著者:清水健一郎
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ラインナップとコミットメント トゥ クオリティ

リッツ・カールトン元支配人が学んだ一流のホスピタリティ心得
「朝7時出勤を1日も欠かさずに習慣化する」(抜粋)

著書のよると林田さんは毎日8時45分の始業時間にもかかわらず7時出勤され、始業開始時間には、すぐ営業に出ると言うスタイルを習慣化されていたそうです。
自分自身の準備は始業時間までにすましておく。

実は私も出勤時間の1時間から1時間半前には出勤して、少し隠れ気味に書類に目を通す事が習慣になっていました。
書類と言うのは、「コミットメント トゥ クオリティ」と言って、リッツ・カールトンの本社から毎日送られてくる全世界のリッツ共通の朝礼手引書の様なものです。

リッツ・カールトンでは始業前にラインナップと言うリッツ独特の朝礼を行います。
ただ、通常の朝礼と違うのは、朝礼のリーダーが一方的に業務連絡をして終わるのではなく、ラインナップリーダーが、ラインナップに参加したスタッフに向けて質問する事から始まるのです。

「清水、今日のコミットメント トゥ クオリティで注目すべき点はあったか?発表してくれ」
「清水、今日、今からデスカッションするクレド内容はなんだ?コミットメント トゥ クオリティをチェックしたか?」
「清水、今日、コミットメント トゥ クオリティに、今日の誕生日スタッフ載ってたか?『お誕生日おめでとうございます』と、いつ言いに行く?その職場の営業時間は把握しているのか?」

など、コミットメント トゥ クオリティをしっかり読んで自分のものにしているか、毎日、上司、先輩方々に確認していただきました。
そして、質問をいただく事で、様々な事を覚える機会、考えるクセをつけていただけたと感謝しています。

なので、コミットメント トゥ クオリティを熟読する時間をどうしても作る必要があったのです。

そして、少し隠れ気味で読んでいた理由は、当時、私が従事していたレストランは朝6時半オープンから10時クローズまでクローズしないフルオープンのレストランだったため、いつの時間もあわただしくスタッフが動いていました。

なので、まだ出勤前、朝礼前のスタッフも、「ちょっと、手伝ってくれ」と、声がかかるのです。
そうなるとリッツスタッフは、「NO」とは言えません。

そのためにコミットメント トゥ クオリティを読む事が出来なくなってしまう事が度々ありました。
そうなると、先輩方に「なんでコミットメント トゥ クオリティちゃんと読んでないんだ!」と叱られるからです。

「レストランが忙しかったので助っ人していました」はコミットメント トゥ クオリティを読んでいない理由にはなりません。
そういう理由で、当時の新卒スタッフ達はバックヤードの隅で、隠れ気味にコミットメント トゥ クオリティを読むクセが付きました。

出勤前に隠れてコミットメント トゥ クオリティを読んでいるのをわかっていても助っ人として呼びに来る先輩もいて、しぶしぶ助っ人に行った事も何度もありました。
しかし、こういった事で、私達、新卒スタッフは社会人としての自覚を身に着けることができたと思っています。

著書の中で林田さんも

「こうしたビジネスパーソンとしての基本的な生活習慣をまず身につけることが、ホスピタリティの考え方とも共通することだと思います」

当時、大変でしたけど本当にやってよかった。
感謝しかありません。

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。
本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?

リッツ・カールトンのラインナップにコミットメント トゥ クオリティという資料が使われていることは知っていました。
毎日アメリカの本社からそれがファックスされてくることも。

読んで把握するだけでも大変です。
そして読んでいないとラインナップに支障がでてしまうんですから気もぬけません。

読んで理解していないと叱られる。
叱られるから早めに出社してコミットメント トゥ クオリティを読んでいるのに、手伝えと言われる。

手伝っていたからコミットメント トゥ クオリティが読めなかったというのは理由にならない。
鍛えられますね。

私が体験してきた会社の朝礼といえば…
毎朝社長から一言があって、そのあと経営理念などを大きな声でみんなで唱和。
もちまわりで朝礼担当者を決めて、担当者が気の利いた小話を言ってそのあと経営理念などを大きな声でみんなで唱和。

朝礼の無い会社もありました。
そのときは自分の部署だけで、アイスブレイクと今日の予定をみんなで発表してました。

朝礼大事です。
クレドを導入して朝礼をラインナップに変えてしまいましょう!
必ず今よりも良い朝礼になりますよ。

 

著者/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。職場の信頼関係はクレドで作られる

 

リッツ・カールトン元支配人が学んだ一流のホスピタリティ心得―マニュアルではなく体験で身につける大事なこ/林田 正光 (著)

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