著者:清水健一郎
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絆が生まれる瞬間 
ホスピタリティの舞台づくり
著者 高野 登
かんき出版

今回の読書は、p136「いたわり、感謝し、叱る文化」についてです。

クレドの仕組みの一つ – リッツ・カールトン「ファーストクラスカード」

「ファーストクラスカード」をご存知でしょうか?

これは、リッツ・カールトンの仕組みの一つ。
ファーストクラスと言う言葉は、アメリカ社会のなかで最高の賛辞であり、仕事を手伝っていただいた感謝の気持ちを伝えたいスタッフにリッツではカードを送ります。
そのカードの名前を「ファーストクラスカード」と言います。

私のセミナーや他では、サンキューカードというものが出てきますが、概念としては同じタイプのものです。

高野氏は著書の中で「いたわり感謝し合う」文化というものが、エクセレントカンパニーには存在し、その文化を仕組化したリッツ・カールトンの「ファーストクラスカード」について紹介されています。
ファーストクラスと言う言葉は、アメリカ社会のなかで最高の賛辞であり、仕事を手伝っていただいた感謝の気持ちを伝えたいスタッフにリッツではカードを送りますが、そのカードの名前が「ファーストクラスカード」と言います。
その高野氏の説明も「いたわり感謝し合う」気持ちがこもっているせいか、説明からポジティブな気持ちが伝わってきます。

しかし、「叱る」という説明については、さすがに高野氏も今までさんざん苦労されているような気持が伝わってくる所に、世の「叱る立場」の人々の共感を誘う気持ちが伝わってきます。

高野氏曰く
『褒めることに比較して、上手に叱ることは実に難しい。』

叱る、ということ。

褒めることと比べて、この叱る、ということは非常に難しいと思います。
感情的に「怒る」だけでは問題の解決になりません。
かといって、叱ることをしなければ、なあなあの雰囲気が流れたり、間違った行動を修正することはできません。

だからこそ、「叱る」ということは非常に大切なわけですが、では、いったいどうしたら効果的な「叱る」ができるのか。

今回は、それをテーマにお伝えしたいと思います。

叱ることのむずかしさ

コラムにも何度か書いてはおりますが、私はリッツ新卒入社組の中で群を抜いて仕事ができず、同期の中ではこれまた群を抜いて、先輩・上司に叱られていました。
さらには同期からも叱られる毎日を、入社一年目に経験しました。

しかし、そんな私が、入社二面目になると、「叱る」と「叱られる」が半分づつになったのです。
後輩ができて後輩の面倒を上司から任されたからです。

そしてその時、初めて「叱る」難しさを知りました。

それだけではありません。
私が「叱る」難しさを知ると、私を叱ってくださる上司、先輩もさらに私を叱りやすくなったせいか、さらに叱られる事が多くなりました。

叱る経験が増えたことで、叱られる経験も増える。
なにやら禅問答のような体験ですが、つまるところ、叱り・叱られることで、私は上司、先輩から、「あいつは両方知っているやつだ」と認識していただき、頼み事などもしやすい後輩であり、部下という認識をしてくださった、ということです。

実際、私より叱りにくい同期はたくさんいたと思います。
そんな、叱りにくい同期たちよりも、私は可愛がっていただける様になり、教えて頂ける事やチャンスを得る機会が増えました。

上手に叱るには?

これらの経験から学んだ「上手に叱るには?」ということ。

それは、叱る相手も「叱る」経験を積ます事、上手に「叱る経験」をさせてあげられる職場環境をつくることが、非常に大きなポイントなのではないか、と思います。

誰でもミスを指摘されるのは好きではないでしょう。
叱られるのも、その瞬間は楽しいわけではありません。

しかし、叱る経験をしてみると、その難しさに気付くことができる。

そういった意味では、会社の先輩・後輩や、上司・部下の関係の中で、指導する側が叱り方を知っていることが大切ですね。

まとめ

叱ることについて、高野氏がこんなことを言われています。

『叱ることは、自分の間違いや欠点にきづいてそれを修正し、さらに成長してほしいという明確な意思表示です。そこには確固とした目的意識があるのです。それが、その人の成長の糧となり、会社との深い信頼関係につながっていくことを心から願うからこその行為なのです。』(絆が生まれる瞬間 より)

その通りですね。
「怒る」ではなく「叱る」。そこには確固たる目的意識があるはずです。

人材が育つ会社・組織を作るには、「叱る」ということを考えることも大切、ということがお伝えできれば幸いです。

 

 

著者/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。

リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。
 

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