国人。
しかし、ホテルに着けば一流のホテルマンに変身。
そして、まず喫煙所でタバコを吸いながら自動販売機でコーヒーを買って一息。
その喫煙所というのは、自動販売機のある唯一の場所だったので、タバコを吸わない私のようなスタッフもよく行く全てのスタッフが集まってくる場所だったので、たまに喫煙所でご一緒するとコーヒーをご馳走になる事もありました。
そして、必ずスタッフ一人一人に声をかけてくださいました。
「今日も元気かい?」
「なにか問題はないかい?」
「仕事は順調かい?」
「仕事は楽しい?」
「そういえば、君、昨日誕生日だったよね。お誕生日おめでとう!」
「この前、素晴らしいサービスでお客様を喜ばせていたね。グッジョブ!エクセレント!」
などなど。
当時のホテル業界で総支配人は、新卒スタッフからすれば雲の上の人、挨拶するくらいしかできない。
なんて事を他のホテルで経験を積んだ先輩の方々に言われました。
今思えば、「もっといろんな話をさせてもらえば良かった」と悔やむばかりです。
当時、私は新卒スタッフだったため様々な事が分かっていなかったのです。
こうしてゼネラルマネージャーのロルフス氏に多くのスタッフは励まされました。
陰徳を積むというのも一つの美学であり、日本人の好むところであります。優雅に泳いでいるかのように見える白鳥も水面下では一生懸命水を掻いているといいます。人知れず努力するというのは私も嫌いではありません。ただ、誰かが関心の眼を持って応援してくれているというのも悪くはありません。やる気をもたらす原動力となるのは間違いのないところなのです。
王様を見に行って、生で王様を見る事が出来た時、人は喜びます。
しかし、本当は王様に自分を見てもらいたいのです。
見てもらえたと自覚した時、王様の為に真に力を発揮するものだと思います。
【編集後記】
クレドを研究している友松です。
本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?
私、定時に帰ります。というドラマが放送されています。
始業10分前に出社して、定時になったら退社する女性がヒロインのドラマです。
考えがあってそうしているなら私はいいと思います。
林田さんは早朝の出勤をしていたと林田さんの著書を読んで知りました。
これは幹部へのアピールではなく必要だからやっていたわけで。
以前勤務していた会社で、朝30分早めに出社して、仕事前のミーティングをやろう! と盛り上がったときがありました。
そのとき、あるパート社員さんが…
「それって仕事ですよね? 時給出るんですか?」
と質問していました。
その質問に、担当社員が明確に応えることができなかったため、あの盛り上がりはなんだったのかと思うくらい、あっという間に30分前ミーティングの話は消えてしまいました。
質問するパート社員の発言よりも、かならず出てくる質問だとわかっていて、なんとなく進めようとしていた部署の責任者が悪いんですけどね。
林田さんも清水先生も早めの出社を矯正されたわけじゃなく、必要だから自分で決めて実行していたわけですもんね。
ちょっと采配を間違えたらブラック企業っていわれてしまいますから難しいところではあります。
ただ、スタッフがいい仕事がしたいと感じて自主的に早めの出社や時間外に勉強をしたり、本を買って勉強するようになったらステキですね。
やっぱりクレド導入が求められますね!
著者/清水健一郎
清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。
2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。職場の信頼関係はクレドで作られる