著者:友松はじめ
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クレドを研究している友松です。

伝説コンシェルジュが明かすプレミアムなおもてなし/前田佳子(著)を読んでいます。

 

読み進めていていると、著者のお人柄が分かってくるのですが、

自分のことを「伝説の~」とは言わない方だと思うので、

このタイトルは編集者が考えたものなんだろうなと妄想したりしています。

 

前回は、コンシェルジュの仕事とはなにか、著者が考える、

そして日々行っているコンシェルジュのお仕事について少し触れました。

 

今回は、なぜ著者の前田さんがコンシェルジュとして、

お客様に向き合っていけるのか?その秘密を私なりに探ってみました。

 

否定しないのが基本

コンシェルジュの仕事って、まず否定しないことなのですね。

そうじゃない、という意見もあるかもしれませんが、著者の前田さんのコンシェルジュ像はそれだと思います。

でも、否定しないって簡単に言っても、依頼内容にも限度があると思います。

 

本書に書かれていた、お客様の奇抜なご要望の数々・・・

  • 飛行機が買いたい
  • 野球の結果を分析してほしい
  • あの会社に入社する方法を教えてほしい

 

おい、ホテルのコンシェルジュだぞ、ホテルの!

と思ってしまいますが、どれも本当のお話のようで、「ノー」と言わずに対応したそうです。

すごいですね。

 

ただ、お客様のどんな要望にも100%叶えることはさすがにできないし、

お客様の要望の裏に隠された真の要望を見つけて提案することもあるそうです。

 

私の個人的な妄想ですが、奇抜な要望は、リッツ・カールトンが関西1のホテルになって、

クレドが有名になったために、ホテルスタッフを試そうと思ってやっている人もいたかもしれないなと思います。

私なら、博多駅筑紫口にあるホテルに、野球の結果を分析してほしいなんて絶対言いませんから。

 

でも、リッツ・カールトンだったら、少しだけ奇抜な要望を言うかもしれません。(汗)

 

 

ノーと言わないサービスにも失敗が

一見、素晴らしいサービスに思える「ノーと言わないサービス」ですが、こんな失敗例もありました。

詳しくは本書を読んでいただくとして、簡単に説明すると・・・

 

雑誌に載っていたお店を探してほしい。というもの。

コンシェルジュが一緒にお店を探そうと、お客様から情報を聞きだそうとするのですが・・・

 

掲載されていた雑誌の名前は忘れた。

お店の名前は分からない。

お店の住所も分からない。

どんなジャンルのお店かも分からない。

 

とのことで、最後には、「もういい!」と怒って電話を切ったそうです。

 

お店を探してほしいといっているのに、手がかりを何も持っていないなんて、

何なの?探す気あるの?と私は思ってしまいますが、

 

たとえノーと言わずに、一緒に探していたとしても、

表面はYESでも、心の中でNOと思っていたら、お客様に悟られる。と書かれていました。

でも、普通無理でしょと思ってしまいますよね。たとえ表面は親身になフリをしていても。

 

ちなみに、この失敗例は、著者ではありません。

 

 

自分の「モットー」を持つ

著者の前田さんは、お客様が無くされた、父上の形見のボールペンを探し当てたエピソードを紹介しています。

ボールペンを探してほしいと依頼してきたお客様のために、無くした当日の行動ルートを聞いて、

お客様が宿泊している3日間、スタッフ総出で探したのですが見つかりませんでした。

 

お客様はあきらめてホテルを出たのですが、前田さんはその後も退社後、

毎日同じルートを何度も回ってボールペンを探し続けたそうです。

 

そして、お客様が立ち寄ったお店に、何度来たら気が済むの!と怒られたこともあったそうです。

そして、数日後、ボールペンを見つけて、お客様にお渡ししました。

 

ボールペンがあった場所は、意外な場所でした。(その場所は本書を読んでのお楽しみ。)

ボールペンを見つけることができたのは、前田さんがあきらめなかったからです。

 

前田さんが、なぜ、ノーと言わないサービスができるのか、そしてあきらめないのか、

お客様に向き合って仕事をすることができるのか、

本書を読み進めていくうちに、不思議になりました。

 

先日、クレドコンサルタントの清水先生と話していて、

リッツ・カールトン卒業後、いろんなホテルや飲食店で働いていて、

なぜみんなお客様に無関心なんだろう?と思った。と言っていたのを思い出しました。

ちょうど、ザ・リッツ・カールトン・ミスティークの話しを聞いていたときでした。

 

そして、前田さんですが、お客様に関心を向けて仕事ができる秘密は、これでした。

リッツ・カールトンでも登場する『モットー』でした。

前田さんのモットーは、リッツ・カールトンの紳士淑女のモットーではなく、『マイ・モットー』です。

 

前田さんだけのマイ・モットー。

「あきらめない」「心でモノを見る」「自分以外はみな師」

 

これは、自分で考えたモットーで、仕事の時も、プライベートの時も、このモットーなのだそうです。

モットーになじみがなければ、座右の銘でもいいかもしれませんね。

 

人間なんて、ちょっと油断すると、すぐ揺らぐものです。

揺らがないように見える人も、心の中では揺らいでいるわけで、

それをもとに戻すために、何かしらの指針を持っているんですよね。

 

まとめ

もしかしたら、少しズレているかもしれませんが、

今年の8月14日に山口県周防大島町で行方不明になった2歳の子どもを探索開始から

わずか20分で見つけた、大分県の尾畠春夫さん(78)も、モットーのある人だなと思いました。

 

子どもを母親に渡したあと、お風呂を勧められたけれど、断ったそうです。

断った理由は、『自己完結するのがボランティア』だから。

自己完結とは、軽のワゴンに、寝袋や食料を乗せて移動し、現地に迷惑をかけない。それが真のボランティアだ。

ニュースの記事で知りました。

 

迷いは絶対に出てくるし、迷うことは悪い事じゃない。

迷った後どうするか、そのために必要なのが、モットーだったり、座右の銘だったり、

信念だったり、言葉は違うけれども、同じものなのでしょう。

 

そして、全員ができるわけじゃないけれど、できるようになっていくのが、

多くの企業で採用されてきている、社員の行動指針としてのクレドなんだと思います。

 

 

著者/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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