著者:清水健一郎
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幕末、多くの偉人を育てた薩摩藩の教育システムがリッツと同じだった!?薩摩藩の教育システム3

クレドコラム 番外編3

「幕末、多くの偉人を育てた薩摩藩の教育システムがリッツと同じだった!?」

薩摩藩の教育システム3

 

参考資料は、歴史学者・磯田道史先生のコラムより

 

日新公(じっしんこう)いろは歌

 

前回、前々回と薩摩藩の教育についてコラムを書かせていただいていますが、

「あれ?クレド的なものは出てこないの?」

と、お思いの方もおられると思いますが、シッカリとクレド的なものも存在していたようです。

 

それが、「日新公(じっしんこう)いろは歌」です。

「日新公(じっしんこう)いろは歌」(日新公は島津の殿様)というのを毎日毎日、それこそ大人になるまでに何万回も唱えたそうです。

 

当時の薩摩は識字率がそんなに高くなかったそうで、そのため歌にして覚えたそうです。

(以下抜粋)

ちなみに最初の「い」は「いにしえの道を聞きても唱えても わが行ないにせずばかいなし」といって、「どんな昔の教えを聞いても自分で実践しなければなんの意味もない」という意味。やはりすごく実践的な教えですね。

文字が読めなくてもリズムで暗唱できるようになっていますが、郷中教育では、例えば「『義』とは何か」といったテーマで議論を繰り返したりして、そうした日常生活の規範を、それぞれが内面化していくんです。

この薩摩の教育で、子どもたちは、判断力、決断力、実行力を伴った、まさに「知恵」ですね。定まった知識をテキストで身につけるのでなく、(1)あらゆる事態を仮想し、(2)それに対処するアイデアを考え出し、(3)その中から正しいものを選択し、(4)実行する“度胸”を持つという。…

 

リッツ・カールトンのスタッフが、お客様からの特別な要望に対して、即座に「YES」と返し実践してしまう判断力、決断力、実行力も、薩摩藩士の判断力、決断力、実行力も、同じ教育システムから生まれたわけです。

リッツ・カールトンのクレド、ラインナップでの教育と、薩摩藩の教育それらは、原理原則も基づいて作られた教育だからこそ、時代、国境関係なく優秀な人材を育てる事ができたのではないでしょうか?

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。

本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?

 

今回は「日新公(じっしんこう)いろは歌」を毎日唱えるというお話でした。

 

「日新公(じっしんこう)いろは歌」(日新公は島津の殿様)というのを毎日毎日、それこそ大人になるまでに何万回も唱えたそうです。

 

これも、クレドをラインナップで毎日唱える、日々の仕事でクレドカードを何度も見て自分の行動や考えをクレドに照らして確認するというのに通じるように思いました。

クレド、またはそれに似たルールを作ったとしても、作っただけでは浸透しないというのも分かります。100年以上前の薩摩でこのような教育がされていたのは驚きですが、そんなことをやって、効果はあるのか? と思ってしまいそうになりますが、結果は歴史が証明していますものね。

 

ひとりの人の経験は限られています。

その経験をみんなで共有できたら、全体のレベルが上がります。

また、リッツ・カールトンの「ラインナップ」や薩摩の「詮議(せんぎ)」のように、ケーススタディを行えば、経験していなくても経験値は上がります。

 

未経験の事態に遭遇しても落ち着いて対応ができることでしょう。清水先生からリッツ・カールトン時代の話を聞くと、普通に出来ていたようです。

 

本当に、経営者の方には一度でいいからラインナップを体験してほしいと思います。

一度体験すれば、リッツ・カールトンのスタッフがなぜお客様に感動のサービスができるのかが、容易に想像できるようになります。

 

本当は、クレドを作ってクレドを軸にラインナップをするといいのですが、代替え案としては、会社の社是、社訓を使うという方法もあります。

クレドを作るにしても、創業時の想いや社是、社訓がクレドの素になりますから。

 

私が経験したクライアントの状況で言えは、週1回の早朝のミーティングで、スローガンの唱和を行っていますが、各部署で毎日朝礼を行うようにし、社是とスローガンを使ってリッツ式のディスカッションを行うと、社員、パート、アルバイトの士気も上がっていたのではないかと感じます。

 

クレド導入マニュアルでは、クレドはもちろん、新しいものを受け入れる土台作りを最初に行いますが、その仕組を取り入れたら、もしくは平行してリッツ式朝礼のラインナップを部分導入することができます。

これによって、オリジナルのクレドが出来上がる頃には、リッツ・カールトンに負けないラインナップが本格導入できるようになります。

 

そして気がつけば、あなたの会社やお店のスタッフは、同業他社もうらやむ粒ぞろいのスタッフに変身しているはずです。

クレドの導入、考えてみませんか?

 

 

著者/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

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