著者:友松はじめ
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接客が苦手です。セクショナリズムで部署間の仲が悪いです。

クレドを研究している友松です。

今回のクレド研究コラム用の本は、伝説コンシェルジュが明かすプレミアムなおもてなし/前田佳子(著)です。

リッツ・カールトン日本進出第一号の、ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフでコンシェルジュの著者の書いた本で、接客、コミュニケーション、日々の気持ちの持ちよう等、コンシェルジュや接客業、サービス業に従事していない人にも読んで欲しい本です。

 

接客が苦手なら

人と話すのが苦手、営業の仕事をしてはいるけどお客様と話すのが苦手、という人は多いと思います。

私も気持ちは分かります。

かつて、通信販売の会社に勤務していたときは、様々な広告代理店さんからの広告提案を入れ替わり立ち替わり受けていました。

 

その中でも、もっと話しを聞いてみたい、この提案は今回は遠慮しよう、など選んで行くわけですが、結果1つの提案から長く続くお付き合いになることが必ずあるわけです。

今から思うと、どこも同じような提案だったと思うのですが、選ばれた会社と選ばれなかった会社は一体何が違ったのでしょうか。

 

私は人の価値観には大きな差があると再認識しました。価値観に違いがあると、頭では理解していながらも、どうしても固定観念に引きずられてしまうものです。(91ページより引用)

 

代理店の営業マンは、会社で広告の提案書を渡されてそれを持ってお客様のところに行くわけですが、この広告はいい広告だと思ったとしてもそれは、その営業マンと代理店がいいと思っているだけで、お客様が持っているいい広告の価値観ではない場合が往々にしてあると思います。

 

それは価値観というものは、人それぞれ違うということです。自分がいいと思っていることが、ほかの人にとってもよいとは限りません。人に喜んでもらうには、自分がいいと思うことをするのではなく、その人が望んでいることをするのが大切なのだと気づきました。(93ページ~94ページから引用)

 

先ほどの私の経験でいうと、選んだ広告代理店と選ばなかった広告代理店の違いは当時は分かりませんでしたが、『相手が望んでいる』提案だったかどうか。につきるとおもいます。

そこに、接客が苦手だからというのはあまり関係が無いように思います。

 

良くも悪くも、自分にメリットがある話しや提案には、相手がどんなに接客が苦手、話すのが苦手であったとしても興味をもって話しを聞きますからね。

 

セクショナリズムが生まれる理由

部署間で仲が悪い会社って意外と多いと思うのですがどうでしょう?

私はそれで、社長を巻き込んだ大問題を起こしたことがあります。

 

簡単にお話しすると、新しい企画を進めているときに他部署に協力のお願いに行ったら、いろんな理由を言われて断られたため、仕方なく外部の会社に業務を依頼したのです。

それを後から聞いた社長がお怒りになり、大問題に。(汗)

 

会社の規模に関係無く、部署が分かれれば何かと対立はありますよね。

でも、それが無いのがリッツ・カールトンです。

 

コンシェルジュは、お客様の要望に応えるのが仕事ですので、他部署との連携が欠かせません。

というか、他部署の協力無しでは仕事ができません。

本書に紹介されている事例でもそれが分かります。

 

だから、セクショナリズムなんてあったら仕事にならないわけです。

他部署とのセクショナリズムが生まれる理由は部署間のコミュニケーション不足だと私は思いました。

他部署の人と顔見知りで挨拶も交わす関係になっていれば私が引き起こした問題も起きなかったはずです。

 

著者の前田さんは、他部署とのコミュニケーションをとるために積極的に社員食堂でいろんな人に話しかけたり、協力してもらった部署には、終わった後部署にお礼の挨拶に行き、翌日も改めてお礼に行ったそうです。

またその部署で協力してくれた人にもお礼は欠かさなかったそうです。

 

リッツ・カールトンには、ラテラルサービスが有名です。

ラテラルサービスとは部署間を超えたサービスのことでお客様のため、それぞれの部署が協力してサービスを行います。

 

ですから、著者の前田さんと同じようなことをするスタッフに支えられているところもあるでしょうし、部署間でスタッフを入れ替えて他部署の良い仕組みを取り入れるクロストレーニングといった仕組みも大きな力を発揮しているのだと思いました。

 

本書には、それらの仕組みが大いに発揮された事例がたくさん掲載されています。

(飛行機を止めた話しはなかなか凄いです。)

いずれの事例も部署間で、スタッフ同士でスピーディーに知恵と経験を出し合って協力して成し遂げられています。これらの事ができるのは、スタッフ共通の行動指針でもある『クレド』があるからこそと著者の前田さんは書いています。

 

クレドを導入して、毎日ラインナップ(リッツ式朝礼)でディスカッションして、そしていつでも確認できるようにクレドカードを全スタッフが携帯していることも、セクショナリズムの無いサービスができる基本ですね。

 

部署どうしの仲が悪いなら

部署どうしの仲が悪いのは、仲が良くないからです。(当たり前ですが・・・)

ですから、仲良くなる仕組みがあれば解決するわけですよね。

 

先ほどお話ししたクロストレーニングも、他部署に行って業務を学ぶだけで無く、その部署の上司やスタッフとも顔見知りになるので、自分の部署に戻ってからも気軽い挨拶もするようになるし、何よりも気軽に相談に行けるようになるのが大きいですね。

 

『こいつの頼みなら、仕方ないな。仕事は忙しいけど手伝ってやるよ。』

 

なんて話しながらいい仕事が出来るはずです。

結局、部署どうしの仲が悪いのなんて、顔見知りじゃないからですよね。

社内の廊下で他部署の人とすれ違っても、関係が出来ていなかったら『お疲れさまです』くらいしか会話もありませんからね。

 

部署どうしの仲が悪いのを解決する方法は、本書なら手伝ってもらったら、その部署と個人にお礼を言うのを忘れないことと、いろんな社員が集まる場所に行って話しをする。本書では社員食堂でした。

 

このほかにも、職場の空気が良くなり、円滑なコミュニケーションが取れて業績アップする方法がありますが、それは本書には載っていないので、またの機会にコラムにしたいと思います。(^o^;)

 

まとめ

価値観は人それぞれですので、思い込みでのサービスは上手くいかない。

相手が望んでいることをする。

部署間のセクショナリズムを無くす。

というお話しを中心に今回コラムを書きました。

 

お客様でも職場の仲間同士でも、素直に聞くことがひとまず大事かなと思いました。

ただ、素直になるのが大事というのは、よく聞く話しではあります。

前田さんはそれを『空のコップの精神』というお話しで分かりやすく説明してくれています。

 

知識が半分入っているコップには、水があと半分しか入りません。でも、いったんその水を捨ててしまえば、コップ一杯分の新しいものが入ります。だから、いったん水を捨てて人の意見に耳を傾けましょう。(129ページから引用)

 

どんなに自分の持っている知識が役に立ったり、正しいモノであっても、場合によってはそれが邪魔をする場合があるし、せっかくの学ぶチャンスを逃してしまいます。

私も『空のコップの精神』を取り入れたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

 

著者/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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