お客様との対話の仕方は「断定形でなく質問形」「否定形でなく肯定形」
私がリッツに入社してすぐに教えられたことで、ぜひあなたにお伝えしたいことがあります。
林田さんの著書では、いい事例が書いています。
「お客様に『ワインリストを見せていただけますか』と言われれば、『少々お待ちください』とお店側の都合を押しつけてはいけません。「かしこまりました。少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか」と質問形で話すべきです。
このシーンでは、
「お待ちください。」
というのは命令形(断定形)ですね。
「お待ちいただいてもよろしいでしょうか」で質問形です。
これが、私もリッツに入りたての頃に教えられたこと。
そして、「命令形(断定形)ではなく質問形」と同時に教えていただいた言葉の使い方があります。
それは、「否定形ではなく肯定形」です。
否定形ではなく肯定形
例えば、お店、ホテルに用意されていない商品、取扱いのない商品Aをお客様がご注文されたとします。
「Aいただけますか?」と、いう具合です。
そこで、スタッフが、「Aはご用意できません。」「当店はAの取り扱いをしていません」
と、お客様にお伝えします。
使っている言葉は「できません。」「していません。」と否定形ですね。
では、肯定形の言葉を使うと、「当店、Bはご用意できるのですが」「当店はAの代わりにBを取り扱っております」
どうでしょう?
「できるのですが。」「取り扱っております。」と、肯定形です。
言葉の意味は、否定形も肯定形も同じですが、お客様に伝わる印象は小さくても確実に違います。
林田さんは言います。
このようなちょっとした気くばりが、お客様の満足度に差が出る大きなポイントなのです。
「コップに半分しか水がありません。」と伝えるのか「コップに半分も水があります。」と伝えるのか、それ一つでは小さなことですが、その小さい気くばりが幾つも集まると、大きな印象に変わっていきます。
リッツ・カールトンでのサービスは、誰が聞いても感動するサービスエピソードがよく語られていますが、この様な小さな気くばりがあってこそ、感動のサービスエピソードが誕生するのです。
そして、この様な小さな気くばりもクレドもとに、毎日、ラインナップでディスカッションしているのです。